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2013/03/10 08:00
フィリーズレビュー
過去5年の阪神内1400mで最も活躍している脚質は逃げで[48-21-19-126]勝率22.4%、連対率32.2%、複勝率41.1%、単勝回収率204%、複勝回収率165%と何処を切り取っても凄い成績。逆に追い込みは[13-29-31-931]単勝回収率19%、複勝率32%で絶不振。逃げ先行勢に有利な舞台と言える。
ただフィリーズレビューに関しては様相は異なる。過去5年の前後半3Fのラップと1?3着の4角の位置取りを並べると08年「34.8-35.8」(13)(13)(10)09年「34.3-36.1」(2)(5)(2)10年「35.0-35.7」(12)(4)(4)11年「34.1-36.4」(11)(8)(11)12年「34.3-36.7」(3)(8)(13)3歳牝馬には厳しい前傾ラップになりやすく逃げは壊滅、逆に後方待機が強い。
そして毎年のように現れるのがこの速い流れに戸惑う崖っぷち素質馬たち。09年4着ミクロコスモス(阪神JF3着)10年13着テイラーバートン(重賞3着2回)11年4着ドナウブルー(シンザン記念5着)などは全て2勝馬だったが初めての1600m以下でいずれも敗退している。この観点からすれば人気の一角でもあるノーブルコロネットは実に怪しい(POGだけに複雑だ)
人気を集めるのはフェアリーS3着のサンブルエミューズ、ファンタジーS1着のサウンドリアーナ、こぶし賞1着のメイショウマンボ。いずれも阪神JFにも出走していた組で着順は(8)(17)(10)通用はしなかったがさすがにこの時期はG1に出走しただけでも名刺代わりになる。
中でも注目はキャリア2戦目で阪神JF10着だったメイショウマンボ。こぶし賞は稍重とはいえ前半4F49秒5のかなり遅い流れだったが道中は後方のインで脚を温存し直線では上がり34秒3の切れ味で大外を突き抜ける強い競馬。この馬の場合は新馬勝ちが1400mだし2走前の紅梅Sでも重の前半3F35秒0を2着しているから距離に対する心配はない。
天皇賞馬スズカマンボを父に持ち、グラスワンダー×ジェイドロバリーだから一見すると持続力で捲るタイプだがクロスが多く発生している影響もあり奥のナスキロの主張がかなり強くて芝で柔らかい走りが可能になっている。外回りの桜花賞やオークスで是非見たい馬だが大跳びでもあるし内枠で窮屈になってしまうと案外差し損ねてしまう危険はある。今回は地力に期待。
距離経験と実績を加味して弾きだした結論は連覇中の関東馬シーブリーズライフ。1400m2勝で前走のクロッカスSは上がり33秒6の末脚で朝日杯FS5着のティーハーフ以下を撫で斬った。しかも東京1400mにありがちな前半スローからの瞬発力勝負ではなくて前半3F34秒5と流れていたもので今回に直結するような展開だった。
そもそも1200mのカンナS2着や福島2歳S3着があるようにペース適性は愚問。父は菊花賞2着もあるアドマイヤジャパンだがシーブリーズライフは完全に母系のタイキシャトル×Storm Catでメイショウボーラー的に走っていてスピードとパワーが問われるこの舞台は確実向く。タイキシャトル産駒は阪神1400mで単勝回収率159%、複勝回収率135%を叩き出している。
地味にも映る血統だが牝系には短距離女王ビリーヴ→ファリダットや桜花賞3着トレンドハンター、3年前に当レースを制したサウンドバリアー、6月だった頃のファルコンS勝ち馬キョウワハピネスなど良質な馬が多い。共通点はいずれも完成が早くて3歳春に短距離で成績を残していた。鞍上は珍しく好調続く田中勝春。関西重賞初勝利祈願といきたい。
サンブルエミューズは阪神JFの止まり方やフェアリーSの伸び切れなさを考えるとベストは1400m説が高まった。ダイワメジャー×フレンチデピュティに祖母キョウエイマーチはぴったり。この距離であれば岩田の強気先行でも勝ち負けになる。穴で食指が動くのはタンスチョキン。芝では3着すらないがエルフィンSでは7着も上がり3位で0秒4差。この距離でもりんどう賞0秒6差5着や秋明菊賞0秒6差4着があるように展開次第では一発を秘める。