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2013/08/30 20:00
札幌2歳S
◆直線はAll Stay!!
ケープクロスは現役時代の通算19戦5勝と凡庸な成績で競走生活のピークである唯一のG1勝ち(ロッキンジステークス・英8F)も10頭立てのブービー人気だった。それが種牡馬になって英二冠馬シーザスターズや英愛オークスや香港ヴァーズなどに優勝しカルティエ賞年度代表馬に2度選出されたウィジャボードなど世界各国で活躍する産駒を送るのだから人生分からない。日本ではダービー馬ロジユニヴァースの母父として名を馳せた。
Danzigの系統は代を重ねるごとに距離に融通が利く傾向にあるがそれにしても平凡なマイラー血統が続々と一流のクラシックディスタンス級を輩出するのは驚きを禁じ得ない。
オールステイはこの父に母が天皇賞(春)2着のトーセンラーやスピルバーグ、ブルーミングアレーの半姉にあたる配合で日本向きの背景は十分。新馬は大外枠から先手を主張し、マイペースに持ち込んで逃げ切り完了。ラップ的に目立つ部分はなかったが直線で2着馬に迫られてから再び盛り返したように長くしぶとい脚を使える。
調教もほとんどやらなかった中であの余力残しの勝利にスケールの大きさを感じる。この中間も本数は少ないが直前は一杯の相手を馬也で追いかけて楽々先着したように上積みは相当ありそう。矢作調教師も「SS系のような切れ味はないが先行してしぶとい。今回も前に行く」と明言したように他馬が気にするようなら荒れ馬場はプラスに働く。
◆一流SS系に立ち向かう
マイネルフロストはコスモス賞で褒めたように母父グラスワンダーの捲る力とDanzig4×4のパワーがONになった配合で時計の掛かる小回りはベスト条件。叔父のスリージェム(父フォーティナイナー)もダートで6勝しているように馬力型でこれも荒れ馬場は苦にしない。
ブラックタイドはディープインパクトと全兄弟だがディープが切れ味を伝えるのに対してこちらはLyphardの前受けや粘りが強く遺伝しており母系の特性とマッチしているのがいい。
前走はマイネグレヴィルを早めに潰し、差してきたサトノフェラーリを抑え込む強い競馬だった。仕上がりのマイネルに経験が加わればここも勝ち負けだろう。
◆ステイゴールド新馬の法則
SGは自身の現役時代の姿から主に長めの距離、叩き良化、晩成という初戦向きの血統ではない印象だがオルフェーヴル、ゴールドシップ、ドリームジャーニー、フェノーメノ、ナカヤマフェスタら芝のG1馬はみんな新馬戦を勝利している。しかも前3頭は夏のローカルで一番遅いナカヤマフェスタでも11月上旬。仕上がりだけで勝ち上がる早熟種牡馬と違ってステイゴールドの場合は新馬勝ち=高い能力の証となると考えられる。
レッドリヴェールは阪神マイルでJRAの新馬の先陣を切った。5頭立てだからレースに関して特筆すべき事項はないが6月の頭に勝ったこと自体を評価していい。母ディソサードはデビューした産駒7頭中6頭が勝ち上がっている優秀な繁殖で半姉サードニックスはオープンでローエングリンと接戦歴がある馬。馬場が悪いし1枠1番だから母系のハイインローを生かす前受けがベター。牝馬には厳しいレースだが面白い存在だ。
阪神1800mを外一気したピオネロ(父ネオユニヴァース)は母が2000mの亜G1を2勝したクルソラで母父はバブルガムフェローの半兄Candy Stripes。これにハイインローだから完璧に持久力型の先行馬なのだが成長途上で現状器用さがないのでここは買っても連下。これなら同じ父のロードフォワード。こちらはHalo3×3で脚捌きが軽く、レディルージュあたりを見ても前向きなスピードがある。母父Kingmamboでひと雨あればなお色気。
ゼンノロブロイは現2歳世代で最も良質な繁殖を集めており産駒の動向が気になるところだが個人的にはこの血統(SS×ミスプロ系)から爆発的な大物が登場するとはまるで思えない。良くも悪くも平均点でまとまって突出した武器が出にくいのが弱点。
バウンスシャッセはホーカーテンペストやフロアクラフトの半妹でこれもHalo3×3があるから小回りを立ち回るのは上手だがそれだけでこのメンバーを相手にして突き抜けるだけの絶対能力は疑問。フロアクラフトは全然馬場が合っていなかったしここは軽視。ハイアーレートはSeattle Slewが入ってミスプロのクロスになっているのが致命的。