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2012/10/07 10:36
毎日王冠
新馬以来カレンブラックヒルの能力は高く評価してきた。無傷でのNHKマイルカップ制覇はエルコンドルパサーに次ぐ快挙。真価が問われるのはまさにエルコンドルパサーと同じ復帰となるこの舞台からだ。どちらもダービーをパス(エルコンは出走権利なし)で芝1800m以上は未知の点も一緒。
エルコンドルパサーは半端なかった。史上最高のG2と今なお語り継がれるレースで2着。その後の大活躍が約束されたも同然だった。当たり前だが今回サイレンススズカやグラスワンダーはいない。いるのはシルポートやエイシンフラッシュくらいなもので圧倒的に楽に戦える。
ただNHKマイルカップを物差しにすると評価が揺らぐのだ。「3馬身半」差は見事な圧勝で同世代相手のマイルに敵はいないと断言できるがあの省エネの内容では古馬との比較は難しい。あれがカレンブラックヒルの全力ならば評価は容易いがそれはない。だから良い風にも悪い風にも考えられる。
改めてNHKマイルカップを回顧するとニッポーテイオーの安田記念ぶりの府中マイル逃げ切りや秋山騎手の初G1など明るい話題が多かった。ただ肝心のレース内容は過去17回でワーストの「1分34秒5」直前にゲリラ雷雨があったことを加味しても遅い。同じように極端な後傾ラップだったのがラインクラフトの勝った05年だが
12年 3F35.1-4F47.3-5F59.9 11.6-11.3-11.7=1分34秒5
05年 3F35.5-4F47.4-5F59.4 11.3-11.3-11.6=1分33秒6
どちらかが優秀であるかは一目瞭然。カレンブラックヒルは『切れない』という弱点を晒しながら後続の接待によって悠然と勝利を掴んでみせたのだ。これだから着差というやつはアテにできない。長々と書いたがこれは実力を買っているからであって弱さを実証しようというのではない。
普通であればG1馬であろうとこの内容ではたちどころに切り捨てている。回りくどい言い方になるが底を見せていないからこその危うさがあるというのを警鐘しておきたかった。休み明けで陣営も無敗には拘っていないとコメントしているし1番人気ならば消す策をとってみたい。
エイシンフラッシュもダービー以来の勝ち星に躍起となっているが1800mは判断を誤った。シルポートが昨年のような超スローに持ち込めば分からないがそれで失敗しているだけ望み薄、久々の1800mで緩みない流れになって一瞬の爆発力をどこまで温存できるかがカギ。あっても3着とみる。
本命はフェデラリストにうった。初の重賞挑戦となった中山金杯でいきなりのVを飾ると一線級も揃った中山記念を連勝、大阪杯はショウナンマイティの大駆けに屈したが完全に勝ちパターンだったしトーセンジョーダンには先着を果たしているからG2クラスでも格は上位。
宝塚記念は春シーズンの疲れか覇気がなく前半から行きっぷりも悪く後方のまま尽き10着惨敗だがそれまでの評価が覆るものではない。夏場に充電されリフレッシュ。一週前に強め、当週軽めのフェデラリストの理想の調教が出来て仕上がりも良好。上半期は良くも悪くも謙虚な挑戦者の域を越えなかったが本気の秋へいざ参る。
有力馬は先を見据えた造りだけにタッチミーノットにも一発のチャンス。新潟記念はスローを見越して先行したのが大正解で2着に粘りこみ。ダンスインザダーク産駒らしく典型的なムラ馬だが決定力があるし人気薄なら狙うにあたっての障害もない。思い出されるのはHペースでダイワメジャーなどを一網打尽にしたチョウサンだ。
これといった推し材料こそ少ないが調教で抜群の動きをみせた同舞台のエプソムCを勝ったトーセンレーヴ、緩みなく流れて折り合いに不安がなくなった時のダノンシャークの追い込みも十分ある。安田記念馬ストロングリターンも東京巧者だから面白いが「58Kg」だと終いが鈍るだろう。