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2013/06/01 14:00
鳴尾記念
JRAの平地G2は現存35レースあって施行回数上位は目黒記念「127回」京都記念「106回」中山記念「87回」の順となる。半分以上の20レースが施行50回以上で、ある意味G1を超越した伝統ある格付けこそがG2。長い歴史の中でこの尊きG2の格を剥奪されているのが鳴尾記念と京都新聞杯。
京都新聞杯は00年のみG3施行で翌年からG2に返り咲いたが鳴尾記念はG3のまま迷走。00年に宝塚記念の前哨戦という立場を金鯱賞に譲り96年以来の12月開催、ハンデ戦となった。06年の距離短縮を経て、12年から再び6月の阪神2000m。創設時から数えれば何度目の引っ越しなんだという話。
G2の中でカウントしてもセントライト記念の「66回」に次ぐ、「65回」と重みはあるはずだがこの雑な扱われ方ではバブルガムフェロー、ダンスパートナー、エアグルーヴ、ステイゴールドが活躍した時代が泣く。別定にするならば格付けも元通りにすれば良かったと思うのだが…。
昨年こそトゥザグローリー、ショウナンマイティ、アーネストリーが出走し、宝塚記念の橋渡し的立場を保ったが今年はG1だと荷が重い面々。これが大阪杯だと難しいが元々紛れの生じやすい内回りコースだけにモズの逃げ残りに◎をうってみたい。パッと馬柱を見ても逃げ馬らしい逃げ馬はいないのがまず大きい。
1年9か月ぶりの勝利となった但馬Sが逃げて渋太かった。外枠から注文をつけてハナを奪うと前半5F60秒1と淀みないペースで先行集団を引っ張り、3コーナーから2、3番手に競られる苦しい展開も我慢すると直線でもうひと伸びしマイネルメダリストを逆に突き放す強い内容。上がり4F11秒6-11秒8-11秒8-12秒8はモズの持久力の高さを示す優秀な数字だ。
昨秋から芝の1400?1600mやダートを使われ進路を模索していたがやはり芝の中距離以上に適性のある馬だと証明された。逃げたのもSTV杯(1着)以来だったから変に控えるよりガンガン逃げた方が持ち味が出せることも同時に判明した。札幌2歳ステークス2着など洋芝での実績が目立つ馬だけに中央ならパワーの要る阪神がベスト。
開幕週の1枠1番で同型不在とくれば戦法は決まった。陣営は「相手が揃った」と弱気だが開成調教師が放つマイペースの伏線だとすれば言葉通りには受け取れない。今週の坂路では併走で遅れたが相手はグランプリボス、連敗中に比べると動き、時計ともに良化している。このコースで【8-12-6-65】で単218、複104と高い回収率を弾き出すスペシャルウィーク産駒で穴の用意は万端だ。
相手はまずディープインパクト産駒2頭。岩田騎乗で先行策に戻すであろうダノンバラードはAJCCを制しているようにこのメンバーでは格上。中山記念(6着)は外枠と展開、日経賞(7着)は距離と確たる敗因があるだけに巻き返しは当然。調教も中盤からピッチを上げ、ラスト11秒8と抜群のキレで先行したトーセンレーヴに併入しており絶好調に近いデキ。
パッションダンスはいかにもLyphardのクロスを持ったサンデー系という感じで差しに回ると凡だが新潟大賞典のように積極的に前受けすると味のある競馬をする。こういう馬に先行の鬼C.ウィリアムズだからよほどの事がなければ上位争いは堅い。あとはジェイドロバリーの入った血統がどこまで出世するのかが注目だ。
中山記念2着、ダービー卿CT3着と地力をつけたダイワファルコンも首位戦線。外枠の分だけ割り引いたが前半スムーズに流れに乗れば直線も粘り込んでくるはず。暑い時期が得意で2000m適性の高いトランスワープは調教が今ひとつで復調は先のようだから今回は抑え。エアソミュールは距離延長で大外枠だと折り合いが心配。これなら一度叩いて絞れたメイショウウズシオを見直したい。