ファンタジーＳ

新設されたアルテミスＳを関西馬コレクターアイテムが優勝し阪神ＪＦの有力候補に名乗りを上げた。東京マイルに使える選択肢があることによって無理に距離を短縮させたり、牡馬との戦いを避けることが出来るだけに有意義な重賞だ。その分煽りを食う感じになるファンタジーＳだが今年はブエナビスタやレーヴディソール級のスターが存在していないだけにこの組にもチャンスは回ってくるはず。

抜けた馬がいないこのメンバー構成なら１戦１勝のノボリディアーナに◎秋の京都開幕日に内1400m(牝馬限定)でデビュー。発馬を互角に切って道中は折り合いに専念しじっくり後方待機から４角で外に持ち出されると直線では断然人気だったカレンチャンの半妹プランタンビジューを手応え良く交わして初陣を飾った。

特に秀でた才能を見せたわけではないがセンスの良さと完成度が光った。同条件で格の違い全開だったスイープトウショウやラインクラフトほどのインパクトはないが実に玄人受けする競馬ぶり。前半3F35.3-4F47.1-上がり3F11.9-11.6-11.5＝「1分22秒1」終い加速ラップを差し切っているのに好感が持てる。

勝ち時計も馬場を考慮しても上々だし、まして１週後のりんどう賞が「1分21秒9」であれば十分な合格点。調教でも速い時計こそないがじっくり負荷をかけられており陣営も状態に太鼓判。過去５年でクロフネ産駒が２勝２着１回３着１回と大暴れしているように外回りでも比較的ダート志向の強いレース。

ノボリディアーナはクロフネ生みの親であるフレンチデピュティ産駒だから適性外とは到底思えないし母スターリーロマンスはフジキセキの全妹にあたる良血馬。重賞勝ち馬こそいないが兄姉はコンスタントに勝ち星を積み上げていて2つ年上のダノンミルは若葉Ｓ２着の実績馬だからいつオープン級の素材を送っても何ら不思議はない。

このアプローチだとクロフネ産駒で函館２歳ステークス覇者のストークアンドレイは無視できないが久々で洋芝→軽い京都替わり、賞金面の不安がなく余裕残しである事を考えれば抑えまでが妥当。札幌千五、阪神千四と強い勝ち方だったプリンセスジャックが○ききょうＳは馬群を割って力強く伸びるレースで臆病な面があるとは信じられない内容。

スピードが勝っているタイプだけに問題は直線の長いコースに替わって末脚を持続させられるかだが高い能力に賭けてみたい。デイリー杯２歳ステークス(７着)では外枠で好スタートを切ったのが裏目に出て折り合いを欠いたサウンドリアーナの巻き返しが▲父ケイムホームの取捨が難しいが新潟２歳ステークス３着だけ走ればお釣りがくる。

ローガンサファイアは前走のりんどう賞(２着)でスローとはいえ絶好位から逃げ馬を捕えきれなかった辺りにダイワメジャーの切れ味における限界を感じるがレース巧者なのは間違いないだけに２歳戦のうちは△がいる。サフラン賞勝ちのタガノミューチャンや評判の高いディアマイベイビーも一角崩し。

【12:00追記】
本命のノボリディアーナがまさかの出走取り消し。非常に残念だが次走以降に期待するとして印はそれぞれ繰り上げ、4番手にはストークアンドレイ。面白みに欠けるが平穏な決着となってもらおう。