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2013/07/21 12:00
函館2歳S
7月の開催になって、より一層「早熟性」を問われるレースにシフトしていくと考えるのが自然。札幌開催だった09年も含めた過去10年の3着以内馬30頭中、牡牝の2歳G1に駒を進めたのが14頭で[0-4-0-11]優勝馬は8頭が出走して[0-2-0-6]半数は出走の時点で篩にかけられて、早期デビューの利を全く生かせていない。
たまにローレルゲレイロやアイムユアーズなど掘り出し物もいるがこの2頭にしても函館2歳ステークスはそれぞれ2着に敗退している。血統的にも軽いスピードと仕上がりの早さに自信を持つミスプロ系やHalo系(ただし父サンデーサイレンス系は過去10年で連対1頭)Danzig系、それに1200mでは定番のサクラバクシンオーが強い。
◆短距離の鬼血統が7年ぶりの復権果たす
やはりこの時期の2歳戦で目につくのは父サクラバクシンオーの名前。往時の勢いこそ薄れたがグランプリボスやダッシャーゴーゴー、スギノエンデバーなどの活躍を見れば、やはり短距離での存在感は一枚も二枚も上だ。
函館2歳ステークスにもニシノチャーミーやラッシュライフ、ナムラミーティア、フラワーサークルなど好走馬を送り込んでいるように過去5年の函館芝1200mで[28-21-23-148]は圧倒的な成績。これだけの出走数があっても回収率は単104%、複88%だから恐れ入る。当然無視はできない。
過去の好走馬からポイントを上げればサクラバクシンオーの速さに、デインヒルやGone Westなど柔軟な血を配色し、重賞を勝つための底力を補強する役割をNorthern Dancerが担う最もシンプルな配合系と言える。
今年唯一の出走となるビービーブレインの母父アラジは91年のBCジュヴェナイルを破格の強さで優勝し世界を震撼させた馬で2歳時は8戦7勝の成績を収め、欧米のタイトルを総ナメにした。3歳以降は成長力がなく超早熟だったがBlushing Groom系らしい爆発馬として名を馳せた。
これに母系がミスプロ系のWoodman×サドラーズウェルズでNorthern Dancerの4×4×5だから函館2歳ステークス向きの組み合わせを完璧に踏襲。しかもスプリンターズS3着やセントウルS、アイビスSD連覇など短距離で大活躍したカノヤザクラ、G3時代のセントウルS2着パイアンが叔母にあたる、良質な短距離ファミリー出身。直前も迫力満点の追い切りを消化しており状態万全。今回◎で狙わない理由がない。
◆洋芝向きの馬力で
ファイトバックの半兄オールアズワン(父ネオユニヴァース)はアヴェンチュラやルルーシュを相手に札幌2歳ステークスを制した馬。母父ナリタブライアンは函館2歳ステークスこそ6着だったが新馬勝ちは函館。祖母シンデレラロードも函館は[1-1-3-2]と好成績を収めていたように非常に洋芝適性の高い一族。
菊花賞でディープインパクトを苦しめるなど中距離以上での活躍が目立ったアドマイヤジャパンだが産駒はシーブリーズライフやディアセルヴィス、ヤサカシャイニーなど意外にもサンデーらしいスピードを伝えている。見立ては中距離の馬力血統だが走る要素は存分に詰まっている。デビュー戦で好位から差し切っているのも戦法上の強みだ。
◆急上昇ストップ高
ダイワメジャーは今年の3歳が2世代目で函館の成績も1年分だから特に参考にもならなかったがここに来て[5-4-4-17]連対率、複勝率ともにトップクラスで単回収率208%、複回収率100%と一気に頭角を現してきた。祖母クイーンリザーブは小倉2歳S3着で母ストラテジーも同5着と早期完成型。母父フレンチデピュティも当レースで相性が良い系統。サンデー系ならオールパーパスだ。
プリサイスエンドはこの舞台で[4-3-2-14]回収率も単複100%オーバーで総合的にダイワメジャーと双璧。母父マイネルラヴも洋芝に強いミスプロ系。2戦目で鮮やかな変わり身をみせたプラチナティアラが有利な最内も味方につけての激走がある。
新馬を7馬身差で圧勝したクリスマスは父バゴがこのレースで全く実績のないBlushing Groom系で母父ステイゴールドも短距離向きではない。Halo5×4の小器用さと母母父Salt Lakeが持つVice Regentのパワーがどの程度発動するか。これは入着級。ローレルゲレイロの全弟キタサンラブコールは適性自体はあると思うがまだ幼い感じで連下が一杯。