新潟２歳Ｓ

新潟２歳ステークスは過去10年で前走1600m以上を使われた馬が【2-5-5-42】で1800mに限れば３着が２回あるだけで主力は【8-3-4-49】で圧倒的成績の1400m組だ。流れが緩みやすいマイル以上より多少急がせる1400mの方が重賞では流れに乗りやすいという推測が成り立つ。

血統では定番のサンデー系がここでも良績を残しており仕上がり早で小器用なフジキセキ産駒が強い(今年は出走なし)のは頷けるとしてスタミナ系サンデーの活躍が目立つ。０６年２着マイネルーチェ(スペシャルウィーク)０７年３着のゴールドストレイン(ゴールドアリュール)０９年２着フローライゼ(ニューイングランド)１１年２着ジャスタウェイ(ハーツクライ)

偶然にも勝ててはいないが人気を考えればおいしい紐、しかもこの傾向はサンデー系に限らずテンビーやコマンダーインチーフなど少し重めな血統全体に有効だから上手に拾っておきたい。以上を踏まえて中京２歳ステークスが想像以上の走りだったスペシャルウィーク産駒のタガノラルフに◎をうった。

スタートから速い流れを見越してか後方にサッと下げて内に入れて折り合いをつけると直線もイン強襲。ボコボコに荒れた馬場の悪い部分を通りながら急坂を駆け上がって加速し外のメイケイペガムーンを交わし２着を確保。逃げたエーシントップは取り逃したが２歳馬とは思えないほどの馬力を披露した。

未勝利戦で競った時の勝負根性といい肝が据わった馬だ。このレースは新潟組が強く他場からの転戦は阪神組の２勝だけだが新たに加わった同じ左回りの中京が大きな役割を担い勢力を塗り替える確率は高い。1200mの新馬を見た時も感じたが短距離が向くような馬ではないのに1400mで好走してきたのは能力の証だ。

母父はディープインパクトの母父でもあるアルザオで母レディアップステージは愛の芝１０ＦＧ２勝ちがありオペラ賞でも３着に入ったスタミナのある馬で距離延長は歓迎。冒頭に挙げた二つのポイントを満たしている。直前の調教は遅れをとったが併せたのは古馬オープン馬で動き自体は文句なし。連日のスペシャルウィーク＆岩田康誠の重賞Ｖに期待。

相手筆頭はダリア賞で外から猛追したエフティチャーミー。エイシンラトゥナが距離ロスなく回ってきたのに対しての内容だから評価できる。福島1000mからいきなり距離に対応したのもセンスの現れで好感が持てる。父はディープインパクトの全兄ブラックタイドで母フラワーブリーズは関東オークス２着などダートのマイルや中距離で走った馬。

半姉は1200mの函館２歳ステークスやフェアリーＳ３着で距離に限界のあったカシマフラワーだがヘクターの姉より距離が持つのは明白だから気にならない。この馬もポイントを満たしているだけに調教での不出来と蛯名→村田替わりが心配されての現状の人気は妙味がある。

クラウンアトラスは父ネオユニヴァース×母父ジャングルポケットで３代母がヒシアマゾンという中距離配合で直線の長いコースでの爆発力に魅力大。ただHalo[3×4]があり同じネオ産駒でこの配合だったヴィクトワールピサのように小回りを捌いていく競馬の方がベター。前走は新馬で力の違いで勝てた。ここも通用するなら本物で先物買いの意味も込めて▲

△ユキノユウダンは父ステイゴールド×母父スキャンで叔母にエリザベス女王杯を優勝したリンデンリリー、近親にヤマカツリリーがいる血統。過去２戦1800mなのはデータ的にかなり望み薄で速い上がりへの適性も未知数だが新馬にしては緩みなく流れた(前半5F60秒8)未勝利の内容が光った。人気はないが化けるならコレ。

大外枠は割り引きだがプレノタートの半弟にあたるザラストロ(父ホワイトマズル)も十分走破圏内。２戦続けて上がり最速を繰り出しているだけに乗り方次第で今回もある。ショウナンアンカーは前走1400mを差し切り勝ちで父アグネスタキオンで食指が動くもサンダーガルチが入るとどうもスケールダウンするのは毎度の話

ＮＨＫマイルカップ３着のリルダヴァルが最高の作品であとはマイル以上では苦戦。この新潟２歳ステークスでもバンガロールの３着はあるがガンズオブナバロンが綺麗に飛んだし新馬の派手な勝ち方と比例しないのがサンダーガルチの血である。短距離方面で将来性には見えるがここはあって３着、カラフルブラッサムも同じ。

メイショウオオゼキは父ハーツクライで母系は米血だからジャスタウェイに似た血統構成でデビュー戦も無難にまとめたが平均点が高いより抜きん出た武器が重要である事を考えると１７番でもあるし１番人気で買うほどではない。これならばタニノギムレット×アグネスタキオンという本レースで相性の良い組み合わせのナンヨーケンゴーの末脚に警戒。