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2012/11/11 14:37
エリザベス女王杯
牝馬3冠を達成したジェンティルドンナの陰で泣き続けたヴィルシーナの悲願を祈る気持ちが圧倒的な支持に繋がっている。秋華賞は前半5F62.2の超スロー、向正面でチェリーメドゥーサが一気に捲って後半5Fは58.4で急流に一転。とは言ってもヴィルシーナが仕掛け始めたのは残り3Fくらいだから字面ほど厳しくはないが捕まえに行ったぶんの余計な負担とジェンティルドンナと馬体を接しての追い比べは見た目以上に消耗しているはず。
秋3戦を見据えた仕上げで今回も伸びシロはあると陣営は話すが全力を尽くした直後に説得力はないし道悪も未知数とくればむしろ“定位置”からの陥落さえ考えられる。一方の古馬勢はフミノイマージンとホエールキャプチャ。フミノイマージンは前走の京都大賞典で1番人気に推されたが4着。牡馬のメンバーが微妙という見方もあるが2400mであの走りが出来るならば合格だし0秒1差だから勝ったも同然だった。
2走前の札幌記念でダークシャドウ、ヒルノダムールらG1級を捩じ伏せているし牝馬相手なら力は一枚上で10年2着のメイショウベルーガと歩みが似ている部分は多い。過去に札幌記念を勝った牝馬はエアグルーヴ、ヘヴンリーロマンス(天皇賞秋)フサイチパンドラ(エリザベス女王杯2着)など秋に大仕事を成し遂げているしテイエムオーシャン、ファインモーションもG1を勝っていた馬で能力に絶対的な保証がつくのは確実。
重賞勝ちが小回りコースに偏っているなどの声もあるが古馬王道の距離でこのレベルの走りが可能な馬が今回のメンバーでいるのかを冷静に考えれば自ずと愚問であることに気付くはずだ。本来ならばヴィルシーナではなくてこちらが抜けた人気であるべきなのだ。道悪も3歳時の1400m(重)とルーラーシップやアーネストリーが相手の金鯱賞(不良)であまり参考にはならないし後者で6着はむしろ善戦の部類だろう。
最終追い切りは動きを確かめる程度で軽めだったが終い重点に切れ味十分のフィニッシュ。夏から逆算して京都大賞典ではわざわざ調教ペースを緩めてまでここ目標に仕上げてきただけに納得の答えが出せるはず。あとは人馬が悪夢から醒める時。相棒がVM(15着)でどん底に落とされた時、太宰啓介は別の意味で苦悶反芻したはずだ。苦しみを乗り越えて復活した手綱の絆は二度と壊れまい。太宰よ、今こそ男になれ。
ホエールキャプチャが2番手。VMはとにかくロスなく完璧に立ち回ったので特筆することもないが春に負かして勝負付けが済んでいる馬も少なくないのでここは好勝負必至。府中牝馬Sは夏バテの影響が長引いたのもあって見せ場なく散ったが大事をとって直線は全く追っていないあたりが横山典弘の狡猾さ。11着でも0秒6差だ。あくまで目標はここだという意思表示がはっきり見える。状態は上がっているし昨年くらい走れば上位争い。
極端な馬場悪化ならばとっておきのレジェンドブルーが大穴。重賞実績は皆無だが前走の丹頂Sはスタンド前でハナを奪う積極的なレースぶりで0秒1差4着に粘り込んだ。北海道2600mで好走歴があったのは09年優勝のクィーンスプマンテと一緒。単騎で気持ち良く逃げれば実力以上の力が出る。ステイゴールド産駒で道悪【1-2-0-1】連を外したのは適性外のマイル戦だけ。京都特有の大逃げが決まる流れに持ち込める可能性を秘める。
善戦ぶりが目立つだけであまり印象には残らないが昨年のエリザベス女王杯でホエールキャプチャに1馬身続く5着で入線したレインボーダリアも格上挑戦だった当時からパワーアップして戻ってきた。クイーンS(4着)府中牝馬S(4着)はともに外枠に手を焼いただけで力負けではない。勝負強いリボーのクロスを持ち、昔の威光はないが大一番で輝いたブライアンズタイム産駒で大駆けがある。
前半5F59.3-上がり3F11.7-11.2-12.0=「1分58秒6」でHレベルだった大原S2着のマイネジャンヌは外回り向きではないが父ロージズインメイで少しでも時計が掛かるのは好材料だしフサイチコンコルドを挟んで長く脚を使えるトニービンの血を内包しており浮上の目もある。ピクシープリンセスは1000万を勝っただけで人気になりすぎ(鞍上M.デムーロ)だが前走が圧勝で外回りコースは悪くないし久々に雨の日のキングマンボがあるかもしれない。