大阪城Ｓ・仁川Ｓ

エジプトの気球墜落事故の原因は諸説あるとされているが当時の状況を最も把握している操縦士に聴取できず謎に包まれたまま。そもそも根本的に疑問なのが操縦士の脱出。いざ身の危険を感じれば人間の行動はわからないがお客を残してホストが逃げるこの無責任さこそ糾弾されるべきだと思う。それとも日本の常識や当たり前を海外に持ち込んではいけないのか。

一貫性のないレース選択で迷走気味にも映る４歳トリップだがこの馬こそ常識に当てはめてはいけないのかもしれない。３歳春までは王道を歩んでいたが夏にダートのＪＤＤに矛先を向ける。ここで逃げ馬を３角で交わして先頭に立ち捲ってきたアートサハラを退け直線一旦は完全に抜けた。ハタノヴァンクールには差されたが大健闘と言える強い内容だった。

このまま秋は父クロフネと同じ路線で素質開花と期待されたが休養を挟んでいきなり菊花賞(１６着)中２週でまた舵を切り替えて武蔵野Ｓ(７着)今度こそ適距離でダート専念かと思いきや2500mの名古屋ＧＰ(５着)そして再び芝に戻ってくるのだからこの理由も早急に究明すべきだが個人的には芝のこの距離が一番合っていると感じるので歓迎。

大跳びで追われるとグッと首を下げて重心を沈める走りは絶対に芝向き。遠い昔の出来事にも思えるが弥生賞２着はちょうど１年前。上位勢の顔ぶれやフェノーメノが飛んだ背景を考えると凡戦極まりなかったがオープン特別となれば話は別だ。阪神の芝は内枠先行有利で少し時計の掛かるパワーの要る馬場状態。トリップ◎に最適の条件が揃った。

折り合いに不安を抱える○エアソミュールの距離短縮はいい。金鯱賞(１２着)は苦手な左回りも災いしてまるで力を出し切れなかった。この舞台では毎日杯で掛かって惨敗しているが当時とは比較にならないほど気性面も成長している。ジャングルポケット×サンデーサイレンスのニックス配合に２冠エアシャカールやエアデジャヴーの甥という良血馬の本領発揮。

▲リルダヴァルは朝日ＣＣこそ道中でリズムを欠いて直線も伸びず崩れたが昨夏?秋にかけてのオープン特別では(３)(２)(１)着と抜群の安定感。リフレッシュ明けだが稍重のＣＷを馬也で終い11秒9は態勢が整ったとみていい。追い込みのタガノエルシコ、ゴールスキーが次の争いだが気性的に距離延長が微妙なゴールスキーよりは朝日ＣＣ３着のタガノエルシコ。

サクラプレジデント(産駒のサクラゴスペルがオーシャンＳ優勝)と3/4同血のサクラアルディートも注目の上がり馬で先行して切れる脚もあるが現状外枠は割り引きが必要。ミキノバンジョーは阪神【1-2-1-1】でメンバー構成や馬場状態からも単騎逃げがハマりそうだが実績ない冬場の休み明けでは苦戦必至。

【仁川ステークス】
ダートは金曜の雨が残った影響で圧倒的に先行馬が有利。叩き上昇のバーディバーディが中心。重賞だと一枚食い足りないがオープン特別では堅実駆け。アハルテケＳは58Kgを背負い逃げて「1分34秒4」の優秀な時計。マーチＳ３着も外を追走していたように道中揉まれずスムーズに競馬出来れば直線もかなり渋とく粘れる馬。

2000mは勝ち鞍こそないが３着２回が東京大賞典と帝王賞。とくに東京大賞典はスマートファルコンが「2分00秒4」ととんでもないレコードを樹立したレースで１秒遅れたバーディバーディも従来のレコードは更新していた。相手が悪かったとしか言えない。どうにも評価の上がらない馬だがここでは完全に格上。斤量57Kgで[3-0-4-2]と大得意の道悪、川田騎手も阪神ダ2000m[9-4-4-23]と申し分のない成績。上位安泰、軸に据える。

本格化したグランドシチー、シリウスＳを勝ったナイスミーチューが相手の候補になってくるがどちらも終い一手でこの馬場では差し損ねが十分考えられるだけに買っても紐扱いで基本は先行馬の組み立て。順当に良化して昨年２着のコースに替わるスタッドジェルラン、ベテルギウスＳを前で２着に踏ん張ったバトルドンジョン、オープン３戦目のクラシカルノヴァが有力。