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2013/09/14 01:00
野路菊S
◆鮮やかな尾花栗毛と派手な流星
現在は中京競馬場で誘導馬となっているフローテーション。目を引くのはやはり金色に光る綺麗な馬体だ。新馬で一目惚れしたのをきっかけに引退まで追いかけた。前夜に本命から印を落とし、レース後まさに放心状態に陥った菊花賞(15番人気2着)は忘れられない。
その菊花賞でフローテーションを退け、優勝したのが当時重賞未勝利だったオウケンブルースリ。この年は皐月賞馬キャプテントゥーレが故障、ダービー馬ディープスカイは天皇賞路線と春の主役が不在で混迷の一戦となったが勢いをぶつけた上がり馬に勝利の女神は微笑んだ。ジャパンCでウオッカと演じた3センチ差の死闘は今も悔しさとしてはっきりと覚えている。直線で豪快に追い込むスタイルと並んで個性的だったのが顔一面を真っ白く覆う流星だった。
この特徴的なルックスを両方持ち合わせているのがウインフルブルーム。当然レースで前を走れば走るほど目立つ。もちろん、人気を博すかどうかはその見た目に則した実力があってこそ。小倉芝1800mでの新馬戦(良)は[3F36秒1-5F60秒9-11.7-12.1-12.2-12.5]で中盤以降淀みなく流れて2歳夏の新馬としては結構きついラップを踏んでいるがウインフルブルームは3角手前で先頭に立って押し切り勝ち。
4角で後続を迫っているのだが最後は逆に止まる格好で突き離されている(3馬身2分の1)将来性を感じさせる内容だった。ちなみに同じ舞台だった8/31の未勝利戦は1着アーブル(9着)2着ドリームジュエリー(5着)で8/18の新馬戦組がワンツーという結果になった。
この8/31の未勝利と今回有力視されているシャンパーニュが勝った9/1の新馬を比べると
8/31(不)3F36.5-5F61.7-12.5-12.4-12.4-12.2=「1.51.2」
9/01(重)3F36.5-5F62.3-13.4-12.8-11.9-11.9=「1.52.3」
一般的に未勝利の方が時計は速くなるものだが一段階の馬場差があって1秒以上勝ちタイムが違うのは未勝利戦の中身を重んじるべきだという数字の合図だろう。つまり現時点のこのメンバーの中でレベルが高かった新馬を完勝したという事になる。
今年の2歳世代、母父として絶好調のスペシャルウィーク産駒(BMSランキングはサンデーサイレンスに次ぐ第2位)ここまで【4-7-1-25】と2着は多いが父としても今期は上々の滑り出しだ。SS系×サクラユタカオーはダイタクバートラムやダイタクリーヴァ兄弟やロジック、ベストメンバーと同配合で数は多くないが手堅い。
これにノーザンテースト×ハイインローだから硬さと前受けがONになって「急坂」「持久力」というキーワードの条件は合っている。阪神なら外回りより内回りだがこの時期なら新馬のパフォーマンスで足りる。スペシャルウィークの持つSS系らしい柔らかさがあれば平坦コースにも対応は利く。
1週前はポリトラックとはいえ、ラスト1F11秒3をマーク。騎乗した和田騎手も「稽古は本当に動く。もしかしたら相当なバケモノかもしれない」と潜在能力の高さを匂わすコメント。勝てば賞賛される人気商売。沸騰前の今回先物買いといく。
◆適性読んで罠見抜く
2世代目となるチチカステナンゴは【3-2-5-25】で単110%、複96%と回収率ベースだと買える種牡馬だがランキング的にはスウェプトオーヴァーボード以上、アグネスデジタル以下で社台が力を入れている背景を考えれば厳しい現状。ピークトラムが新潟2歳ステークスで3着、紫苑Sでリボントリコロールが2着するなど挽回しつつあるが芝通算15勝中上がり33秒台どころか34秒台前半で勝った事もないように上がりの掛かる条件が必須。
シャンパーニュは叔父ギュスターヴクライ、祖母ファビラスラフインの良血だがこの血統から芽が出にくいのは慢性的なスピードやキレ不足が大きい。母ラブリネスオブパリも勝ち鞍はダート限定。そこにチチカステナンゴを配合するとどうなるかは火を見るより明らか。新馬圧勝はどう考えてもダート適性の高さだけに頼った感じ。良馬場の外回りではまず無理だろう。
◆兄姉を凌ぐスケール
フェルメッツァはフラガラッハ(中京記念連覇)イリュミナンス(クイーンC3着)の半弟。デュランダル産駒の兄はNorthern Dancer4×4で上がりの掛かる展開向きの差し馬、マンハッタンカフェの姉はアウトブリードでトニービン×Nureyev+ハイインローの粘り強さで持続力ある先行馬になったがディープインパクトに替わってクロスも兄ほどではなく、それでいて姉と違って父の主張もあるから切れはあるという絶妙なバランスが実現。この血統の出世頭になる可能性は十分。