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2012/09/16 13:30
ローズS
オークスのジェンティルドンナの強さはまさに比類なきもので前半5F59.1の速い流れをテン乗りながら川田騎手が自信満々の後方待機。直線で満を持して追い出されると驚異の瞬発力であっという間に馬群を一飲みしライバルと目されたヴィルシーナ以下に5馬身差をつけた。
上がりは当然最速の34.2。次位のハナズゴールと4角では同じような位置にいながら上がりは1秒以上違った。勝ち時計「2分23秒6」はダービーをコンマ2秒上回る記録でオークスレコードを大幅更新。上がり3F12.1-11.8-11.8だから伏兵が引っ張った前半のタイムだけでなく最後は自身が加速ラップを踏んでの超抜的内容だった。
優秀なマイラーという個人的な見立てはあっさりと崩壊したが高速馬場でマイル的なスピードが活きたのが良かったという後付けは可能。ただ東京2400mをあの時計で乗り切るのにスタミナが不必要なわけもなく能力を認めるしかない(というか難癖つけず絶対能力を信じて桜花賞までの評価で良かった)
ただ、圧勝というのは最大限にベクトル幅が振り切れた時に生じる産物に過ぎない。あの高速決着がジェンティルドンナに大きく味方し2着以下が苦しんだことは確かだろう。牝馬3冠はかなり確率の高い話ではあるが単純にオークスの5馬身差を根拠にこの秋を展望し楽観視するのは賛成できない。
迎える秋始動戦。前哨戦とは思えないほど入念な調整をされ石坂調教師も「何も不安はない」と語るほど仕上がった。ただ休み明けは馬が気負う、杞憂かもしれないがシンザン記念のように掛かる素振りがあるかもしれない。2冠馬でもこのくらい神経質になるのがひと夏を越した時の難しさだ。
ジェンティルドンナに問題提議するならばヴィルシーナやキャトルフィーユら他の実績馬も同じこと。夏を使われてきたスピークソフトリーの一発逆転に期待したい。前走ようやく500万を突破しただけの格下だが実はチューリップ賞では5着に走っており六分だったとはいえジェンティルドンナとは0秒1差だった。
当時は優勝したハナズゴールと2着エピセアロームの外差しが決まり3着ジョワドヴィーヴルをはじめ直線で内に進路をとった馬は軒並み末脚が鈍っておりスピークソフトリーも例外ではなく十分食い下がったと言える。その後は人気で凡走しているが時計差なしと0秒1差だから勝ち味に遅いだけだ。
前走は外からポジションをとりにいって直線できっちり抜け出して成長をみせた。父アルカセットはJCでレコードVを飾った馬で下級条件のスローより重賞の速い流れの方が合う公算が高い。しかも産駒は総じて晩成傾向だから体に実が入って充実してくるのはまさにこれからだ。
この中距離型の父に三代母Alydaressは愛オークス勝ち馬だから1800mへの距離延長は歓迎。母系にはディクタット(スプリントカップ、モーリス・ド・ゲスト賞)やRussian Rhythm(英2000ギニー、コロネーションSなどG1を4勝)がおり底力に不足はない。状態にも問題はないし内からソツなく立ち回って有力馬たちに一泡ふかせたい。