小倉大賞典

コース相性は実力ありきのおまけ的要素で語られがちだが非常に大切。東京や京都のような大箱コースでは多少の仕掛けミスも挽回可能だが一瞬の迷いや判断が勝敗を左右する小回りコースでは尚更重要だ。そういった癖のあるコースで結果を残せている馬はやはり展開慣れや脚の使い所の面で信頼が置ける。

◎ヒットザターゲットは小倉３戦２勝で唯一の敗戦が新馬戦(４着)母ラティールも当地では愛知杯２着を含む３戦２勝１着と抜群の相性だったように舞台適性の高さは折り紙つき。３３秒台の末脚が僅か１回で３４秒台も少ない部類で爆発的な決め手こそないが持続力のある息の長い末脚を武器に残り４Ｆ勝負で真価を発揮する。

昨年春に福島民報杯→新潟大賞典を連勝しているようにＧ３では力量上位。近走は不振気味だが宝塚記念(１１着)は相手が強過ぎたし札幌記念(１１着)も本調子になくオールカマーは道悪に泣くなど色々恵まれなかったが道中うまくインを立ち回って直線で一旦は二番手まで上がった福島記念はヒットザターゲットらしさ満載で復調を感じさせた。

結果は４着だったが上位３頭は直線で最終週の荒れた馬場の真ん中より外を通った馬たちだから悲観する必要は全くない。６勝中５勝を５番以内で挙げている現役屈指の内枠巧者。中山金杯(１１着)は外枠で掛かってタメが効かない典型的な外枠のダメパターンだったが終いも伸びて０秒６差に健闘しているように地力強化著しい。

今度は得意の小倉で３枠５番と最高のお膳立て。今回の騎手の中では単複回収率が断然の大野騎手が２走前の良いイメージで乗ってくれるのは大きい。５歳でまだまだ若いが母父は３度変わると言われたタマモクロスで成長力は十分。小倉重賞は11年サンライズベガ、バトルバニヤンに象徴されるようにGrey Sovereign系が強い。これだけ揃えば好戦約束。

ダローネガはダイワメジャー(母父ノーザンテースト)×ホワイトマズルでシャドウゲイトを引っ繰り返した感じの前受けで渋とい中距離馬だからマイルの決め手比べだと反応で劣る。同舞台の小倉日経オープンを勝った時が前半5F58秒4のＨペースを好位で追い掛けて押し切ったように肉弾戦に持ち込めば重賞でもやれるはず。対抗。

詰めは甘いがゲシュタルトも小回りの1800?2000mの流れは合っていてスムーズなら差はない。ＡＪＣＣ(９着)は直線の不利が無ければ掲示板はあったし叩き２戦目で見直し。マルカボルトはネオユニの割に中山の急坂で踏ん張りが効かないがディセンバーＳ２着やレインボーＳ１着を見る限り小回りのスピード競馬は合う印象。内枠とハンデを生かして見せ場以上も。

ダコールも小倉では連対を外していないが乗り方が難しい馬で丸田騎手だと心配だしＤＩの法則からすると抑えが妥当。３連勝中のパッションダンスはアドマイヤキッスの半弟にあたる良血で将来性は評価するが内容的には至って平凡。人気で買う理由がない。