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2012/12/16 12:38
朝日杯FS
土曜のマウントシャスタには白旗は簡単に上げるもんじゃないなと心底思わされた。無傷の4連勝で2歳王者の座を射止めようとしているコディーノが絶対的主力視をされている。前走の東京スポーツ杯2歳ステークスは残り300mくらいまで前が壁になっていたが空いたスペースを瞬時の反応で割って速い脚で一気に突き離す強い内容だった。
ただ予想の段階で△にしていたようにコディーノの切れはマイラーだった母ハッピーパス譲りで一瞬の脚。だから東京は不安だった。結果的に直線半ばまで脚を温存した格好になったのが幸いした(それでも上がり2F目の10.9を馬なりでついていけるのは十分凄い)過去朝日杯を使った馬でダービーを制したのはナリタブライアンまで遡ることになる。
全く異なる舞台でそれぞれの適性を要求される東京2400mと中山1600mの両方を攻略するのは難しい。コディーノも将来的には2000mもこなすマイラーに育ちダービーは厳しいと思うが理屈的には朝日杯FSは好勝負必至である。中山マイルは持ち味である一瞬の脚がフル回転できる舞台だしソツなく競馬できる5番枠を引きまず崩れはしないだろう。
ただそんな後向きな見解で断然人気を本命にするほどこちらも耄碌してはいない。新馬でははっきり出遅れているし東スポ杯も躓き気味、スタートが命取りになる可能性だって捨てきれない。優等生で上昇階段を歩んできたのは3戦2勝のラブリーデイも同じこと。勝負付けが済んでいない状況であればコディーノ逆転の◎を託してみたい。
コディーノにも驚いたがラブリーデイの前走2着も意外だった。新馬→野路菊Sの連勝はともに1800mで秋の東京なら当然東京スポーツ杯2歳ステークスが視野にあったはずだが1400mの京王杯2歳ステークスを選択したのは朝日杯FSを見据えて速い流れを経験させておきたかったからに他ならない。そこで試走の意味合いが強かった中で好走できたのは高い潜在能力の裏付けだ。
川田騎手も1400mを使う意味をしっかり理解してスタートで気合いをつけて前へ促しスムーズに流れに乗った。前半3F35.6のスローになって本来の課題がクリアできたとは言い難いが先行癖をつけさせたのは良かったし終いの瞬発力勝負にも対応できたのは収穫。勝ったエーシントップは一本調子なスピードが武器の典型的な1400mまでの血統だから差せなかったのは仕方ない。
父はコディーノと同じ09年1着ローズキングダムや08年2着のフィフスペトルなどを輩出しているキングカメハメハ。母父ダンスインザダークはショウリュウムーン(チューリップ賞、朝日CC)と同配合。ショウリュウムーンがマイル付近での活躍が多いように距離が持ちそうでありながら実はスピードが強調される血統かもしれない。新馬(小倉1800m)で長くいい脚を使ってねじ伏せるような勝ち方をしているようにコディーノとは正反対に持続力型。好位から早目に仕掛けて相手の末脚を封じたい。
前走で大幅に馬体重も減らしたが2戦目までが太かっただけでむしろすっきりとした印象。1週前、最終追い切りと併せた馬がマウントシャスタで遅れてはいるが格上に食らついていた姿は好感が持てる。馬主である金子真人はJRA平地G1全制覇へ向けこのレースに拘っているし01年のNHKマイルカップ(クロフネ)からの連続G1V記録の継続も懸かっている。馬名の由来は「すばらしいお天気の一日」雨上がりの空に一点の曇りなし。
内枠に取捨を悩む馬が揃ったがデイリー杯2歳ステークス勝ちのテイエムイナズマは大跳びで小回りだと窮屈そうだし父ブラックタイドは昨年のローレルブレット(父サムライハート)の雰囲気。ゴットフリートは連勝でのきんもくせい特別勝ちがアルフレードとだぶりC.スミヨン騎乗で更に売れているが2着に負かしたマイネルホウオウのレベルを計算すればいきなりG1は苦しい。新潟2歳ステークスを勝ったザラストロも条件不向き。
だとすればワンパンチ足りない印象もあるクラウンレガーロが一角崩しの伏兵。小倉2歳ステークスが連闘で2着、先行抜け出しだった新馬から今度は中団待機で自ら動いて粘り込む自在のレースぶりは評価に値する。初距離のデイリー杯2歳ステークスも2着しているように完成度の高さが光る。平坦向きのシャダイチャッター系だが父グラスワンダーのパワーと母父エンドスウィープのスピードでここも堅実駆け。外枠は有利ではないがC.ウィリアムズで先行確実のフラムドグロワールも注意が必要。