すずらん賞・丹頂Ｓ

２４日?２６日までの東京ドーム３daysで長年の夢を叶え、２７日には卒業公演として聖地である劇場でのラストを飾りＡＫＢ４８としての活動を終えた前田敦子とディープインパクトは少し似ているのかもしれないと感じた。

かたやＣＤが発売されれば即日ミリオンを達成し握手会にも相当数のファンが押し寄せ、冒頭の東京ドームライブにものべ１５万人近い動員がありテレビ、新聞をはじめマスコミ媒体もこぞって全力で報道した今や国民的アイドルグループとなったＡＫＢ４８のセンター。

かたや圧倒的な力で３冠を達成しＧ１は歴代最多タイの７勝、１頭だけでお客が呼べると言われた比類なき強さと競馬という枠を越えて愛されたアイドルホース。この人気者たちにつきものなのがアンチの存在である。

当方もディープインパクトとは４歳前半にかけて随分とやりあった。具体的に何が好きではないという理由はないのだがとにかく強さや権力を嫌う層はいるのだ。しかしそれはもうその時点で絶対的な存在を認めている事になる。結局はその大きな世界に引き込まれているのだ。

ただディープインパクトは馬だから口が聞けないし周囲の雑音も耳に入らないがあっちゃんは人間だ。楽しいこと以上に辛いことの方が多かったかもしれない。それでも頑張り通した姿に素直に拍手を送りたい。当方がそうだったようにディープインパクトが引退する時、アンチにも寂寥感が襲ったはずだ。

それはそれまで純粋に応援し続けたファンが持つ寂しさとは少し違ったかもしれない。もうこの馬を負かすような予想をする必要がなくなると思った時に改めて偉大だと意識させられた。そんなものだ。あっちゃんのアンチは一つの時代が終わると思った時どういう感情が心に湧きどういう行動に出たのだろうか？一種の懐かしさを覚えつつ過ごした１週間だった。

【すずらん賞】
◎ディアセルヴィスの巻き返しだ。函館２歳ステークス(１６着)は好位でレースを運びながら４角で故障と見間違うような大きな不利で大きく後退してしまったがダメージはなく態勢を立て直して出走してきた。

新馬戦は1000mだったが前半から軽快なスピードで主導権を握り直線も後続を寄せ付けなかった「58秒8」の逃げ切りもまずまずでラスト１Ｆに１２秒足しても１０秒台の走破は可能だ。ショウナンカンプ産駒の母アイリスモレアも函館1000mでデビューし次走のオープン特別で２着の実績を残している。

道営のシーギリヤガールは函館２歳ステークスで０秒９差９着。とくに見せ場もなかったが大外枠から終始外を回って直線は余力がなかった印象。ダートになるがデビューから連勝の内容が良いし内枠有利な馬場状態で２番枠は絶好で反撃がある。

マイネモントルも父マイネルラヴでコスモミール(新潟２歳Ｓ３着)の半弟だから速効性がある。デビュー戦ではモタれるなど若さを見せたアポロヌリーも一度使われて気合い乗り良好。洋芝ならマイネルラヴ×ファルブラヴという血統のカオスモスも注意が必要だが３か月ぶりという点が不安だ。

【丹頂Ｓ】
札幌２歳ステークスがレコード決着という速い時計が出る現状の馬場で洋芝らしいスタミナがどこまで求められるのか？という疑問はあるがメーヴェに◎をうった。元々３歳時にはクイーンＣ０秒３差５着や紫苑Ｓ０秒４差４着など上級クラスでも互角に走っていた馬

脚質や父がサドラーズウェルズ系のMotivatorという血統面でどうしても好走条件に制約が多く出世も順調ではないがマレーシアＣではいい脚を長く使う持ち味を生かして牡馬をきっちりねじ伏せた。滞在が良い方向に出ており直前の調教も鋭い伸び、折り合いに問題のない馬で距離延長も好材料、ハンデ５０キロなら首位戦線だ。

連勝でオープン昇級を果たしたカノンコードが相手筆頭。その長距離適性と持久力は半兄ポップロック譲り。閉幕が近い北海道にわざわざ連れてきたと考えれば勝算は高い。メイショウクオリアは2600m【0-2-3-0】惨敗続きから札幌日経オープンでは鮮やかに変わり身を見せた巧者で警戒必要。大穴はイーグルカフェ×サドラーズウェルズで２走前同条件で穴になったセイカプレスト(51Kg)