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2013/05/03 22:00
京都新聞杯
毎日杯で鬱憤を晴らしたキズナは前走後すぐに過密日程となる皐月賞を回避し、中5週となる京都新聞杯から日本ダービーの一本釣りへの方針転換を表明した。東上最終便とも言われる毎日杯で賞金加算に成功したからには皐月賞を目指すのが既定路線だから過去こういう変則的なローテを進んだのはセン馬でクラシック出走資格のなかったレッドデイヴィスくらいである。
一般的に見てTRが敬遠されがちなのは場数の差がそのままダービーでの差として表れてくることが多いからだ。同コースの青葉賞から優勝馬がいないのは有名すぎるし、京都新聞杯も春の開催になった矢先の00年にアグネスフライトが優勝してから2着が最高記録。04年のハーツクライのように出走できるものなら皐月賞を経験しておくに越したことはない。
キズナはその権利を自ら放棄した格好。不退転、背信の覚悟。賞金面での余裕など甘い気持ちや隙を見せては本番はない。1冠目と引き換えに得たこの準備段階を有意義に使いたい。
前半5F58秒6のHペースで縦長の展開となった毎日杯は道中悠々と後方に構え、直線で上がり3F34秒3と切れ味を全開。上がり次位が35秒4(ピュアソルジャー)だから完全に次元が違った。奇しくも過去に凡走した内回り2000mへの適性を肯定する結果となったが最大目標をダービーと置いた以上は関係ない。抜群の決め手にダイナミックなフォーム。随所にSS系らしさが溢れる。
今回もG2とは名ばかりのメンバー構成だが折しもゴールドシップが泣いた一因とされるこの時期特有の芝をどう攻略するか。京都新聞杯も過去5年の連対馬10頭中9頭が4角5番手以内。内容重視ながら結果を疎かにしてはダービーも何もないがそういう難しい立場に追い込んだのは陣営である。
ただダービーも年々後方一気だけでは苦しくなっている点を考えると結果を追求する策が後々当たるのではないかと思う。能力を信じているからこそあらゆる中から一番の選択をして最高の状態で5/27の大一番を迎えてほしい。
キズナ評に関してはダービーでじっくりとするつもりなのでお開きにして、1倍台の本命の相手探しに力を入れたい。注目はジャイアントリープ。ネオユニヴァース×エルコンドルパサーの配合で皐月賞でと密かに期待を寄せていたが初勝利が2月中頃ではさすがに間に合わなかった。それでも内回りのスローを終い11秒8-11秒8で2馬身半突き抜けた好素材の見立てに狂いはなかった。
山桜賞は後方の内で脚を溜めて、直線も馬群を捌いて懸命に伸びたが勝ち馬の決め手が一枚上だった。ただ鞍上の指示に素直に応えるし、勝負根性もある。スペースさえあれば勝負所での反応も違ったはず。負けはしたが初の遠征競馬としては合格点。ややスピード不足のネオを補うべく総合力の高いエルコン、そして母母が秋華賞馬ファビラスラフイン。成長力に賭けたい血統だ。
ペプチドアマゾンはアグネスタキオン×トニービンでキャプテントゥーレやレッドデイヴィスと同じ配合で早い段階から能力を示す血統だが、コパノジングーやメインストリームのように母父トニービンらしく時間をかけて熟成されるケースもある。母母ターキーレッドがLady Angela4×3などやたらクロスが煩いからタキオンを持ってきてアウトブリードで収めたのが吉。長丁場向きだ。
凱旋門賞馬マリエンバードを父に持つキタサンバースデーは未勝利で引退したがダービー馬ジャングルポケットの半妹という血統背景も踏まえれば距離適性は長めにあったと考えるのが自然。ステイゴールドとの配合で2000mのあすなろ賞を勝ったシンネンにバトンは託された。1600mにも対応できるスピードがありスタミナ一本槍ではないのが良い。早めに動いて好結果を窺いたい。
リグヴェーダ(父ディープインパクト)はゴールドアリュールやゴールスキー半弟という良血だが母系のNureyev×Nijinskyが重い方に働いており、京都のスピード比べや決め手勝負は合わない気がする。アクションスターの母レディオブヴェニスはキャッシュコールマイルを勝ったマイラー(米G2)でスローなら2000mもこなすがベストは1800m。
ダービー3着馬ハイアーゲームの半弟でダイワマッジョーレの全弟にあたるサトノキングリーは工夫の凝らされた好配合。ダイワメジャーにしては柔らかな体質を受け継いで外回り向きだがこの馬も距離がやや長い。京都に強いホワイトマズル産駒のマズルファイヤーはサンデーサイレンスを経由しないHalo系のSaint Balladoが母父で最後の粘りや底力に欠けるかもしれない。
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oath of a victoryさんがいいね!と言っています。