毎日杯

◆自信を確信に
Storm Catの現役時代は２＆３歳戦で８戦４勝。主な勝ち鞍はヤングアメリカＳ(米Ｇ１)で競走馬としては凡庸だった。しかし種牡馬としてNorthern Dancer、Storm Birdのサイアーラインを継承し大成功を収めた。代表産駒には日本にも馴染み深いGiant's Causeway、ヘネシー、タバスコキャットなどがいる。

産駒は総じて仕上がりが早くスピードが豊富で２＆３歳では重宝される。北米での活躍が目立つように粘土質のダートコースなどパワーが要求される馬場で抜群に強い。芝でも短距離戦は速力任せに押し切る。その反面、中距離以上では淡泊になりがちで所謂「一本調子」これが最大の弱点。

日本ではシルバーコレクターのシーキングザダイヤ(直仔)がいる程度で主にＢＭＳとして遺伝力を発揮していてメイショウボーラー、ファレノプシス、ショウナンマイティが有名どころで日曜の高松宮記念を予定しているロードカナロアもこの血統。一見、悪くない名前が並んだが母数を考えると低調と言わざるを得ないし距離もマイルまでが多い。

クラシックを戦う上で有利な血ではないがキズナは秋華賞やエリザベス女王杯を勝ったファレノプシスの半弟で距離が持った実績のある血統。キズナ自身が1800m(1)(1)着に対し2000mでは(3)(5)着だから現状に一抹の不安も無くはないが胴長のすらっとした体型はStorm Cat系にありがちの寸詰まりでボテっとした体つきとは相反するもの。

ストライドも大きく伸びるし瞬発力もある。これはディープインパクトの影響が強い。ここ２戦は距離より内回りに泣かされてきた感じで弥生賞は鞍上が４角での判断ミスを認めているし力負けではない。ゴール前の脚色がどの馬より光っていた。賛否両論ある挑戦だが正しい道を選択するのではなく、選択した道が正しいと信じて見守りたい。

◆折り合えば屈指の爆発力
サトノキングリーは青葉賞を勝ち、ダービーでも３着したハイアーゲームの半弟で金鯱賞２着があるダイワマッジョーレの全弟にあたる良血。母母がSir Gaylord3×4で母はBoldnesian≒Sir Ivor3×4で自身はHalo≒Boldnesian≒Sir Ivor3×4・5になりダイワメジャー産駒にしては柔らかな体質と軽い手先で鋭敏に斬れるから外回り向き。

サンデーサイレンス産駒のハイアーゲームは鳴尾記念優勝やウオッカやカンパニー相手の毎日王冠３着を含め1800mで【3-1-2-3】ダイワマッジョーレも1800mは【3-0-0-1】サトノキングリーは当該コースの新馬戦で破ったのがリヤンドファミユ(若駒Ｓ)気性的に難しさを抱えているが末脚が活きる展開ならば上位争いになる。ダイワメジャー産駒は阪神1800m[7-3-7-16]と優秀な数字で回収率も単複ともに100％を越える。

◆次世代万能種牡馬
サンデーサイレンスは自己主張を控えめに母系の良さを最大限に引き出す種牡馬だったから色々なバリエーションで他を圧倒した。後継の中でこれに最も近いのがマンハッタンカフェでNorthern Dancer系、Mr. Prospector系、Grey Sovereign系など何でも御座れ。ジャッジアンジェルーチからグレープブランデーを送ったのが良い例だ。

マンハッタンカフェ×Mr. Prospector系の配合には平坦巧者が多いがバッドボーイは母系がMiswaki×Alydarだから馬格に恵まれたパワフルな走法でラジオＮＩＫＫＥＩ杯２着もあるように急坂の方が向くかもしれない。きさらぎ賞(４着)は太め残り、弥生賞(９着)はエピファネイア、コディーノのプレッシャーがきつかった。相手弱化で賞金加算を目論む。

初めての芝でも侮れないのがタイセイウインディ(ダート３戦２勝)マンハッタンカフェ×Kingmamboはダイワバーバリアン(ＮＨＫマイルカップ２着)やアントニオバローズ(シンザン記念)と一緒で血統的に芝替わりは大いに歓迎。母母父がDeputy Ministerだから少し時計の掛かるパワー寄りの馬場も合うはず。あとは力関係次第だが穴の資格は満たす。

コメットシーカーはテイエムオペラオーやブルーメンブラットの牝系で母ガヴィオラがRide the Trails≒Lady Ann's Key2×2という強烈な二アリークロスの持ち主でナスキロなどクロスが煩い血統だが特殊な凝縮を持つ繁殖牝馬は“当たれば大きい”キャリア２戦目の今回もし勝ち負けに加わるような場面があればダービー戦線の目玉。