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2013/02/15 20:00
ダイヤモンドS
冬の風物詩化してきた東京マラソンが次週に迫っている。今回で第7回目を迎え、恒例行事として根付き育ちつつあるが第1回の開催にあたってはかなりの逆風が吹いていたのも確か。最大で7時間近く首都の主要道路が封鎖されるという事態によって被る、一般市民の迷惑や損害は計り知れない。
新しい風を取り入れるにあたって抵抗はつきものだが理解を得られにくいのは世界の他の大都市マラソンのように競技者側、市民側から発展し成長していったレースではないという点にある。時の都知事が選挙対策の話題作りや東京五輪招致の宣伝の一環で主導していった政治家が欲しがった思いつきイベントと受け取られて仕方ない。
伝統の青梅マラソンと同日に設定(結局青梅マラソンがずらした)したり、最も雪の降る確率が高い2月下旬に行われたり開催日程もとにかく利己的。3万人が行列をなして観光名所を巡る事に一体何の意味があるのか。中継される芸能人の企画走も強烈に興を削ぐ。達成目標や爽快感、お手軽さなど題材は悪くないだけに盛り上げ方が残念である。
ダイヤモンドSは年に1回のれっきとした名物レースだが時代の流れに圧されて今やこの距離を有り難がる馬もかなり少なくなった。昨年は2500m以上の3回の単勝万馬券が飛び出した。それはいずれも4角先頭馬の仕業。昨年のダイヤモンドSは1000m通過63秒5で次の1000mが67秒7。実に7Fが13秒台のラップで形成された。足並みの揃え具合はまさにマラソンレース。
これで道中動ける人馬がいないのだから前有利の展開になるのは必然。42.195Kmで自分への挑戦になるフルマラソンのような消耗戦にはならない。体力の無駄使いなく淡々と距離をこなせる4歳メイショウカドマツを中心にとった。好発からハナを切って絶妙なペース配分でレースを作るスタイルを確立してきた。
松籟Sは坂の下りから一気にスパートをかけて残り200mでは独走状態。最後は2着馬以下に詰められたが着差以上の強さだった。若葉Sでワールドエースの2着があるように重賞でも十分通用する能力の持ち主だけに「54Kg」は恵まれた。あとは未知の距離適性に尽きるが中盤の1000mは競歩並みの速度で実質は2400m級程度のスタミナがあれば足りる。
重馬場の皐月賞(8着)を前半5F59秒1でゼロスと並走しながら直線も大崩れなく粘れたほどの持久力と2か月で強豪相手に4走したタフさがあれば心配は皆無。むしろ競られやすい中距離より長距離の方が楽に競馬できる可能性が高く鞍上にも長距離の武豊で侮れない。母系のRobertoとMr. ProspectorがONになった走りをするがナスキロ的な柔らかさも持っており東京でも粘りは効く。
サクセスパシュートはデビューから一貫して2000m以上に出走してきた中長距離巧者で2400m以上で[2-1-1-1]レコードが記録された磐梯山特別を余裕の手応えで押し切ったのを見ても潜在的なスタミナは相当。三代母Sex Appealから派生する血統は世界に通じトライマイベストやEl Gran Senor、日本ではフサイチパンドラ、カジノドライヴがこの良血出身。G3は壁にはならない。
東京[5-2-2-3]で掲示板を守り続けているノーステアの上昇度も魅力的で前走早春ステークス勝利からの参戦は昨年2着のギュスターヴクライと一緒。中距離的な展開になれば勝機もある。ファタモルガーナはオークス4着、エリザベス女王杯6着の祖母デンコウセッカにエリシオだから距離には自信の配合。ステイヤーズSはペースの上がった2周目向正面で仕掛けていく積極策から2着に食い込んでおり確実に力をつけている。
実績的にはジャガーメイルだがさすがに高速馬場でのスピード勝負が応えてきた様子。香港ヴァーズ2着は褒められるがジャパンCと4秒以上違う密度の濃く深い芝が向いた印象「58.5Kg」の府中で買える旬は過ぎた。堅実駆けのアドマイヤラクティは過去10年[0-0-0-23]と全滅しているAJCC組(1?5人気が9頭)で軽視したい。