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2012/05/26 22:45
東京優駿
現3歳世代についてはずっと最強世代の呼び声高い98年クラシックの再来だと言ってきた
引き金は14年ぶりとなった朝日杯FSとラジオNIKKEI杯同時での無敗馬誕生だった
不覚をとった後にきさらぎ賞を勝ち皐月賞を差し損ねたワールドエースはスペシャルウィークの道
地味な背景(血統、牧場)ながら叩き上げでどの馬より輝いた芦毛のゴールドシップはセイウンスカイ
無敗で東スポ杯2歳Sを制し抜群の安定感で準主役を張る良血ディープブリランテはキングヘイロー
クラシックには見向きもせずマイル王となったカレンブラックヒルはエルコンドルパサーに通ずる
キャストや取り巻く状況で符号する点が少なくない。この世代のクラシックはトーナメント戦で
枠組みが固まるのが非常に早かった。実力の足りない馬はレベルが上がる毎に淘汰されていった
4月の皐月賞。人気を集めていたグランデッツァ5戦3勝2着1回3着1回(スプリングS)
ワールドエース4戦3勝2着1回(若葉S)ディープブリランテ4戦2勝2着2回(スプリングS2着)は
いずれも好走(掲示板)した。優勝したゴールドシップは4番人気ではあったが実績に乏しいローテが
嫌われていただけで5戦3勝2着2回(共同通信杯)立派な成績だった。最強世代とのリンクきわめつきは
皐月賞で1?4番人気が揃って掲示板を確保したのが98年以来14年ぶりだったということ
(ちなみに98年は5番人気まで独占)3頭はあいだに2度あるが4頭は珍しく今年は4頭だが
4着コスモオオゾラが弥生賞勝ちの6番人気だから至極順当で序列的にほとんど狂いはなかった
それほど皐月賞上位勢の戦力値は高く層が厚いという『前提』でダービーを占っていく必要がある。
ただ、だからと言って強い馬(人気馬)が走るわけではないのが競馬、これは御釈迦様でもわかるまい
98年はスペシャルウィークが皐月賞の雪辱で1番人気に応え圧勝したが3番人気のセイウンスカイは
いつも通り逃げずに4着、代わって暴走気味にハナを奪ったキングヘイローは2番人気14着惨敗
2着には14番人気のボールドエンペラー、3着にも15番人気のダイワスペリアーが入って大荒れ
仮に98年に沿ったアプローチをするしても手を広げすぎることになってしまうから『前提』ありきで
あくまで視野を狭めてはいけないという自戒程度に収めておきたい。まず皐月賞組は強いのだ
しかし最有力候補であるゴールドシップ(総合力)ワールドエース(切れ味)の2頭も盤石ではない
欠落した部分もある。穴党とすればそれが問われた場合を想定して組み立てていきたいと思う
皐月賞はトラックバイアスに泣いた馬も多かったが着差や内容からしてこの組大敗からの逆転は難しい
だとすれば別路線だろう。簡単でないのは百も承知だがフェノーメノの歴史的大勝利に◎をうつ
抜群の瞬発力で抜け出したわけでなくじわじわと伸びた新馬戦(東京2000m)から“感触”はあった
2着馬に詰め寄られながらも絶対に先を譲らないスピードの持続力は当時から印象に残った
3戦目の500万(東京2000m)も同じ。好位で控えてスパッと切れることはないが無限の末脚を繰り出す
先行してある程度の上がりを出せれば物理的に後方から抜けないというのは何度も推奨理由にしている
過去に優勝馬を1頭も輩出していない青葉賞からの参戦だが元来このレースに使うべき馬ではなかった
あの弥生賞がフェノーメノの実力でないというのは誰の目にも間違いない。騎手ひとりにレースを壊された
現実に青葉賞は2馬身半差の完勝。折り合いを欠くシーンもありながら直線でギアを入れ替えて
本当に長くいい脚を使って最後も余力を残して「2分25秒7」は現状で文句なし、挑戦権は得た
ただ大舞台を踏んでいないのも事実。ダービーを勝つには他のどの馬より短期間での成長が必要
その意味では最終追い切りは良くも悪くも平凡だったが追い出されるとしなやかに弾けて好タイム
馬体のハリや息使いすべてに進境が見える。自然体こそ究極の仕上げだと馬が言わんばかりのデキだろう
ステイゴールド産駒はG1での底力勝負に滅法強い。父の現役時代の闘争心をうまく受け継いでいる
大跳びの走法、母父デインヒルだから高速馬場も良いし母系にジャパンC2着インディジェナスで東京も合う
シンボリクリスエスやゼンノロブロイ級に育っても不思議ない。蛯名正義とのコンビで頂点を狙う
冒頭の評価通り、皐月賞の1、2着馬が強敵。とくにゴールドシップは総合力に秀でるタイプ
決め手では一枚譲るかもしれないが潜在能力は底なし。更に成長を感じさせる器で二冠達成も十分
ワールドエースは東京に替わってきさらぎ賞の脚を存分に発揮できればまとめて面倒をみるだけの力だ。