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2012/09/30 14:18
スプリンターズS
豪華メンバーが揃い日本勢の壁は例年以上に厚く高いはずだが安田記念で苦杯を舐めたラッキーナインに再度◎を託す。冷静に考えれば距離以上のスタミナや底力を問われる府中のマイル戦で狙うには少々無理があった。
内から手応え良く先行集団を見ながら進めて直線を向いた時点でも伸びそうな気配があったが残り400m過ぎでバッタリ止まって11着。緩い流れだったチャンピオンズマイル(3着)はこなせたが前半4F44.9の急流では手も足も出ず距離が長かったと言わざるを得ない。ただし勝ち馬と0秒8差に留まっている点にラッキーナインの潜在能力の高さと不気味さ感じる。
昨年は前哨戦のセントウルSから使い出して「59Kg」を背負って苦しい所を割って2着、スプリンターズSも前半3F32.9を先団から余裕で追走し直線でインを突こうとした場面でブレーキがかかる不利がありながら立て直してからも伸びて5着。実力と同時に自身の馬場適性も確実に示しているしこの馬に関しては未知の存在ではなく日本馬と同列の扱いが必要だ。
香港スプリントでカレンチャン(4着)を破っている事からも想像以上に日本トップクラスと遜色ない位置にいる。父Dubawi(ミスプロ系)はジャック・ル・マロワ賞や愛2000ギニーを制した馬で産駒にはドバイWCに優勝したモンテロッソがいる。母父Green DesertはスプリンターズS2着のメジロダーリングなど日本短距離界ではお馴染み。そして半弟のサドンストームが日本の芝重賞で活躍しているのが何よりの好材料だ。
春の来日時は度重なる遠征による疲労の懸念を跳ね飛ばすかのように当週2本追いで勝負を感じさせたが結果的には燃料切れに繋がった。今回は休み明けになるがその分状態も上がり目。調教は芝コースで馬なりを消化しただけで軽いが外国馬はこの程度でも仕上がっている事があるので問題なし。中山コースは相変わらずの内枠有利で5番枠は絶好。鞍上はブリッシュラックの安田記念勝ちなど日本を知り尽くしているプレブル騎手で心強く日本馬討伐の準備は万全だ。
重賞連勝で勢い一番の○パドトロワが相手筆頭。春先から叩いて漸くアイビスSDで復調しキーンランドCもダッシャーゴーゴーの追撃を振り切って優勝するなど昨年のデキに近づきつつある。昨年は人気薄の立場で果敢に逃げを打って有力馬にマークされながらも直線で粘って2着しているようにダート的な粘りが求められる中山1200mは合っている。
サマーシリーズ覇者、まして夏場3戦した馬はピーク過ぎでいつも期待外れに終わってきたが超叩き良化型のパドトロワはここで最高潮に仕上がってきた。控えても味のない馬だけに後続に脚を使わせるレースで自らの勝機を呼び寄せたい。
一発あれば▲マジンプロスパー。セントウルSはカレンチャンと序盤競って前半3F33.2のHペースとなりさすがにお釣りがなく失速したが敗因は明らかだけに度外視できる。余裕残しの造りでもあったし上積みは十分。CBC賞は直線入り口先頭の強気な競馬で押し切ったように完敗だった高松宮記念(5着)からの地力強化は間違いない。馬場の良い内から好位抜け出しがある。
外枠の分、評価を下げたがセントウルSを勝った△3歳エピセアロームも魅力的。有力馬が厳しいペースに巻き込まれた中、最も落ち着いたレースをしていた印象だが抜ける時の速さと叩き合って先を譲らなかった根性はG1馬の資格ありを思わせた。中山適性が高い父ダイワメジャー×高速馬場に強いコジーンの組み合わせで血統面や厩舎的にもアストンマーチャンと酷似している。
偉大な短距離専門という押しも押されもしない地位を築いたサクラバクシンオーはスプリンターズSを連覇しているが産駒は【0-0-2-16】で絶不振。ダッシャーゴーゴーは一昨年2位入線(降着)しているが基本は狙い辛い。一瞬の爆発力が武器の馬で中山は悪くないが外枠よりは内枠が良かった。連下まで。
デビューから11戦で3着を外していないロードカナロアは真価を賭けた一戦。セントウルSは初めて厳しい内容を経験して2着に粘ったがG1で外枠に入った今回前走以上は疑わしくあくまで3着候補。あとは他の外国馬よりかなり早く来日して勝負気配の高さを窺わせるリトルブリッジの先行力を少し抑え。
史上初のスプリントG13勝目を狙うカレンチャンは大幅馬体重増のセントウルS(4着)で善戦した点も含め反撃濃厚の雰囲気だが個人的には待ったをかけたい。あれは次に繋がる好走ではなく反動が心配な激走だった。オーシャンS(4着)→高松宮記念(1着)で一変した時は前哨戦で無理をせず流れ込んだだけで消耗は最小限で済んだが前走マジンプロスパーに付き合って頑張りすぎたのは女王陥落の始まりだった気がしてならない。