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2013/09/27 22:00
芙蓉S
ステイゴールドの一流馬はいずれも早い時期の新馬を勝ち抜けており、能力判定や将来性の指標になる。今年はすでに2戦目でレッドリヴェール(牝)が札幌2歳ステークスに優勝。質、量ともに揃ったとされる同世代の中でも主役の一翼を担っていくことになるだろう。
マイネルアウラートは今回と同じ中山1600mで見事に新馬勝ち。ただレースの中身は序盤から首を上下するなどかなり掛かっての逃げで終始力んでいたように落ち着きなく子供っぽさ全開。お世辞にも完成度が高いとは言えないが荒削りなくらいの方が走るのはオルフェーヴルやゴールドシップが証明している。
歴史的名馬の域に達している2頭と比べるのはさすがに酷だがマイネルアウラートも直線入り口で後続に迫られてから再度脚を使って急坂で突き離した辺りに能力の片鱗を窺わせる。前半4F48秒6のスローな流れとはいえラスト2F11.7-11.7で走り、差のつきにくい展開を2馬身差抜けたのは上々だ。
母父トウカイテイオー、母母父ティンバーカントリーは現代競馬的には地味だがフィールドベアーやムッシュシェクルがいる牝系に何と言ってもノーザンテースト(4×4)を増幅させたステイゴールドの成功配合。父の非力さをノーザンテーストの頑健さでカバーするのはお決まり。そしてこういう生き遅れた非主流血統に活力を与え、底力を引き出すのがステイゴールド。
HyperionやWar Admiralのパワーが強くノーザンテースト的なやや硬さがあるドリームジャーニー的なピッチ走法だから直線の長いコースより小回りを機敏に立ち回るのがベスト。一度使ったことで気性的な問題を克服し鞍上とうまく呼吸を合わせて競馬を運べれば首位争いになる。
マーブルカテドラルの母ヘルスウォールは2歳時から重賞路線を歩み3歳時にはチューリップ賞を逃げ切って桜花賞でも5着に入線した活躍馬。初仔のアサクサダンディはNZT3着、スプリングS4着。下のデルマアグリッピナ、デルマクリシュナも地方で勝利を重ねており繁殖としても結果を残している。
フジキセキをつけたアサクサダンディ以来、スタミナ型のSS系を相手にしていたが本馬は欧州血統のエリシオが母父だけに重さを薄めるには最適な相手と言えるダイワメジャー産駒で粘りと持続力が持ち味のマイラーにでた。新潟2歳ステークスは直線で並ばれてから実に渋とかった。前崩れの展開で先行勢最先着の力を素直に評価したい。
チチカステナンゴは今年上半期7勝と苦しんでいたが2世代目がデビューした頃から風向きがガラリと変わり7月以降はすでに9勝を挙げていて、特に9月は5勝と絶賛確変中。芝で上がり3F34秒台前半だと出番はないが上がりの掛かる今の中山コースなら需要がある。
ポーラメソッドの未勝利戦(中山芝1800m)はスタートで煽ったが馬なりで捲って圧勝。腹回りがどっしりとした体つきはいかにもパワー型でマーメイドSを勝った母タイキポーラ似。母方のBold Rulerクロスで機動力もあるし中山向きは明白。調教も着実良化。スタート次第だが一発の可能性を秘めている。
オークルームは後方から鋭く追い込むマイラーでキングカメハメハを配合した事でイオラニはMill Reef5×4になりナスキロ的柔らかさも加わり切れ味が増した。超スローに持ち込んだアスター賞で3着に負けたのは追い切り一本で状態面が本物でなかった事に尽きる。叩いた今回は反撃必至。
ゼンノロブロイは直接的なナスキロ血脈を構えるRiverman[トレイルブレイザー、ルルーシュ、イチオクノホシ]Mill Reef[サンテミリオン、コスモネモシン]などの母系と好相性。パシフィックギャルは祖母がナスキロ持ちだが一本で成立している訳ではないので強くは推せない。決め手がぼやけるとアスター賞(2着)を見ても善戦止まりか。
リンカーンはバレークイーンのHyperionとFair Trialが色濃い粘りと俊敏性に長けていて小回りは抜群で中山なら積極的に出れる。キーンソードは叔父が有馬記念2着など中山に滅法強かったアメリカンボスだから適性の高さは疑いようがなく距離延長も好材料。是非穴で拾っておきたい。