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2013/01/19 21:00
東海S
フェブラリーSの格上げ、ジャパンカップダートの新設などダート路線の整備が急速に推進されたのはここ20年くらいの話。中央と地方の垣根が取っ払われた近年こそ地位を確立したが90年代後半から00年代前半にかけてはあくまで主流である芝で通用しなかった馬たちの受け皿という認識が強く残っていた。
調教技術の向上や血統の研究が進んだ今でこそ芝に拘ることなく適性重視で新馬戦から素質を開花させる馬にあった育成方法もごく一般的だが実際問題として芝からダートに転戦し大きな成功を掴んだ馬は少なくない。古くはホクトベガ、アグネスデジタル、クロフネ、アドマイヤドン、ヴァーミリアンなどは元々芝で高い実績を挙げていた。
ただ冒頭で説明したように過去に活躍していた二刀流の名馬たちの「ダートは芝の二軍時代」とは違って早い時期からスペシャリスト的存在の養成がおこなわれている今では環境が異なる。昨今いきなり砂G1に挑戦という無謀さも目立っているが結果は出ていない。この状況に一石投じるか大いに注目しているのが6歳ハートビートソング(父ゼンノロブロイ)
重賞制覇こそないが青葉賞3着、目黒記念2着で宝塚記念でも6着。キャリアからすれば大舞台での飛躍も見えていたが屈腱炎でリタイア。1年半ぶりの復帰戦に脚元の関係でダートのベテルギウスSが選ばれたのも頷ける。仕上がり六分程度で当然無事完走がテーマだったはずが好位追走からあっさり抜け出して1着。これには驚くしかなかった。
これでダートは2戦2勝。半兄のグルーヴィンハイやツルガオカランナーの成績を振り返ればダート適性は非常に高い血統。ゼンノロブロイ自身母系が米血脈で配合次第では砂で大物を送ってもおかしくない。オープン特別とG2の差は甘くないし初距離や2走ボケなど克服すべき点もあるが久々に刺激的かつ可能性を秘めた二刀流の誕生があるかもしれない。ぜひ単穴の印はいれておきたい。
◎は退路なきダート一本のソリタリーキング。強豪が一堂に会したJCDでも本命に推した手前、G2のこの相手でまして人気もないなら当然引き下がる理由はない。その前走はまったく見せ場なく13着。根本的に力及ばずの見方が大勢を占めると思うが外枠からわざわざ後方で揉まれこむ不可解なレースぶりで最後は嫌気が差したように伸びがなかった。ソリタリーキングにとって考え得る一番悪いレースプランとなってしまった。
前年京都の東海ステークスではニホンピロアワーズやワンダーアキュートら後のG1馬を倒し今回も出走してくるサイレントメロディ、ミラクルレジェンドは相手にしていないように実力は屈指。好位差しで真価を発揮する馬で楽にいいポジションにつけられる1番枠は絶好。中京経験こそないが左回りは【3-1-1-1】と相性抜群。崩れたのもJBCクラシック4着だけ。負の要素を抱え込んだ前走から条件一転、最良の材料が並んだ今度は劇的な変わり身がある。
ホッコータルマエは扱い難儀だがみやこSからずっと一線級相手に堅実に勝ち負けに持ち込んでいる能力上位馬。使い減りもしない耐久性のある馬だし調教も活気があり状態面の不安もなく凡走は考えづらい。本格化してきたサイレントメロディも末脚が生きるコースで侮れない。軽い馬場での決め手勝負に強く条件は整った。