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2012/09/09 12:18
京成杯AH
紫苑Sは後方待機も内目をじっくり回って直線は馬群を捌いて見事な瞬発力で差し切ったパララサルーの勝利。2着も1番枠を利して迫ったブリッジクライム、3着には逃げたフレイムコードが入り開幕週らしくロスのない競馬をした組が上位を独占。かたや人気のアイスフォーリス、ダイワズームは外枠が響いて沈んでいった。
野芝の生え揃った一年で最も良い時期の競馬だからとにかく時計も速い。力が抜けていない限り少しのロスも許されない今開催は春や冬以上に中山での立ち回りの巧さが問われると考えていい。重賞2着2回を含め中山芝【3-4-2-1】で巧者ぶりは知れ渡っているであろうに人気の薄いキョウエイストームから入る。
圧倒的適性の高さが最大の魅力。派手な芦毛の馬体とは対照的にレースは至って地味めで圧勝や楽勝とは無縁だが逆に負ける時も接戦が多く、とくに中山に関しては負けた7回のうち3回が時計差なしで3回が0秒1差で大敗したのはヴィクトワールピサなどメンバーの集まっていた中山記念(9着)だけという堅実ぶり。
10年京成杯AH(2着)や11年中山金杯(2着)の映像を見直しても本当に器用。3?4角の動きたい局面でじっと我慢して脚を溜めて直線一瞬のキレを最大限に生かすレースが中山では思うままに実現できる(もちろん騎手の好騎乗でもある)内で包まれて万事休すの所から最内1頭分を突いてきた金杯が真骨頂。この時は正味1Fも追えていない。
少し能力の足りない馬が持てるスキルを全開して理想を具現化する事こそが全国に様々な形態の競馬場が存在する意義でもあり醍醐味。それがキョウエイストームにとっては中山だ。1年4か月ぶりの関屋記念(13着)も中団前で流れに乗ってレースに参加しているし叩いての上積みは十分見込んでいい。
重要な鍵を握る枠順も真ん中の4枠8番で外を回らされるリスクも少ないし極端に内で揉まれこむ事はない。逃げが予想されるゼロス、スペシャルハートに挟まれる格好でネオサクセスは追い込み馬でファイアーフロートもマイルでは掛かり気味の馬だから楽にインの好ポジションにつけられる絶好枠。激走するお膳立ては整っている。
今年に入り(1)(2)(3)(3)着と確変状態の5歳コスモセンサーが強敵。とくに安田記念は前半3F33.8-4F44.9の淀みない展開を好スタートからシルポートに先頭を譲り控えて道中タメを利かせて直線もしぶとく脚を伸ばす味のある内容。去年までとはまさに別馬の快進撃で完全に本格化したとみていい。
ニューイヤーSが3F34.1-4F45.2=「1分32秒4」でガルボ相手に3馬身差の大楽勝。冬より芝の状態が良いからもちろん31秒台も軽く乗り越えられる計算になる。帰厩当初は体が細く映ったというが調教の動きも見るに不安はないし目標のG1を前に無駄な反動が出るくらいなら使ってこないはずでまったく問題なく上位争いだ。
レオアクティブは展開と持ち時計短縮が課題だが前が飛ばしてやりあいそうなメンバー構成で無理にポジションを奪いに行かず脚を溜めていける3番枠が好材料。朱鷺Sの末脚を鵜呑みにする訳ではないが3歳の54キロも面白いし3番手評価。同じ3歳のマイネルロブストは外枠が残念だが中山向きの機動力兼備。
父ゼンノエルシドは中山マイルのレコードホルダー(01年京成杯AH1分31秒5)で高速馬場への適性も十分ありそうだ。中山芝【4-4-0-2】でキョウエイストームの後継かもしれないドリームバスケットや昨年の3着馬レインボーペガサスも複勝圏内ならチャンス有り。
エーシンリターンズは関屋記念(2着)が狙い目だった気がするし忙しくなりやすい中山マイルは微妙で斤量増も影響しそう。持ち直してきたスピリタスも完全に外回り向きの馬で先行できるようになった部分は買えるが追走に手一杯で直線は余力が心配。この2頭は外目の枠でもあるし消した方が妥当だろう。