ヒヤシンスＳ・洛陽Ｓ

【ヒヤシンスＳ】
賞金900万以上の馬が14頭という重賞でも何の違和感もない豪華メンバーが集結。ご存知の通りＪＲＡに３歳限定のダートＧ１はない。交流のＪＤＤはあるが中央枠は限られているからイマイチ盛り上がりに欠ける。これらの馬が当分はＯＰ特別や地方に分散し住み分けられてしまうのは実に惜しい。３歳春の砂王決定戦を作れば絶対に成功すると思う。

各馬ローテはばらばらで初顔合わせも多いから当然実力の比較は難しい。パフォーマンスと伸びシロ重視でアップトゥデイトに◎中京２歳ステークス７着以外はダートを４戦して[2-1-1-0]ここ２戦で重賞を使われているのは大きな強み。相当ズブイ馬でスタートで行き脚がつかず道中強引に動く競馬が続いて(２)(３)着

馬体の白さといい勝ち切れないゴールドシップという感じ。兵庫ジュニアグランプリも全日本２歳優駿も結果的に動いている時に勝ち馬も進出していくから捲りが決まらないがかなり長く脚を使えるのは間違いないしエンジンの掛かりが遅いから東京の長い直線は好材料。追わせる馬に岩田が継続して乗れるのも心強い。

少し間隔が空いたがこの中間の乗り込み量は豊富で直前もＷコースで長めが終い重点に【7F98.7-4F53.0-3F38.3-1F12.5】の躍動感一杯の調教を消化。力を出せる仕上がりになった。冬場のダートで圧倒的に強いクロフネに母父トニービン。ＮＺ1000ギニー２着の実績があるスリリングディが三代母で完成度と底力を備えている。

◎を兵庫ジュニアグランプリでぶっちぎっている○ケイアイレオーネが強敵。ペースが緩みかけたところを果敢に動いて向正面で先頭に立ち押し切った内容は圧巻。地方の小回りと府中のマイルでは勝手が大きく異なるがドバイ遠征も視野に入れているほどで元値が他とは一線を画すかもしれない。一度確変すると天井なしのStorm Cat→ヘネシー系で揉まれない外枠なら連勝を伸ばす可能性も高い。

着差で言うと同じく前走５馬身差で圧勝しているコパノリッキーも首位戦線。前半3F36秒2-4F49秒2の超スローを２番手につけた時点で勝負あったが一頭だけ瞬発力が違った。最後の100mは流すほどの余裕があったし追っていればもっと時計も詰まったはず。ゴールドアリュール×ティンバーカントリーは砂王道血統だし逆転十分。

そのゴールドアリュールの甥ソロルも負けず劣らずのＡ級の素質を保持。芝の新馬戦で１着入線(１０着に降着)するレベルの実力馬。黒竹賞は鞍上の腕も見事だったが外から直線で捩じ伏せた脚力は東京で更に生きるはず。東京で連勝中のチャーリーブレイヴも怖いが前走後疲れが出た影響で中間の調教が軽く割り引きが必要な状態だろう。

【洛陽Ｓ】
最終週で馬場はかなり荒れてきており完全に外差し有利。京都金杯でグリーンベルトを少し通り損ねた程度で伸び切れなかったサウンドオブハートに適性があるとは思えない。まして再度の長距離輸送で調教も緩く、斤量増では買える要素はないに等しい。ここはダノンプログラマーの末脚に期待したい。

能力は高いのにウォーエンブレムの難しさが災いしパドックでイレ込んだり、道中は競馬に集中しなかったりとにかく気の悪さが出世を阻んできた。ただ去勢とレースを重ねる毎に常識にかかるようになったしデビュー時から馬体も３０キロ以上増やしているようにようやく心身ともに本格化してきた印象。

去勢後の1400m以上では[2-1-1-2]と安定。３３秒台の鬼脚が４度。昇級戦のニューイヤーＳ(６着)も出遅れて大外ぶん回しの雑な競馬ながら０秒６差まで迫っており一応のメドは立てた。京都マイルは相性の良いコースで四位騎手も持ち味は理解している。２走前の清水Ｓで０秒２差だったサンレイレーザーとこの人気差は不当だ。

クラレントやトーセンレーヴが伸び悩んだキャピタルＳで後方から２着に突っ込んだシルクアーネストは評価できる。京都では３着が２度あるだけだがカシオペアＳ０秒２差３着なら悪いはずもない。半弟には京都金杯勝ちのマイネルラクリマがいる血統。この相手関係なら直線浮上する。

フレールジャックは折り合いを考慮すると現状マイルがベスト。東京新聞杯を除外されての参戦だから仕上がっているし勝負気配も高い。スピリタスは過去の休み明けが散々も今回は意欲的に本数を積んでおり重賞善戦の力がいきなり全開できても不思議ない。ヒットジャポットは関西圏でことごとく凡走しているので見送り妥当。