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2013/09/22 11:00
神戸新聞杯
菊花賞TRは夏の上がり馬が台頭しやすい東のセントライト記念に比べ、有力馬が始動する西の神戸新聞杯に重きが置かれるのがごく一般的になった。00年以降ダービー馬は8頭出走して[5-2-1-0]でほぼ完璧。ダービー2着馬は11頭出走して[2-4-2-3]やや精度は落ちるが悪くはない。
どちらも勝たなかった6回中07年ドリームジャーニー、12年ゴールドシップはG1馬、06年ドリームパスポートは皐月賞2着、ダービー3着でいずれも実績を残していた馬たち。ただ01年エアエミネムは札幌記念でダービー馬ジャングルポケットを破っていたし、09年イコピコも春に白百合S勝ちがあるなどやはり純然たる条件クラスからの上がり馬には厳しい。※00年フサイチソニックが旧900万から勝利したのみ。
だから特にダービー馬の存在感は大きい。ただ逆説的に考えると波乱の目がでるとすればダービー馬不在の年。さらに春二冠で掲示板に載ったのがエピファネイアと皐月賞5着タマモベストプレイだけの今年は異常事態。核になるべきG1馬がいないあたり昨年より低調なメンバー構成になっているのは否めない。
レースの中心は当然エピファネイアになる。レース序盤から掛かりっぱなしで中盤は躓いて落馬寸前になるなど終始荒れ狂った内容で直線一旦は先頭に立ってゴールを目指していたのだからその前進気勢には恐れ入る。半端ではない潜在能力の持ち主だ。本番はともかく今回は多少折り合いを欠いても捩じ伏せる確率は高いが断然人気と天秤にかけると他に食指が動く。
青葉賞上位組のディープインパクト2頭は地雷感満載。サトノノブレスにしてもラストインパクトにしても本当に切れるディープ産駒なら青葉賞で権利を逃すことはなかったのではないかと思う。それが母系のジリっぽさだとすれば秋以降も飛躍的な改善は展望しづらい。春から成長はしているが紐の一角に留めたい。
現代最高レベルの秋上昇血統が菊路線に送り込む刺客ヒルノドンカルロに◎だ。成長力と距離適性が心強い。デビューは昨年の10月(京都芝2000m3着)だったが初勝利は4月(阪神ダ1800m)とやや手こずった。それでも芝に戻した京都新聞杯以降は4戦2勝2着1回。
才能の蕾を開花させつつあったのが夏の函館。北海ハンデキャップこそレッドシュナイトの決め手に屈したが松前特別は2着に2馬身差をつける快勝。時計こそ0秒1速いだけだが中盤13秒台を連発し上がり勝負を誘発してしまった北海ハンデキャップの二の舞を避けるように大きくペースを落とすことなく、ある程度持久力に頼って勝てたのは収穫。
一戦毎の学習能力の高さを随所に窺わせるし、折り合いに気を使うタイプでもないから中長距離適性においてはエピファネイアと対称的。クラシック狭間のトライアルには滅法強いマンハッタンカフェが父。菊花賞馬ソングオブウインド、歴代有数のマラソンホースであるトウカイトリックを輩出するなど底なしのスタミナに定評のあるエルコンドルパサーが母父。叔母はフィリーズレビューに優勝したフレンチカクタス、祖母がRibot5×4を内包しておりG2で壁にあたる理由はない。
追い切りも絶品。プラチナグロース(一杯)と6F併せで1秒7先着【6F79.7-5F65.1-4F51.5-3F38.6-1F12.8】見た目に動きは平凡だが時計は文句なし。追い出された時の反応やスラッとした体型はステイヤーのソレ。作戦はハナ。逃げが予想されるウインアルザスはテンに遅いので主張すれば大丈夫だろう。国内暫定3歳王者が差せないとすればこの馬の粘り腰だ。
そのウインアルザスは京都新聞杯でキズナと0秒4差4着、ダービー4着のペプチドアマゾンとは0秒2差だ。前半5F59秒2で飛ばし上がり3F12.1-11.8-12.0を耐えているのだから実力はある。母シシーダルザスはデルマーオークス(米9F)優勝馬で一族にはファルブラヴやNatagoraのいる良血。
シンボリクリスエス最良の相手サンデーサイレンスには劣るが母父Sicyosは仏G3のアランベール賞やサンジョルジュ賞を勝ったスプリンター。母系でスピードを補う配合形としては上々であとはナスキロとハイインローの効果に期待。
後方一手は難儀だが皐月賞6着、ダービー6着のテイエムイナズマは8月中旬から熱心に乗り込んでおり気配良好。タマモベストプレイは急仕上げ気味で復調途上だし本質的に距離が長い。マジェスティハーツも母がボストンハーバー×Storm Catだと2400mは無理だ。