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2012/11/09 20:00
京王杯2歳S・オーロC
確たる主役こそ不在だがデイリー杯2歳ステークスの上位組と夏に実績を残した組が激突する好カード。予想のファクターも絞りづらいが短距離=速力=走破タイムをひとつの目安としそれぞれのレースを比較すると優秀だったのがレースレコードだった新潟2歳ステークスで水準上がクローバー賞、デイリー杯2歳ステークス、カンナS、野路菊Sはほぼ例年並みだった。
高水準の新潟2歳ステークスを初芝で2着したノウレッジを中心とした。この馬に関してはまず新馬戦の衝撃が凄かった。ダート1200m戦に出走し道中は蛯名騎手が追っつけ通しで後方に置かれていた。しかし直線は半ば絶望的な位置から外を豪快に伸びてついにはG前でまとめて差し切った。まさにブロードアピールを彷彿とさせる競馬ぶりは2歳馬離れした脚力だった。
とはいえキャリア2戦目の芝重賞でいきなり認められるほど甘くはなかったが10番人気の評価を覆す快走を披露。道中は馬群で折り合いをつけて進むと直線も自分から動いて早目に先頭。最後はザラストロの強襲に屈したが先頭に立ってからも1F近くスピードを持続させ粘り込んだレースぶりは一介のダート馬を超越した走りだった。フロック視される面もあると思うが性能の違いは明らかだ。
ダート馬扱いの一因は血統。父Street Senseはケンタッキーダービーを制しプリークネスSでもカーリンの2着、その父Street CryもドバイWCの覇者で砂の一流馬。母父コロナドズクエストも米G1を複数勝っておりダートでは大出世しても不思議はないが芝を走るには疑問符がつく。それでも現実に走った以上は血統面でも答えを出さなくてはならない。
ポイントは父系にあるMachiavellianとみた。日本での直仔はひと息だがBMSではヴィクトワールピサ、アサクサデンエン兄弟を筆頭にマイネルスケルツィ、そしてエリザベス女王杯で人気を背負うヴィルシーナなど素晴らしい活躍がある。実はこれ昨年のサドンストームの推奨理由にも挙げておりいずれも東京の重賞で強い傾向も同じ。調教もしっかり動いているし多くの人が半信半疑の今回は人気的にも買いの一手だ。
カンナS「1分8秒0」は高速馬場の恩恵もあり過大評価は禁物だが前半3F33.1で飛ばして直線も独走したサクラバクシンオー産駒ヴァンフレーシュの将来性は文句なし。未勝利を差して勝っており控える競馬も駄目ではないが自滅も有り得る距離だけに3番手止まりとして対抗はカンナSで3着だったナカナカ。ヴァンフレーシュとは逆にそれまでの逃げから出遅れて初めて後方からのレースとなったが最速の上がりで追い込んだ。
追ってからしっかり伸びたのは先々に向けて収穫があったし新馬戦をフラムドグロワールと接戦している馬で能力的には重賞でも通用の素材。父ロードアルティマは高いスピード能力で勝ち上がりセントウルSで3番人気の実績もあるなど短距離志向の強い種牡馬だ。テイエムイナズマもマイル重賞を自分から仕掛けていける持久力があるだけに東京の直線にも不安はない。速い流れが予想されるだけに逃げ先行以外の経験は重視しておきたい。
【オーロC】
春以来の長期休養明けとなった富士Sで3着に好走したヒットジャポットには言い訳がましくて申し訳ないが少し色気があったのだが陣営の「追い足りない」などの泣きコメントが引っ掛かり無印。骨っぽいメンバーを相手に上がり最速の33秒8を叩き出しておりさすがの東京巧者ぶり。直前はW追いからPの軽めだったが相手関係を考えれば勝ち負けだ。
上昇一途のミトラも侮れない。前走の紅葉Sは実績のないマイル戦だったが2番手につけると直線は逃げたタイキパーシヴァルとの叩き合いを制す強い内容。勝ち時計「1分32秒7」は富士S6着相当でヒットジャポットとも時計的には0秒2差だ。今度はフリーウェイSを「1分19秒6」で走破して自信を持っている距離に替わるし昇級の差は埋まる。
アンシェルブルーはセントウルS3着があるかと思えばオパールSのように相手の軽いオープンでも平気でコケる勝ち味に遅い馬。走りのリズムが重要で典型的な差して届かないからといって先行すると終いが鈍りより着順を落とすタイプ。この舞台は合っているし中団で溜めれば首位戦線。インプレスウィナーは追走さえスムーズなら進出注意。