紅梅Ｓ・淀短距離Ｓ

朝方から激しい音を立てて降っていた雨が消え、ふと窓の外を見やれば静寂と共に舞い落ちるは白い結晶。雪国のそれとは異質の牡丹雪だが量が多いだけに積もるのも時間の問題か。開催中止の恐れまでは無さそうだが水分をたっぷり含んだ馬場状態には注意が必要。京都は道悪の巧拙がはっきり出ると思うが基本は内のグリーンベルトが有利だろう。

阪神ＪＦに出走すれば好勝負とまで評価されていたオツウは前走の万両賞で４着に敗戦。直線で少しごちゃつく場面もあり脚を余した感じはあったが差し切れる脚色でもなかった。叔父にトウカイポイント(マイルＣＳ)はいるがハーツクライ×トウカイテイオー×リアルシャダイの血統構成は中距離志向だけに1400mでは不発だろう。

レッドオーヴァルは前走の中京1400mの未勝利を「1分21秒5」でレコード快勝。１週後のつわぶき賞を０秒９凌いでおり非凡なスピード能力には高い評価を与えられる。半兄にストロングリターン(安田記念)がいてオツウよりは適性がありそうだが２戦連続上がり最速を叩き出しているように切れるタイプで道悪だと末脚が鈍る可能性大。

人気を集める２頭が極めて不安な立場という前提で◎サウンドアドバイスから入りたい。新馬(中京1400m)は２着だったがすぐさま未勝利戦(小倉1200m)で勝ち上がると果敢に新潟２歳ステークスへ駒を進めた。持ち前の速力で前目につけたが２歳夏にしては緩みのない平均ペースで先行集団は直線軒並み失速し１４着だったが重賞の流れを経験しているのは強み。

ひと息ついて復帰した前走の平場(阪神1200m)は３着惜敗も中団で溜めて差すという新味が出て成長のあるオープンでも十分通用しそうな内容だった。叩いた効果は絶大で直前に栗Ｗで一杯に追われ【5F66.6-52.3-38.6-11.7】古馬並みの猛時計で状態は抜群。昨年の覇者サウンドオブハートの姪にあたり３/４同血という血統背景も魅力的だ。

近２走不完全燃焼の○ストークアンドレイは真価が問われる一戦。ファンタジーＳ(１１着)は位置取りが悪く、阪神ＪＦ(１５着)も内伸び馬場で終始外を回らされる不利な展開とそれぞれ敗因はしっかりしているがソロソロ結果が欲しいところ。函館２歳ステークスの末脚から距離は持つはず。父クロフネで近親に重馬場のダービーを制したジャングルポケットがおり道悪も大丈夫だ。

▲ケイアイウィルゴーは休み明け＋初距離で人気皆無もソエの影響があった小倉２歳ステークスでも最速の上がりで０秒５差６着だから力はある。半姉ケイアイデイジーは３歳春の短距離オープン特別で活躍しており仕上がりの早い血統。タイキシャトル産駒は京都1400mで【4-4-5-33】と好成績で複勝回収率も高く大穴として注目。

０８年１着エーソングフォーや１０年２着アイアムルビー、１１年２着シナル、３着ウッドシップなどダートで勝ち鞍のあった馬が伏兵になるケースが多いレースでもありダート1400mを逃げ切ったゴールドチェイスが△アドマイヤムーン×シーキングザゴールドなら芝適性も発揮しつつ道悪を粘れる資質にも長けているはず。前走で実際に◎を負かしているハイマウンテンとシンボリクリスエスの成功配合アドマイヤサブリナも少々加えて手広くいきたい。

【淀短距離ステークス】
道悪で時計が掛かればラインブラッドがもう一発かませる。尾張Ｓは前半3F35.1で同日の２歳未勝利より遅いラップで決着に「1分9秒5」を要した凡戦だったが中団からしぶとく脚を伸ばしてスギノエンデバーと同着に持ち込んだレースぶり自体は進境が見えた。重賞でも一桁着順に走れる馬で条件がうまく噛み合えば好走に持ち込んでいける。

６走前の東風Ｓ３着した時もマイルで「1分37秒5」と極端に時計が掛かった重馬場。相手関係に恵まれたのも大きかったが渋馬場というのはポイントだろう。３歳以降の芝1200m戦に限れば【2-0-0-6】３着外の内訳は(５)(５)(５)(５)(１０)(４)で重賞２戦、オープン特別３戦、最大着差０秒７。今後の降雨量次第ではラインブラッドに天が味方するかもしれない。

本線は1200mでは安定感あるアイラブリリ(53Kg)昇級戦になるが平坦コースで内の絶好枠なら押し切れる公算が高い。エーシンホワイティは展開頼みの差し馬でなかなか出世できないがオープン特別であれば上位勢力。道悪に実績があるし流れが向けば。シゲルスダチは尾張Ｓの大敗が分からないがクロフネ産駒で重馬場は悪くないはず。