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2012/09/09 10:15
セントウルS
ロードカナロアとカレンチャンが二強を形成しているが今回は両方スピード負けの危険がある。ただしお互い意味合いが違う。高松宮記念で春秋連覇を果たしたスプリント女王カレンチャンはその高松宮記念以来の実戦になりルール改正で負担は減ったとはいえ「56kg」は楽ではないしオーシャンSで4着に凡走した“前科”からも全幅の信頼は置けない。
一方、デビュー以来の連続1番人気を「11」に伸ばそうとしているロードカナロアは本当にスプリンターなのか疑いたくなる内容が条件馬時代からずっと続いている。重賞になっても7秒台の決着はないし、このクラスで前半3F33秒台で走った記録すらない。相手がある事だから仕方ないがそれにしても不思議な馬だ。
高松宮記念の3F34.5-4F46.1(春の中京は異常に時計が掛かった)が該当するのではと思われるかもしれないが同日シュプリームギフトの勝った三河特別(1000万)が3F34.5-4F46.5だからまったく速くない。Hペースと表示されている新聞は捨てた方がいい。仮に実質33秒台前半で追走する力が求められていたとしてもアスファルトで競走するより田んぼの方が差は縮まるのは当たり前。
しかも追走で力を使って肝心の直線で余力が残らないあたりがロードカナロア=強い説の根拠を薄くする。函館スプリントS(2着)にしても万全の仕上がりでないのは誰の目にも明らかだったがそれでも勝たなければいけないレース。大体スピードを一番の武器とすべきスプリンターが溜めて差すなんて見た目に拘った競馬をやる意味が分からない。
全体時計が遅いならば自らレースを作って1頭別次元の走りをすればいい。そういう泥臭い一本調子な猪突猛進型こそ真のスプリンターだ。展開で負けるうちは本物ではない。今回から鞍上が交代した。岩田康誠がいつものように自分の手に強引に合わせるか見もの。実際ロードカナロアが脱皮するためにはそれが必要だと思う。その兆候がなければスプリンターズSはおろかいくら待ってもG1でのVはない。
得意な夏を順調に使って過ごし連覇を狙える位置まで再び評価を上げてきたエーシンヴァーゴウに◎をうった。今年前半はドバイ遠征を含めた3戦で惨敗し好調だった昨夏が嘘のような不振に陥ったが休養を挟んでアイビスSD3着で立て直しに成功した。前走の北九州記念は前半3F33.2の超ハイペースに巻き込まれ差し決着の餌食になったが先行勢では最先着の0秒4差8着はさすがの実力と言っていい。
サマースプリントシリーズ大逆転で頂点に立った昨年は直線で一旦沈みかけながら抜群の勝負根性で盛り返しラッキーナインの強襲を退けた。スプリンターズSは前半3F33.0を好位につけ馬なりで4角を回れるほどの手応え、カレンチャンには完敗したが前述の北九州記念といい展開関係なし自然体の先行力こそスプリンターの気概である。
今回カレンチャンは無理をして来ないだろうしロードカナロアも基本的にレースを作る能力はない。互角以上の能力に天性の適性が加わればこれほど頼もしいものはない。前走時は久々のコースを意識してCW追いになったが坂路でびっしり追われて状態は上昇しピークに近いデキ、本番前にライバルを蹴散らす。
春からの成長が窺えるのがマジンプロスパー。高松宮記念(5着)は前半の流れにも助けられて先行こそ出来たが直線は上位勢と比べると完全に実力不足を露呈し失速。ただCBC賞(重)はハンデ「57.5Kg」を背負って前半3F33.7-4F44.9を2番手追走し直線早目に抜け出す横綱相撲で後続の追撃を阻んでみせた。
アドマイヤコジーン×バブルガムフェローという馬力の血統が道悪で存分に発揮されたとも言えるがひと息入れた効果が如実に現れひと回り逞しくなって戻ってきた。いつも通りCWで迫力満点に追われて状態は文句なし。1200mは【2-0-0-2】これから全盛期を迎えようしている5歳馬の充実が○
4歳ヘニーハウンドは北九州記念5着だったが追走に苦しみ本来の脚が使えなかった。破壊力抜群の決め手はG2のメンバーでも一級品だし流れが緩めば実績のある阪神で爪跡を残す。休み明けで一本追い足りないエーシンホワイティも末脚に魅力のある馬で一発注意。高松宮記念(2着)で唯一後方から差し込んで存在感を示したサンカルロは「前哨戦」+「開幕週」で定番の差し損ね。