セントライト記念

03年３着チャクラ(父マヤノトップガン)07年１着ロックドゥカンブ(父Red Ransom)３着スクリーンヒーロー(父グラスワンダー)08年２着マイネルチャールズ(父ブライアンズタイム)09年２着セイクリッドバレー(父タニノギムレット)12年２着スカイディグニティ(父ブライアンズタイム)など後半の持久力勝負に強い非主流のロベルト系が台頭している。よって上がりの速い競馬で劣ってきたような馬が狙いとなる。

大穴ビッグバンドジャズを◎に指名する。ダートで初勝利を挙げてから芝では[0-1-1-5]と冴えないがグラスワンダー×トニービン×マルゼンスキーの配合でナスキロの柔らかさで走る馬だから適性は芝の方が高いはず。前半5F63秒4の東京2400mで外を追い込んで２着し、出雲崎特別も前半5F62秒9を後方から内を割ったリボントリコロールと時計差なしの３着に差して来ているように終いの脚力は見所がある。

前走の燕特別(９着)は5F目以降13.6-12.9-13.0と一気に流れが落ち着いた。スローの流れに内回りコースも見越して北村騎手が気を利かせて捲って行ったが直線いざ追い出すとまるで反応がなく伸びず。凡走した時は中団より前目につけていることが多い。脚質的なジレンマはあっても無理にポジション取りにいくより末脚に賭けた方がいいタイプなのだろう。

あくまで500万の身で格上挑戦となるが同コースの水仙賞でヒラボクディープと０秒３差４着、山吹賞では直前回避したダービー３着馬アポロソニックと０秒４差(７着)前者が5F63秒3、後者が5F64秒0といずれも超スローからの上がり勝負になって展開が向かなかった点を考えれば悲観する内容ではない。近３年のセントライト記念の1000m通過は10年58秒7、11年57秒5、12年60秒2だから相手は強くなっても格段にレースをしやすくなる公算が大きい。

中１週になるが南Ｗ(稍)で【5F67.3-4F51.3-3F37.6-1F13.8】をマーク。ラスト伸びを欠いたようにも見えるが稽古駆けしないこの馬とすれば全体時計は上々、何より一杯に追われてきたことがいい。ヒラボクディープはダービー以来でトーンが上がらないし、ケイアイチョウサンも７、８月は休養に充てた。夏場に使ってきた強みを生かせるのはこの時期が最後。新潟オーラスで伏兵コスモネモシンをＶに導いた好調松岡の手綱で菊の権利を掴む。

マンハッタンカフェはセントライト記念４着から菊花賞を優勝し、暮れの有馬記念も制覇した名馬で上がり馬の代名詞。その甥にあたる○ダービーフィズも同じ蹄跡を辿りたい。春は弥生賞７着、青葉賞12着、ラジオＮＩＫＫＥＩ賞６着とあと一歩足りなかったが成長力のある血統だけに夏を越して急激に良くなっている可能性を秘める。

前走の信濃川Ｓはクランモンタナ、レオプログレスら骨っぽい古馬と若葉Ｓ３着、青葉賞４着がある同世代のサトノノブレスには完敗したが前半5F60秒2とソコソコ流れつつ、上がり3F11.2-10.7-11.8の厳しい決め手比べを経験できたのは糧になる。ただダービーフィズも長くいい脚を使う馬で上がりが掛かった方がベターだから重賞の流れは合う。自身が若竹賞を勝っているし全姉アプリコットフィズもフェアリーＳ２着など中山替わりは意外と追い風。

ダービーは１３着と大敗した▲ヒラボクディープだがこれは能力で負けたというより懸念されていた精神面の課題が大観衆を前に噴出した感じでレース云々は語れない。青葉賞１着からも実力上位は確実だし休み明けでどれだけ落ち着いて臨めるかがポイントになる。

△ユールシンギングは道悪の前走を直一気で快勝。キャリアで唯一崩れたのが中山2200mの未勝利だったが決着に2分20秒も要するかなり緩い流れを出遅れたものだから度外視していい。父シンボリクリスエスでRoberto3×5。母系はトニービン×リアルシャダイ×ノーザンテーストで近親にステイヤーズＳを勝ったペインテドブラックのいる血統。菊花賞に出走できれば主役候補にもなりうる。

ラジオＮＩＫＫＥＩ賞で鮮やかなイン強襲を決めたケイアイチョウサン(横山典)は14番枠で前回と同じような競馬をするのか、それともある程度前で流れに乗せるのか。どちらにしてもリスクは背負う。賞金的な余裕はあるし買っても３着の抑え。アドマイヤスピカも本当に良くなるのは使い込んでからだろうが素質は見劣らない。