関屋記念

◎ミッキードリームの完全復活に賭ける。前走の中京記念は11年９月の朝日ＣＣ以来となる連対で３着以内に入ったのも約１年ぶり。抜群のスタートから内の馬を見ながら難なく好位につけ、直線も手応え通りの脚を使ってフラガラッハに食い下がり、３着以下との接戦を凌ぎ切った。

半マイル通過47秒2、1000m58秒7はお世辞にも重賞らしいペースとは言えず、展開を味方にした面も大きかったが近走の不振を考えれば厳しい57キロを背負って後半の上がり勝負にも対応。復調を示すには申し分ない内容で３歳時の毎日杯でダノンシャンティと４歳の毎日王冠ではダークシャドウ、エイシンアポロンと互角に渡り合った実力馬が戻ってきた。

東京や新潟では長い直線を意識し過ぎるがゆえに流れが落ち着いて差し追込が届かないケースも多い。関屋記念も決め手重視だが絶対的に上がり最速が必要とされる訳ではない。それは11年1着レインボーペガサス、10年１着レッツゴーキリシマ、12年２着エーシンリターンズらの位置取りと上がり順位を見れば分かる。

ミッキードリームは逃げ先行馬が薄い時、積極的に位置を取りにいける機動力が強み。今回も前走同様に先行して直線での我慢比べに持ち込む公算が大きい。関屋記念の抜け穴に見事ハマる可能性が非常に高い。

関屋記念でノーザンテーストの血を持つ馬が毎年台頭するのも特筆事項。04年１着ブルーイレヴン、２着ロードフラッグ、05年２着ダイワメジャー、06年１着カンファーベスト、３着テレグノシス、07年１着カンパニー、08年２着リザーブカード、10年セイクリッドバレー、３着リザーブカード、１１年２着エアラフォン、１２年２着エーシンリターンズ。過去１０年で09年以外は必ず１頭は複勝圏を確保している。野芝の高速馬場に強いというのは９月の中山と同じ理屈だろう。

ミッキードリームは少し奥になるがノーザンテースト持ち。トニービン産駒の祖母スプリングコートはサクラバクシンオーの半妹という良血。それにサンデーサイレンスを掛け合わせてキングカメハメハだからその時代、時代のトップ種牡馬が脈々と連なっている。直線の長いコースでこそ真価発揮、重賞級の底力、勝負強さは言わずもがなだ。

前走から中２週だが先週の日曜と火曜に軽く乗られて追い切りは一杯。デキは維持している。７?９月に【2-1-1-1】と元々夏場に上昇するタイプで他馬と比べてこの辺りの優位性もある。久々の重賞Ｖの先に夢の国が手招きだ。

相手はまずの枠の話が大前提。どこかで見たような偏りだと思ったらアイビスサマーダッシュにそっくり、というかそれよりも凄かった。

過去１０年で１?４枠【2-2-2-65】５?８枠【8-8-9-67】※05年は３着同着。更にクローズアップすると７?８枠【8-3-4-37】驚異的な数字が残っている。フルゲート18頭になれば７枠、８枠にそれぞれ３頭ずつ入り、全体の３分の１を占めるとしても凄いとしか言えない。

関屋記念だけでは？と勘繰る方ように08年以降の新潟1600m全部を対象にしたデータを出すと１?４枠【61-83-69-1118】５?８枠【122-100-115-1272】これは一目瞭然。６枠と８枠は単回収率も90％を越えている。あまり聞くことはないが新潟マイルは紛れもなく外枠有利。

つまりジャスタウェイ(１６番)ドナウブルー(１２番)は順当に好走する確率が高い。○ジャスタウェイはこの中間２本の時計＋今週の追い切りを消化しており仕上がり万全。▲ドナウブルーは５６キロだった中京記念で４着に踏ん張れたのが良かった。優勝した昨年と同じ54キロは大幅条件好転。

あとは欠点に目を瞑ってごそっと拾うしかない。ノーザンテースト持ちだと後はデュランダル産駒だがさすがにニシノメイゲツやカリバーンは腰が引ける。となるとフラガラッハだが中京→新潟替わりは微妙な線。レッドスパーダは１枠が痛恨も展開上、先行できるメリットは有。

紐で面白いのはランリョウオー。中京記念は初の重賞挑戦にも関らず浜中祭りの煽りで１番人気になって１０着だったが堅実さが売りだけに見限るのは早計。父Redoute's Choiceはノーザンテーストと同じようにこのレースに実績のあるDanzig系だ。