スイートピーＳ・端午Ｓ

フローラＳより更に“間に合わせた感”のあるメンバーが集うだけにブロードストリートやアロマキャンドルのような実績上位馬は主力扱いとなるが前走500万で負けている馬も平気で巻き返すし芝で勝ち鞍のない馬が連対を果たすケースもあるだけに全く掴みどころがない。ただ土曜の東京を見る限り先行力は不可欠。瞬発力があればなお勝利に近づく。

３枠５番の絶好枠を引いたダイワストリームから入りたい。父ダイワメジャー×母父タイキシャトル×母母父ロイヤルスキーでHalo3×4と代々素軽い血が配合されており軽い馬場への適性は非常に高いはず。母ダイワエンジェルは４戦未勝利(競走中止１戦)で引退したが母として共同通信杯４着のダイワアセットやフローラＳ３着のダイワデッセーを誕生させている。

ズブい一面も持ち合わせるスペシャルウィーク産駒の兄姉でも軽快な先行力を武器としていたからマイラー的なスピードが売りのダイワメジャーに変わってもっと俊敏に立ちまわれるはず。新馬戦(中山1600m)はゲートをポンと出てスムーズにハナへ。途中競られるかたちで力んだ分、ラストの叩き合いで譲ったが悪くない内容。

初勝利を挙げた２戦目は不利な外枠から道中我慢を教えしっかり溜めを利かせた事で終いの伸び脚は軽やか。４角のスムーズな加速はまさにHaloのクロスの賜物でセンスの良さを存分に発揮した快勝。勝ちタイム「1分35秒0」は前日のジュニアＣ「1分35秒6」より上だし当時２馬身半差の２着に負かしたサーストンニュースがすぐさま未勝利と500万を連勝しスプリングＳでも６着したのは納得がいく。

その意味では春菜賞４着は不満の結果だが前半3F36秒5-4F48秒8の超スローで内枠先行有利の馬場も手伝って楽逃げのナンシーシャインと最内を突いたチェリーペトルズの伏兵決着。ダイワストリームは外目の枠からずっと内に入れなかっただけに責めるのは酷か。上がり3F３位タイの末脚でよく0秒5差まで詰めたというべきかもしれない。

ダイワメジャー産駒はサンプル数こそ少ないが東京1800m[6-4-4-24]で勝率はディープインパクトに次ぐ２位、連対率もハーツクライ、ディープインパクトに次ぐ３位と少し忙しかった1400mより能力を出しやすいコースである事は間違いない。タイキシャトルも３年前の勝ち馬を輩出している。久々になるが仕上がり早の牝馬で勝負といく。

相手筆頭のフロアクラフトも先行力には定評があり６戦して４角での位置取りが(4)(1)(5)(6)(4)(2)だから今の馬場状態ではまず大きな強みだ。崩れたのは不良だった５走前惨敗と２走前の春菜賞(6着)とくに後者は好位につけながら弾けない明らかに距離が足りないようなレースぶりだっただけに今回の延長は魅力に映る。

半姉が英Ｇ２勝ち馬の母リッチダンサーは自身は未勝利に終わったが愛2000ギニー３着のスタッブスアートやマイルで活躍中のホーカーテンペストなどを産んでおり繁殖としての質は高い。日本で溢れかえっているサンデー系との配合でアウトブリードになるだけに期待は大きい。本馬の父は小器用で有名なフジキセキ。権利のチャンスは十分。

一発あるならトロワボヌールだろう。中山で新馬を勝った割に葉牡丹賞(10着)ミモザ賞(8着)と奮わないが東京ではクイーンＣ０秒５差５着、アルテミスＳ０秒８差６着だけに重賞級が揃わない今回は面白い。母チューニーは１０年前のオークス２着馬、積年の思いを乗せて運ぶ親子の夢。芝未勝利もデイジー賞(4着)の追い込みが目立ったクラリティーエスはシンボリクリスエス×フジキセキで牝系にジェミードレスやコティリオンという東京巧者がいるだけに匂う。

３歳戦もたけなわ。1400mに条件変更された京都の端午Ｓは連闘を仕掛けてきたエイシンラトゥナを買いたい。休み明けの橘Ｓ(７着)を叩いてここへの参戦はおそらく陣営の青写真通りなはず。メンバーが手薄とはいえオープン勝ちがあり、レコード決着のアルテミスＳでも先行して４着に粘っているだけに前走は少し負け過ぎな印象で調教替わりだった節もある。

今週は時計を出しておらず一度使った効果がどれほどか定かではないが早々に川田騎手を確保していた事からも勝負気配が漂う。父Exchange Rateは米の重賞で活躍した馬でDanzig×Seeking the Goldだからダート色が濃いし母父もキングマンボなのでダートは鬼の可能性もある。Danzig系の休み明けから×○×○の法則からすれば激走の下地は整った。