六甲Ｓ

土曜は毎日杯のキズナ、日経賞のフェノーメノと立て続けに吉報が舞い込んだ。とくに近走不完全燃焼だったキズナには痺れた。逃げたタイセイウインディにバッドボーイ、ラブリーデイが絡み前半5Fは58秒6のＨペースとなったが名手は展開を読み切ったようにスタートでスッと下げて道中は後方３番手でじっくり構える。

抜群の手応えで４角を回り、直線に向いて外に持ち出されると一気に弾け、坂上で先に抜けたガイヤースヴェルトを捉えると後続に３馬身差をつけ悠々とゴール。上がり3F34秒3は次位の35秒4を大幅に上回っておりいかに桁違いの末脚だったかを物語る。能力の高さに見合う看板がようやく備わった。鞍上武豊にとっても名誉挽回の大きな一勝となった。

これで２?３歳のディープインパクト産駒の芝重賞は通算23勝目。前走成績は[15-2-4-2]危惧していたジンクスを覆して見事巻き返しに成功した。唯一の経験者だったのがジェンティルドンナだから展望は明るい。レース直後には陣営からダービー一本の路線が表明された。まずは一安心だがまだスタートラインに立ったばかり。これからが本当の勝負になる。

ひと開催を消化する阪神だがまだ内が悪くなっていないだけに経済コースを通れる馬は有利とみる。◎メジャーアスリートの前走東風Ｓは昇級にも関わらず不可思議な１番人気。4.3倍の危険なオッズ通り７着に敗退したが蛯名騎手が「行き場がなかった。捌けなかった」と敗因を述べているように直線で詰まっての０秒３差だった。

確かに４角から直線に入ったところの脚色には勢いがあったが半ばで急にブレーキが掛かる場面があった。度外視して見直す必要がある。全日本２歳優駿２着がある馬だが４走前からの上がり3F「32秒7」「33秒1」「33秒9」を見る限り芝での決め手もかなりあるし３歳時の橘Ｓではガンジスとクビ差の２着。

ダイワメジャー×Storm Catでいかにもパワーがありそうな骨格の大きい体型をしているが阪神ではこういう馬力のあるタイプの台頭が目立つ。毎日杯では痛恨のダイワメジャー違いだったがダート→芝替わりだったガイヤースヴェルトが２着していた。調教も全体時計は平凡だが終いは動いているし妙味は一番。

マイルでは４戦３勝３着１回の○サンレイレーザーが相手筆頭。２走前は１Ｆ長い朝日ＣＣで前半5F58秒5を先行して０秒２差５着だから地力強化が著しい。得意の距離なら展開不問で上位。トーセンレーヴは1800mベストでマイルは一ハロン短いが折り合い面や相手関係的に▲絶賛迷走中の△トリップも力はあるので芝マイルで新味に期待。