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2012/10/07 00:38
オパールS
舞台を東京と京都に移していよいよ秋競馬も本番を迎える。G1戦線が楽しみなのは勿論だが来年のクラシックを目指す有力2歳馬たちの本格始動もまさにこの時期からで興味は尽きない。数々の名馬を輩出してきた菊花賞当日に組まれている伝説の新馬戦も今開催だがいきなり必見は日曜の京都5R(芝1800m)
桜花賞や秋華賞などG1タイトルを3つ獲得したファレノプシスの半弟キズナ(父ディープインパクト)に皐月賞を逃げ切ったキャプテントゥーレの全弟リジェネレーション(父アグネスタキオン)この良血名門対決が早速実現する。私事ではあるがこの2頭はPOGで指名している(共にエース級の扱い)勝つのは1頭だから限りなく不毛な争いではある。
しかし勝負を離れて純粋に好カードに酔いしれるのも一興。しかもこの2頭には因縁話もある。遡ること5年前の夏にも後のG1馬3頭が凌ぎを削った伝説の新馬戦があった。当時断然人気を集めたのは武豊騎乗のキャプテントゥーレだったが勝者は佐々木晶三厩舎で佐藤哲三騎乗のアーネストリー(2着にトールポピー)で明暗を分けた。
ただ新馬では暗の立場に回ったキャプテントゥーレだったが即座に未勝利を脱出すると川田将雅との新コンビでデイリー杯2歳Sを制して暮れのG1でも3着に入り翌春には皐月賞を制す順風満帆の出世を果たした。その一方で苦しんだのがアーネストリー。体質が弱く2戦目は弥生賞の1週後で3着に敗れてまたも休養を余儀なくされる。その間に同じ新馬を戦った牡牝2頭がクラシックホースに輝いていた。
結局2勝目を上げたのは秋風吹き始めた9月下旬だったが急がば回れとは良く言ったもので我慢が実りつつあった。その時キャプテントゥーレは故障、トールポピーも不振に陥っていた。4歳秋には両者、初重賞制覇と復活Vに湧いたが再び眩いばかりの脚光が当たり始めていたのがアーネストリーであることは誰の目にも明らかだった。
5歳秋の天皇賞で久々の顔を合わせとなった。どちらも重賞勝ち直後で勢いに乗っていたがアーネストリー(3着)が大きく先着する。3度目の金鯱賞はキャプテントゥーレが2着で意地を見せるがこれが最後の輝きとなってしまう。その1か月の宝塚記念をレコードで快勝し頂点に立ったのはアーネストリーだった。キャプテントゥーレがG1を制してから実に3年以上の月日が経っていた。
この2頭の関係とは何だったのかと考えると不思議である。テイエムオペラオーとメイショウドトウ、ウオッカとダイワスカーレットのように何度も雌雄を決する激戦を繰り広げたわけではないからライバルとは違う。競走生活を描く曲線はほとんど交わってこなかったのだ。2頭とも「至福」と「どん底」を味わったという意味では“仲間”が一番しっくりくるかもしれない。そんなストーリーに浸りつつ第二章の幕開けを見守りたい。
オパールSは3歳牝馬マコトナワラタナから狙ってみたい。近2走は古馬の壁に阻まれた感じもあるが北九州記念は+20キロが響いて直線伸びを欠いたものだし、セントウルSは道中で鞍上が大きく立ち上がる不利があった。着差はそれぞれ0秒6と0秒9だから見限るのは早計だろう。京都1200mは春に橘Sを上がり33.4の末脚で制しており武器である決め手を全開できる得意コース。
去年の秋開催前半は悉く外差しは不発に終わっていたが初日を振り返ると内外不利のない均等な伸びを見せており10番枠もまったく心配なし。叩き3戦目「51Kg」の恵量、穴の酒井で一発の予感が漂う。相手も同じ3歳で古馬初戦のセントウルS0秒2差の5着まで迫ったサドンストーム。前回の内容を今回再現できれば勝ち負けは確実、「53Kg」も望外だ。
開幕週の馬場を味方に徹底先行のテイエムオオタカが3番手、セントウルS(3着)で大外を飛んできたアンシェルブルーも一時の不振を完全に脱しており要注意。エーシンホワイティは出遅れ癖が難も能力は上位で春雷Sの末脚が炸裂すると怖い、ケイアイアストンも時計が速すぎると出番はないが京阪杯2着など重賞でも好走しているだけに一応の抑え。