ローズＳ

過去１０年、春二冠のいずれかで３着以内に入っていた馬が必ず１頭はローズＳで３着以内に来ている。候補はレッドオーヴァル(桜花賞２着)メイショウマンボ(オークス１着)エバーブロッサム(オークス２着)デニムアンドルビー(オークス３着)これに該当するのは１４頭いるが連対していた馬に絞ると[5-4-3]連対していなかったのは03年のアドマイヤグルーヴ(桜花賞３着→ローズＳ１着)10年エーシンリターンズ(桜花賞３着→ローズＳ３着)

今年は桜花賞、オークスともに３着以内の馬が全て違った。つまり上記に該当する馬は必然と多い。この事象は04、06、07年の三度ある。04年はオークス馬ダイワエルシエーロが１番人気で７着、オークス２着スイープトウショウが２番人気３着。優勝は500万を勝ったばかりの５番人気レクレドール、２着はオークスで１４着に大敗していた６番人気グローリアスデイズ。当時３番人気５着だったのが桜花賞２着→オークス８着のアズマサンダースでまずレッドオーヴァルはこのコースと予想する。

06年は桜花賞２着のアドマイヤキッスが１番人気に応え、２番人気だったオークス２着フサイチパンドラも３着と順当だが重賞で掲示板が一杯だったニシノフジムスメが３番人気だった辺りに８番人気のシェルズレイが２着するレベルの低さが窺える。賞金1350万以上が半数以上の10頭いて本番さながらのメンバーが揃った今年の場合このパターンは不適当だ。

07年はダイワスカーレット、ウオッカの大駒がオークス不出走だったのが樫の勢力図をがらりと変えた。これは少し混戦を示す結果とは意味合いが異なる。そしてこの年のローズＳは１?２?３番人気で超順当だった。

残りはメイショウマンボ、エバーブロッサム、デニムアンドルビー。オークス馬は【1-0-0-5】勝ったのはジェンティルドンナだけ。逆にオークス２着馬は【1-3-2-0】で軸安定の結果。春の有力馬は連候補エバーブロッサム、３着候補デニムアンドルビーでメイショウマンボ、レッドオーヴァルは消しという結論。

そのエバーブロッサム、デニムアンドルビーとて目標は次に定めているわけだから全幅の信頼は置けない。本気度の高さで逆襲する馬を狙いたい。キャリア２戦目のエルフィンＳを絶望的な局面から桁違いの末脚で打開した高素質、超良血のトーセンソレイユに◎をうった。

３戦目の桜花賞はとりまく状況的には完全に過剰人気だったが人気を押し上げるようなポテンシャルを窺わせるにエルフィンＳは十分な内容だった。その能力を半分も出せなかったのが体質の弱さに泣いたトーセンソレイユの春。馬体重回復を最優先にしたため桜花賞は２か月ぶりだったが中間は時計３本で更に減って416キロ。これで勝ち負けしろとは無理難題にも程がある。

オークスは輸送があるから余計慎重になって馬也のみ。馬体を保つことにはかろうじて成功したが明らかに戦前から勝負の土俵は割っていた。桜花賞から10キロ増量しオークスを制したメイショウマンボとは天と地の差があった。しかし夏を越えてパワーアップしたのはさすが世界的良血の為せる技。

馬体を30キロ近く増やし、春とは別馬だと陣営も成長に自信を掴みかけている。それに伴い調教も守りから攻めに。追い切りも時計こそ、馬也で平凡だが躍動感あるフットワークは非凡そのもの。降雨の影響も出そうだが元々は優秀な欧州の牝系に力強さに定評のあるネオユニヴァースの配合で力の要る馬場はむしろ歓迎。ラスト１冠。雨煙る仁川の直線の先には淀へのシンデレラロードだ。

伏兵ウインプリメーラもチューリップ賞２着の実績からすれば少なくともＧ２で圏外とは思えない。ステイゴールド×フォーティナイナーの配合は確実に京都より阪神。追い切りも4F51.7-1F12.4で文句なしの過去最高で勝負気配随一。

リラコサージュはオークスこそ８着だったが大崩れのないタイプ。小柄な馬が３週続けてＣＷを一杯で追われているのはよほど状態に不安がない証拠。馬場が渋れば血統的にも俄然浮上する。あとは前残りのノボリディアーナ、春はあと一歩だったウリウリの良化、Ｇ１勝ちのある阪神でローブティサージュまで印を回しておきたい。