カペラＳ・尾張Ｓ

年の瀬だというのに予想は落ち込むばかりで懐は寒い。春先の過去最高レベルの勢いは何処へいったのか。２週くらい的中がなくても意に介さないが本命馬どころか印を回した馬がことごとく二桁着順に沈んでいくのは異常事態。これでは逆利用して切っていい馬を探すことも困難で死神をやるにしても出来損ないである。

前年こそ稍重にも関わらずペースがやけに落ち着いて先手を奪ったケイアイガーベラの楽勝に終わったが中山ダ1200mの華は前崩れの大外一気だろう。そういえば年頭のジャニュアリーＳでエベレストオーを本命にした。当時は走らなかったが太秦Ｓで穴になった。今年はビートブラックといい、ニホンピロアワーズといい過去につるんでいた馬の活躍が凄い。

しかしいざ激走した時にタイミングが合わないのだから一銭の得にもならない。しかも穴としてのカドがとれていわゆる“アナがない状態”で出世したわけではなく伏兵のレッテルを張りながら突然能力解放させるから厄介この上ない。潜在能力を見抜く力があると自慢にもならない事を自負して己の存在意義を確かめつつ傷を癒していくしかない。

閑話休題。ＪＢＣスプリントでタイセイレジェンドが戴冠。もはや重賞７勝のセイクリムズンや中山の鬼ティアップワイルドも過去の馬。この路線の消長は激しい。狙ってみたいのは５歳シセイオウジだ。得手不得手がわかりやすいこの舞台で【3-1-1-2】展開に左右されがちな追い込み馬でありながら掲示板を割っていないのは立派で良馬場に限れば複勝率は100％だ。

年明け、準オープンに昇級してからも安定し春風Ｓは逃げ切ったトシキャンディ(プロキオンＳ)の２着、安芸Ｓも骨っぽい関西馬と互角以上に渡り合って２着。夏の新潟(北陸Ｓ)はＨペースだったとはいえガンジス(武蔵野Ｓ２着)を並ぶ間もなく外から颯爽と交わしてＶを決めておりポテンシャルは重賞でも通用するものがある。

２走前のペルセウスＳは前半3F35.5の緩い流れで結果を見ても前有利の展開だったことは明らかだが躓き気味のスタートで道中は最後方からの追走となったが直線に入るとエンジンが点火し上がり最速の脚で猛然とスパートし２着インペリアルマーチには０秒３差まで迫った。最後止まった感じだったのは仕掛けが早かった分。霜月Ｓ(８着)は道悪で度外視できる。極限まで脚を温存して直線勝負に徹せる中山であれば勝ち負けに持ち込める。

ダート７戦４勝、路線変更がズバリとハマったエーシンウェズンの霜月Ｓは距離短縮が功を奏した。課題の発馬をクリアすると内の馬を見ながら手応えも楽に先行集団につけ直線も気合いをつける程度であっさり抜け出す余裕のレースぶりで力が違った印象。相手強化に加え、コース、距離ともに初物尽くしだがこの馬を追ってきた身からすれば此処も通過点にする可能性は高い。

シルクフォーチュンの武蔵野Ｓ(１１着)は見事なジェットスキーだったがあの気性にあのペースでは致し方ない。中山は久々だがオータムＰが強烈な脚だったし少し忙しいくらいの距離が合いそうだ。休み明けの室町Ｓで３着に好走した反動を考慮してか中間の調教を加減して馬体重を戻していた節もあるタンジブルアセットも得意のコースに戻ってチャンスがある。ティアップワイルドは使い詰めた方がいいワイルドラッシュ産駒で中６週がどう影響するか？

【尾張Ｓ】
オワリじゃなくなった尾張ＳはファイナルＳ２着以来の激走を目指してフライングアップル。今年の六甲Ｓでも５着しているように阪神マイルがピッタリなのは疑いようがない。それでもＵＨＢ賞が上がり最速で０秒６差５着だったようにスプリント戦でも展開ひとつで出番がありそうな気配がプンプンする。

追い切りも藤沢和厩舎らしく無理のない登坂だったが【4F51.4-3F37.6-1F12.8】で理想的な馬也調教。８歳馬だが煽馬らしく衰えた様子は微塵もない。中京は芝丈のわりに時計の掛かる外差し傾向を示しており単純なスピード勝負にならないのもプラスに働く。本線はこの相手関係ならシゲルスダチとスギノエンデバーで順当。

シゲルスダチは京阪杯を除外されての参戦で今後のためにも賞金加算は至上命題。スギノエンデバーは北九州記念制覇や一線級が揃ったセントウルＳ０秒４差８着が光る。京阪杯(１２着)は前残りで気にする必要はない。ウインドジャズは新装中京で２戦２勝の戦歴が不気味に映る。コンスタントに使われているが状態は保っているだけに一発に警戒したい。