函館２歳Ｓ

２歳戦の開始が２週早まった関係で本レースは３週の前倒し。前哨戦的位置付けの
ラベンダー賞が廃止されキャリア１勝馬(１戦)同士がまさに『ぶっつけ本番』となる
内枠先行有利は確実だけにテンに行けてスピードを持続しパワーで粘れる血統を狙いたい

◆北の大地に輝く原石
◎ローガンサファイアの母ダークサファイアは１勝馬(芝1200m)でその父Out of Placeも
米国でＧ３の勝ち鞍やダート中距離Ｇ１での２着はあるが基本的には冴えない亜流血統
祖母のダーケストスターも凡庸な競走成績だったが初仔にしてこの一族唯一の当たりが
ＪＢＣスプリントを筆頭に根岸Ｓ連覇などダートで優秀な成績を収めたサウスヴィグラス
種牡馬としてもナムラタイタン(武蔵野Ｓ)やトーホウドルチェ(マリーンＣ)など主に
ダートを主戦場にする産駒を数々送っている。ダイワメジャーはこういう母系と相性が良い
現段階で一番似ているのがビウイッチアス(ＦＲ２着)快速かつパワーで押し切るタイプで
メイショウカドマツ(若葉Ｓ２着)メジャーアスリート(全日本２歳優駿２着)もこの手だ
6/30の新馬ではマイペースの逃げになったジェイケイハートを４角で射程圏に捕えると
直線も追われるとしっかり伸びて鞭なしで１着ゴールに飛び込んだ。テンの追走ぶりや
一気に加速する前の瞬間的な反応などセンスの高さを随所に見た。２歳重賞向きの素材だ
中２週でも上がり重点とはいえラスト1F12.1は素晴らしい動き。磨けば立派な宝石になる

◆芦毛怪物の圧倒的存在感
クロフネ産駒は函館芝1200m(※2007年以降対象)で【10-5-4-34】勝率から18.9-28.3-35.8
次位にあたるキングカメハメハを凌ぐ数字を叩き出しており出走回数を考えると断トツ
直近１年だと【4-3-1-9】23.5-41.2-47.1で単勝回収率は177.1％で年々威力を増している
今回の出走は２頭。対抗格は1000mでデビュー勝ちを飾ったストークアンドレイの方だ
1000mらしい速めの流れに乗って上がり34.2の末脚での快勝はレース巧者ぶりを予感させた
近親にダービー馬ジャングルポケット。この王者も仕上がり早で札幌２歳Ｓを制しており
血統背景的に完成度や洋芝適性は父系、母系ともに申し分ない。調教も動いたし逆転候補
ジーブラックはスタートから行き脚がつかず後方からの競馬で４角もスムーズさを欠いたが
馬群をこじあけると素晴らしい瞬発力を披露し何事もないようにまとめて差し切ってみせた
このメンバーでの印象度は一番。クロフネ×アグネスタキオンは２歳戦に相当匂うし
叔父にマルカキセキがいる血統で短距離も悪くないが脚質や馬場を考えると外枠は不利
即効性より長い目で見たい馬だし今回は抑えまで。期待を懸けたいのはコナブリュワーズ
新馬でジーブラックの２着に負けたが大人びた競馬のできる馬で２戦使った経験は大きい
母アンブロワーズは０４年の覇者で父キングカメハメハは０８年フィフスペトルを送った
母父のフレンチデピュティはクロフネの父であり血統的に置きに行くなら完全にこの馬

◆歴史は繰り返す？
前項でコナブリュワーズを推した手前、昨年の覇者ファインチョイスの全弟アットウィルを
無視する訳にはいくまい。タイキシャトル産駒の母アフレタータは芝1200mで３勝した馬
函館２歳Ｓが早熟性を問われる運動会である限り当然要注意だが姉の新馬と比べると
この１番人気は七光りで危険だろう。良くも悪くも平均点を並べただけで見所に乏しい内容
３連覇の懸かる領家厩舎で鞍上岩田康誠、１枠２番はお膳立てされたが消し要素は十分だ

コスモシルバードは祖母スーパーアイドル(芝1400?1600m４勝)がHyperion[4×5]を持つ
スタミナ寄りの前受け血統だから1200mでズブいのは仕方ない。むしろ差した事を評価する
平坦専門のスウェプトオーヴァーボードに一発屋のダンスインザダークで展開に破綻があれば
サドンストームの半弟ティーハーフやマイネルラヴ×アフリートのエターナルムーンまで。

２歳Ｇ１将来性
ローガンサファイア　★★★
ジーブラック　　　　★★★
ティーハーフ　　　　★★★