ニュージーランドＴ

重賞２勝のエーシントップ、朝日杯ＦＳ３着で共同通信杯も２着だったゴットフリートの既成勢力にスプリングＳ３着マイネルホウオウ、同５着マンボネフューのクラシックＴＲ組が激突する図式で興味深い一戦。持ち前のスピードに磨きをかけたいマイラーと中距離級のスタミナも秘める短縮組の総合力、どちらが上か。

この路線の核となる朝日杯ＦＳはワンツー、ロゴタイプとコディーノがクラシックＴＲでも好走し本番を十分に意識できる立場にいるほどレベルが高かった。この２頭から２馬身半ほど遅れる形にはなったが３着だったゴットフリートも出遅れを挽回し直線も内を捌いてきただけに値打ちがある。共同通信杯も優秀なタイムでの２着だけに適距離のマイルでの崩れは考えにくい。

ただ賞金は足りており勝負気配の面で少し劣るのは確か。初騎乗の戸崎騎手も本番に向けて探りの意味合いが大きいはず。本気度からすれば権利獲りに失敗すると本番はまず抽選突破のひと手間が加わる９００万組を狙うのが筋。中心にはこれ以上ない勝負気配を漂わせているＭ．デムーロ起用のプリムラブルガリスを推す。

マイルでは[0-2-0-1]と勝ち切れていないがＨレベルだった千両賞(６着)や万両賞(２着)白梅賞(２着)など基準になりそうなレースを経験しているのは大きい。２走前の白梅賞はコパノリチャードに完敗したが「1分33秒9」はシンザン記念を上回る快時計で勝ち馬が次元の違うところで競馬していただけで本馬の「1分34秒7」もシンザン記念５着相当だから悪くはない。

前走は1400mへの短縮で順当勝ち。テンの1Fを除き11秒台連続のラップで「1分21秒5」も優秀。ファルコンＳ３着、マーガレットＳ２着のエールブリーズをきっちり退けているのだから自信を持っていい。急坂も阪神でこなしているし雨予報も父フレンチデピュティだけに好材料。「春のフレンチ」として猛威を奮った頃が懐かしい。春の嵐襲来と共に再び旋風といく。

同じく９００万組のレッドアリオンが脅威。ここまで８戦してすべてで掲示板を確保する堅実味。体質の弱いアグネスタキオン産駒としては珍しく使い込んで良くなってきた。シンザン記念５着、アーリントンＣ３着からすればＧ２でも臆する必要はない。前走時から調教でも体全体を使ったフットワークに替わり、それが瞬時の反応にも繋がっている。状態も申し分なく上昇急の大器が権利を掴む。

マイネルホウオウは中山マイルで２戦２勝と相性の良さが光る。当時とは相手がまるで違うがそれだけにスプリングＳ３着には驚いた。大外枠から内にも入れず展開的にも差しに回らざるを得なかった中で渋とく脚を伸ばして上位に食い込んでみせた。父スズカフェニックスと地味な血統だが高い適性が最大の武器になる。

エーシントップはその後の評価。どうにもTale of the Catが懸念材料。シンザン記念はグリーンベルトを通った優位性をフルに生かした勝利で本質的にベストは平坦1400mに映る。マンボネフューも距離短縮で折り合いはだいぶ楽になるはずだがバゴ×Storm Catの単調さが強調された配合が重賞では一歩不足。