ホープフルＳ

ラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳ステークスでシンボリクリスエス産駒のエピファネイアが無傷の３連勝を達成し来春の主役へ向け大きく前進をした。父の弱点である素軽いスピードを日米オークス馬の母シーザリオが注入し、逆に母の体質の弱さを父最大の取り柄である頑丈さで補強する理想的なギブアンドテイクによって大きな可能性を秘めた馬が誕生した。

シンボリクリスエス産駒の重賞好走馬を見てもストロングリターン(母父はミスプロ系のSmart Strike)サンカルロ(母父はミスプロ系のCrafty Prospector)アルフレード(母父サンデーサイレンス、母母母父ノーザンテースト)アリゼオ(母父フジキセキ、母母母父ノーザンテースト)サトノギャラント(母はサンデーサイレンス産駒のスティンガー)など

母系にサンデーやミスプロを上手に取り入れて芝向きの柔らかさや切れ味を引き出している配合が目立つ。このレースにシンボリクリスエスは３頭いていずれも上記のパターンを踏襲しており有力。ダート２戦２勝で初芝のヴェルデホまでは今回印が回らなかったが母父キングカメハメハで祖母はサンデーサイレンス産駒のトゥザヴィクトリーだから走れる下地はある。

本命にはサトノネプチューンを推す。母アンナヴァンは凡庸な１勝馬だったがその父はミスプロ系の中でも良質なスピードを伝えるエンドスウィープで祖母フサイチミニヨンはフサイチコンコルドやアンライバルドらを輩出したバレークイーンとサンデーサイレンスの配合で母系に流れる血は一流になれる資質を十分に秘めている。

新馬戦は上位７頭がタイム差なしで入線する大混戦を勝負強く凌いだ。前半5F65.3のスローで口を割るシーンもあったが直線に向き追い出されると馬群を縫って一完歩ずつ前に迫りハナ差抜けた。全体的にまだ幼く完成途上の印象を受けたが伸びシロが大きそうな好素材である事は確認できた。馬場の乾き始めで内枠は有利、名手Ｒ．ムーアでこの人気は舐められ過ぎだ。

セキショウの母ホーネットピアスは父ＳＳ×母父ノーザンテーストの配合でキョウエイマーチの桜花賞で３着した実績の持ち主で血統構成はアルフレードやアリゼオと似ており近親にラインクラフトやアドマイヤマックスがいる良血。アスター賞(３着)のレコード決着にも対応していたがさすがに時計が速かった感じで現状の少し時計が掛かる馬場の方が適性は高い。好枠からロスなく乗れば上位必至。

中山2000mはネオユニヴァース捲りの公式が懐かしい。数少ないネオの働き場で【14-9-8-70】やはり勝率も高く、複勝率も申し分ない。ミヤジタイガはアウトブリードだが母父El Corredor(米Ｇ１シガーマイルＨキャップ)がミスプロ3×4やBold Ruler5×4でパワー型だからネオとの相性は悪くない。東京スポーツ杯２歳ステークス(７着)では決め手不足を露呈したが得意舞台で反撃確実

アグネスタキオンもトップ３に入る存在感で複勝率はネオユニヴァースを大幅に上回っているが勝ち切れない。それでも紐には注意したいが母父Gone Westのブレイクラッシュ、母父Storm Catのモンテエベレストは両方中距離でタキオンの良さを引き出すパートナーではない。後者に至ってはキズナも飛ばしたほどマイナスの威力がある。

ディープインパクトはやはり小回りでは極端に数字が落ちる。というか厩舎サイドも避けている感じで【7-7-7-44】それでも複勝率は優秀だが回収率の低さを考えると抜けた人気馬しか来ない。結論は積極的に買うほどではないが抑えておかないと的中には繋がらないという意味で人気のカミノタサハラをチョイス。元々ダート血統だし中山替わりも大きな不利にはならないはず。

東京スポーツ杯２歳ステークス４着のケンブリッジサンは脚質的には小回り向きだがフサイチホウオー産駒だから案外広いコースでノビノビ走らせた方がいいかもしれない。短期放牧明けで仕上げ直しも怪しい。オースミミズホはスペシャルウィーク×オースミハルカで中距離はぴったりだがエンジンの掛かりが遅いスペ産駒で直線の長いコースがいい。