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2012/12/14 21:02
愛知杯
高速馬場化した夏よりも更に芝丈が短くなっており速い時計の決着は継続されると予想したのが2週前だったが見当違いも甚だしかった。開幕日の金鯱賞すら「2分00秒4」芝のレースはトータル10Rあったが血統別にみると父はハーツクライ、ジャングルポケット、母父はトニービンなどGrey Sovereign系の活躍が目立つ。
サンデー系もハーツクライを含むダンスインザダーク(トーセンダンス)やマンハッタンカフェ、スペシャルウィークなどスタミナ色の強い馬。そしてモンジューやスエヒロコマンダー(コマンダーインチーフ)など欧州系のスタミナ種牡馬の産駒も上位に顔を出す傾向でとにかく芝質が春の状態に近く重い。トニービンが強いあたりは昔の府中を思い出す。
牝馬限定のハンデ戦で一筋縄でいかないのは百も承知だがエリザベス女王杯4着の◎マイネオーチャードで好戦約束。その前走は道中後方でじっくり構えて直線は馬場の良い外に持ち出し一気に鋭伸、上位3頭の混戦とは水を開けられたがそれでも同斤を背負って0秒3差は無欲の騎乗で腹を括った影響も大きかったとはいえ評価に値する好内容。
デビュー当時は距離や体調の問題で力を発揮できなかったが2000m以上に絞り、じっくり成長を促していった効果もあり今年の春から成績が安定してきた。G1挑戦のきっかけを得た2走前の魚野川特別は伏線だったかもしれない。クラシックにも出走したメイショウカドマツが絡まれながら逃げ前半5Fは58.0のHペース。
中団後から機を窺い4角手前でスパートを開始すると残り400mで早くも先頭に並びかけマイネルシュライとの激しい叩き合いを凌ぎ切ってみせた。ステイゴールド産駒らしい脚の持続力に加え勝負強さも垣間見えた一戦だった。勝ち時計「1分58秒1」は2週後の魚沼S(1600万)の「1分58秒8」を大幅に上回る優秀なものだった。
全4勝が左回りの典型的なサウスポーで芝2000m以上では【4-1-1-4】大敗したのは未勝利戦(10着)と休み明けだった名古屋城S(10着)だけ。母系を遡ると米3冠馬Seattle Slewの名前がありティンバーカントリー×Dixieland Band×Alydarと馬力の血が重ねられているのも今の中京を考えればピッタリ。再び格上挑戦の立場だが軽量を生かしてゴール前で差し切る。
エリザベス女王杯3着の○ピクシープリンセスへの本線。この馬も1000万を勝った勢いを駆ってあわやヴィルシーナに先着かという際どい場面を演出した。後方でノメりながらあの追い込む脚を見せるのだから末恐ろしい。充実一途の4歳馬、調教もしっかりこなしたしデキ落ちさえなければ勝ち負け。母母父がサドラーズウェルズだし絶賛確変中の秋山騎乗も頼もしい。
以下が大混戦。紐に狙いたい馬が前走マイルという馬が多いのだが今開催の芝で3着以内に入った30頭中2F以上距離を伸ばして好走を決めていた馬が1頭もいないのが気掛かり。それでも1F距離が長く斤量も背負うオールザットジャズやアカンサスを買うなら多少の事には目を瞑って3歳のサンシャインとアイスフォーリスを見直したい。
サンシャインは爆発中のハーツクライ産駒で母父Pistolet Bleuもスタミナ豊富な血統で半姉のワンカラットが何故短距離で走っていたのか不思議だったくらい。1番人気に推されたユートピアSは前半4F47.7のスローから瞬発力勝負という不向きな展開になってしまったのが全て、エルフィンSは勝っているが本質は中距離志向。秋華賞7着だけ走れば「52Kg」で突き抜ける可能性まである。
秋は歯がゆい結果続きのアイスフォーリスもオークス3着でマイルも好走しろというのが無理な相談。その上不利な大外枠を引いたターコイズS(8着)は完全度外視できる。父ステイゴールド、母系にKey to the Mintで消耗戦は歓迎だ。ハンデは見込まれたがシースナイプも条件好転、母父スペシャルウィークで母母父サドラーだ。C.ウィリアムズが「52Kg」で跨るゴールデングローブも怖いが切れ味で勝負するタイプだけに今回は苦戦するかもしれない。