大沼Ｓ

北海道シリーズ名物のダート1700mオープン特別、怒涛の４連戦の先陣を切るのが大沼Ｓ。今年もいよいよ夏の到来と思いきや、札幌開催消滅の煽りかしらかばＳが施行されず、7/7マリーンＳ→8/24エルムＳで早々に店仕舞い。この路線は３年連続で皆勤している北の砂寵児エーシンモアオバーも不出場。偉大な先人を追う後継者の登場で盛り上がるといいが…。

ただダ1700mは重賞やオープンのみならず、下級条件を含めほとんどのダートはこの距離。函館４回２４日間の開催合計が９７レース、１日平均４レースはある計算。攻略法を早めに抑えておくに越したことない。この条件を制する者が北海道の夏を気分だけでも快適に過ごせるはず。

このコースで最も大切なのは脚質と言って差し支えない。ゴール前の直線が僅か260mの小回りコースでは差し追い込み勢に許された時間はあまりに少ない。

08年?13年6/16終了時点の脚質別着度数、勝率、連対率、複勝率、単複回収率

逃げ　【59-42-41-143】　　20.7-35.4-49.8　173-137
先行　【142-153-120-405】　17.3-36.0-50.6　160-156
差し　【30-34-68-690】　　 3.7- 7.8-16.1　 47-59
追込　【6-9-8-919】　　　 0.6-1.6-2.4　　　12-10

フルゲート１３頭における脚質の区分は一先ず置いても、まず「何はなくとも先行力」前半で好ポジションを確保することこそ勝利へのシンプルかつ的確なアプローチ。もしくはそれに準ずる道中捲っていける脚力が必要。過去３年の大沼Ｓ、マリーンＳの連対馬１２頭中１１頭が４角３番手以内だった。道中の制約が多い差し馬はよほど展開が向くか斤量面でハンデの恩恵を受けない限りは３着止まりだ。

次に前半の攻防を左右する枠だがこれは大きな隔たりもなく勝率7?10％前後、連対率15?18％前後、複勝率22?28％前後に落ち着いている。多くても１３頭立てだから枠順が引き起こす紛れは少ないと推測できる。回収率ベースだと単複100％を越えている７枠と単回収率がトップの４枠が優秀だが因果関係は不明。ただ１枠と２枠の回収率が低い側面から、「小回りの内枠有利」が刷り込まれて必要以上に人気になり結果的に配当妙味が薄く、相対的に外目の枠が浮上している可能性はある。

続いて種牡馬

(０１)シンボリクリスエス　【19-12-13-92】　14.0-22.8-32.4　 93-62
(０２)ゴールドアリュール　【11-09-03-64】　12.6-23.0-26.4　134-77
(０３)マンハッタンカフェ　【11-02-02-41】　19.6-23.2-26.8　 86-59
(０４)タニノギムレット　　【10-01-07-44】　16.1-17.7-29.9　 89-52
(０５)ネオユニヴァース　　【09-17-07-51】　10.7-31.0-39.3　 64-110
(０６)クロフネ　　　　　　【09-06-10-92】　 7.7-12.8-21.4　 51-56
(０７)キングカメハメハ　　【08-05-07-68】　 9.1-14.8-22.7　 65-57
(０８)アグネスデジタル　　【06-06-09-30】　11.8-23.5-41.2　 28-198
(０９)ブライアンズタイム　【06-04-13-57】　 7.5-12.5-28.8　 58-62
(１０)スペシャルウィーク　【06-04-03-23】　16.7-27.8-36.1　165-78

ダートだから当然だが予想通り芝のスピード比べでは敬遠されがちな血統が上位にズラリ。それでも上位３頭はフェブラリーＳに優勝馬を輩出しているように砂における速力は十分。このあたりは前半から加速してスピードに対応して行かなければならない小回りコースらしい傾向となっている。一方、芝で軽いスピードやキレを武器とするＳＳ系はフジキセキが単複回収率100％越えで１１位に健闘しているがゼンノロブロイ、ディープインパクト、アグネスタキオンは総じてひと息だ。

◎アドバンスウェイはネオユニヴァース×Capote(Seattle Slew系)で母方のスピードが強調された配合。揉まれたり、砂を被ったりして嫌気が差すと競馬をやめてしまうのもSeattle Slew系の特徴。そのわりにギャラクシーＳ２着(３番)マリーンＳ２着(２番)ＢＳＮ賞１着(３番)すばるＳ１着(３番)とオープンでの激走はすべて内枠。乗り手を選ぶタイプだが昨夏コンビを組んで好成績だった木幡騎手なら問題なく、今回の２番枠を生かして能力全開といきそうだ。