プリンシパルＳ

世間はＧＷ真っ只中。長いと２７日の土曜から６日の月曜まで１０連休だという。政治の世界では４月下旬にもう一つ国民の祝日を設ける動きもあるようだ。現時点での実現度は薄そうだがこういう前向きな話は大いに結構。日本人は勤勉すぎて休みを悪とさえ捉える風潮さえあるから国が積極的に休みを推進するのは素晴らしい。

ヨーロッパなどでは一般的な「バカンス」の発祥でもあるフランスでは連続５週間まで取得可能な休暇が法律で定められている。長期間に渡る休暇が時として人生を変えるほどのインパクトを持つため、「フランス人は一年の大半を次のバカンスはどのように過ごそうかと考えている」と言われるほどだ。

その日本で貴重なまとまった休暇の代表格であるＧＷに胡坐をかいているＪＲＡ。猫も杓子もＧＷにあやかるのに実に呑気。開催を増やすのは競馬法や地方との兼ね合いもあるから難しいとしても大きく特色を出して見るべきではないか？語り尽くされた感もあるが競走番組の充実を図るのが最も現実的な選択に思える。

数年前まで土曜にジャパンカップダート、日曜ジャパンカップと同週にふたつの国際Ｇ１を施行していて一度だけ一日に両方おこなった年もあった。あれに近い事を天皇賞(春)の週にやればいい。候補はＮＨＫマイルカップかヴィクトリアマイル。前者ならそのまま京都マイルでいいし、ヴィクトリアマイルはいっそ京都1800mにしてヴィクトリアカップにするのも手。

アドマイヤグルーヴが天皇賞(春)に出走していた頃よりは牝馬限定のＧ１が出来て恵まれているが今年だとヴィルシーナ、レインボーダリアあたりがマイルを使うのはどうにも違和感がある。どちらにしてもＧＷの金看板を遊ばせておくのはもったえない。一大イベントとして銘打つべき。集客や売上面なども考慮しなければならないだろうがあとは競馬サークルとファンが育てていけばいいのだ。

プリンシパルＳは１着にダービーへの優先出走権が与えられるダービーＴＲだがこの組から本番で連対を果たしたのは96年２着のダンスインザダークのみ。３着も02年マチカネアカツキと09年アントニオバローズだけだ。ただサイレンススズカやマチカネフクキタル、トーホウシデン、シャドウゲイト、ルーラーシップなど遅れてきた大物もいるだけに将来有望な器を探す楽しみはある。

山桜賞(中山2000m)の勝ちっぷりから人気は必至だがミエノワンダーを中心に推す。スローの流れを外から進出して強引に捩じ伏せた姿は小回りで優秀なRoberto系(父グラスワンダー)そのものだが現役時代１４勝したカナダの名牝である母母トリプルワウがRoyal Charger≒Nasrullah4×5、Princequillo5×5という配合で実質のナスキロ配合。

勝負所での俊敏な加速は父方譲りだが手先の軽い走りは母方からの遺伝で瞬発力もあるから東京での決め手もヒケはとらないはずだ。叔父のフサイチオーレは短距離のオープンを勝った快速馬だったが母トリプレックスはローズＳ４着など中距離で４勝だから距離の心配もない。調教からも状態の良さが伝わり気配は申し分ない。好調の国枝＋北村宏のコンビで今週も関東旋風だ。

キズナ、アユサン、ヒラボクディープとディープインパクト×Storm Catの相性の良さが広く知れ渡った13年春。皐月賞は厳しかったが既にオープン特別は勝っているインパラトールの素質も十分。Lyphard4×5だから前受けで勝機。ジューヴルエールはディープ×Kingmambo×サドラー系で配合としてはピクシープリンセスあたりと方向性は一緒で切れ味武器の中距離馬。ただ現状は体質に不安を抱えており芯が入るのはまだ先だろう。

ポップロックの近親でラフレーズカフェの半弟サーストンニュースも初めての距離になるがスプリングＳ０秒５差６着ならここでは上。はなみずき賞(５着)は直線でスムーズさを欠いたマジェスティハーツもウインバリアシオン、ステラロッサ、コレクターアイテムに似た配合で東京の長い直線は合う。気性的に難しいがハマれば上位を脅かすだけの力はある。