723件のひとこと日記があります。
2013/09/01 11:00
すずらん賞・丹頂S
函館はもう何が起きているのか収拾がつかない。田んぼのような酷い馬場で序盤から芝の塊がばんばん宙を舞い、距離が長いレースほど後半は体力を失った馬が脱落していくサバイバル。ロジユニヴァースのダービーデーを現場で目の当たりしているから多少の心構えは持ち合わせていたつもりだがやはり数年に一度の極悪馬場である。
レッドリヴェール(父ステイゴールド)が制した札幌2歳ステークスの決着時計は「1分59秒7」で上がり3Fは41秒3。もう笑うしかない。ゴールドシップが持つレコードより8秒5も遅い。超絶遅いタイムの記録は偶然にも同じ函館1800mの新馬戦。しかも歴史は繰り返すではないがちょうど17年前の8/31。
1000m通過1分12秒0という牛歩のような速度で先頭がゴール坂を駆け抜けたのはスタートから「2分01秒6」後だった。もう一度言うがこれは2000mではない。しかも不良ではなくて良馬場での記録だ。そしてこのレースは勝ち馬が当時最下位人気だった後の天皇賞馬メジロブライトだった事でも有名である。
土曜の芝、6R中逃げ馬(4角先頭)が5勝2着2回。3着以内18頭中4角4番手以内の馬は16頭。唯一差しが届いたというか後方勢にお鉢が回ったのは3角過ぎから急激にレースが動いて、直線で前が完全に止まったところを交した大雪Hの2、3着馬だけ。
そして1枠1番は4勝2着1回。ただこれは逃げた馬が強いわけではなく後方が速い脚を使えないまま追走だけでバテていくから前に行った分のアドバンテージを保ったままゴールしているだけのこと。単純にロスなく最短距離を走っって消耗を最小限に抑えた方が良いという話だ。これだけ悪いと道悪の巧拙もあまり関係ない。
すずらん賞はヴォラータから入りたい。新馬戦(中京1400m)はハナを奪ったものの直線失速し離された5着に敗れたが距離短縮の前走は2着に5馬身差をつける楽勝で見事に一変。父アグネスデジタルは芝ダ兼用でパワーもあるし母父スペシャルウィークは札幌2歳ステークス2着のマイネグレヴィルと同じ。行ったもの勝ちの馬場で最有力だ。
ファソンはWild Risk5×5だからカッとしやすい気性で函館2歳ステークス(11着)のようにごちゃつく競馬は合わない。Halo5×4があるしネオユニヴァースと同じファミリー出身という血統。絶好の1枠1番から巻き返す。
デンコウウノは父メイショウオウドウがサンデーサイレンス×Lyphardだから未勝利を勝った時のように前受けしてナンボ。適距離に戻って反撃したい。そのデンコウウノを差し切っているコスモエルデストはマックスビューティの末裔。元祖重の鬼ブレイヴェストローマンにアッミラーレ、Nureyev系のブラックホークだからこういう馬場は得意だろう。オッズが割れているから内枠のシシャモオージ、フクノドリームも抑えて外枠は捨てたい。
一方コスモラピュタやモズなど逃げ馬が頼りない丹頂Sは2週目3角から壮絶な泥仕合になりそうな予感がする。そして長丁場だけに余計内枠の優位性が際立つと思える。本命にはレッドシュナイトを推す。芝での好走経験はあるものの全3勝がダートという実績で臨んだ北海ハンデキャップの単勝63.3倍は妥当なところ。
しかしその評価を一気に覆した。外枠からうまく内に潜り込んで道中は脚を温存。勝負所で反応の鈍さを見せたがエンジンが掛かると馬込みを捌いて進出し、逃げ込みを図ったヒルノドンカルロをゴール前で綺麗に捕らえた。前が大きく止まった訳ではないからレッドシュナイトの長距離と洋芝の適性が相当高かったという事。
2、3着馬が次走でワンツーしているようにレベル自体も上々。稽古駆けしない馬がウッドコースで前半から飛ばして終いも伸びているように充実期。この内枠と51キロの軽量を生かせばオープン突破も無理な相談ではない。
札幌日経オープン(3着)は強気に捲った分だけ直線凌ぎきれなかったがリリエンタールはさすがサドラー系のモンジューでこういう馬場を走るために日本にいるようなもの。今回は52キロだしまず前走以上。セイカプレストもこのコースと馬場は合うが外目の枠を引いただけに位置取りが鍵。
捨て身の50キロサイモントルナーレ、叩き3戦目の51キログラスゴッド、好位で折り合いがついた時のメイショウウズシオまで手広く流す。