アンドロメダＳ・オーロＣ

事の発端が何だったのかを忘れさせるほど、次々に出るわ出るわ食品偽装の数々。有名ホテル、有名百貨店などのブランドも関係なし。今や日本の食における「安全神話」は死語に等しい。目先に利益を優先し、お金では買えない誇りや信頼を失う。これが殺伐とした日本の現状なのだろう。アベノミクスなんてものは所詮まやかしで歩き疲れた砂漠に見えるオアシスのような幻想にすぎない。

ただ、別に偽装に関った人間を擁護するつもりはないが本当の意味でクリーンに生きている人間なんているのだろうかと問いたい。今回はたまたま「食」というごく身近なカテゴリーにスポットが照射され、批判の矢面に立たされているが日常生活に潜む、それこそ隠れた偽装は山のようにあると思う。ただ我々が知らないだけで。

こういう問題が起こった時に何が嫌かって、善や良の対象とされていたものでも悪に変われば一斉に叩き出す日本の風潮や文化。大体、車エビとブラックタイガーの見分けが付かなかったり、牛脂が注入された霜降りを喜んで食べている連中が今更何を喚いても笑い草。こういう世界に縁遠い連中が喚いているのは見苦しいだけだ。

本質を見抜く目と穏やかな心が欲しい世の中だ。


競馬界にも胡散くさい話など星の数ほどあるわけで、さしずめ“偽装”ならぬ“偽走”これだって立派な黒い問題だと思うのだが競馬をやっている人間以外には影響がないから大きく扱われない。もし世間的に、ＮＨＫのニュースなどで大々的に報道されるような話題なら徹底して追求されるはずだ。

アンドロメダＳに出走するエーシンミズーリの富士Ｓは怪しさ満点。無理な競馬をしたわけでもないのに直線はほぼ追うところなくズルズル後退し、結果はシンガリ負け。８番人気の伏兵評価だったが買っていた人間からすれば不可解にもほどがある。しかしレース後、唯一無言を貫いた横山典弘の姿から察するに例のアレだろう。確かに輸送で馬体を大きく減らしていた背景を考えれば合点がいく。

減った体も戻っているし、今回は関西圏の競馬だから少なくとも前回のような負け方はない。米子ＳはＳペースを抜け出し、ポートアイランドＳはＨペースを先行し踏ん張っての２着と異なる内容で好走できたのは本格化したからだろう。2000mは若駒Ｓ以来となるが難なくこなすだろうし【2-3-1-1】と相性のいいローテで決める。

ユニバーサルバンクは２年前の勝ち馬で直線の短い内回りコースは合っている。夏場は精彩を欠いたが実力は一枚上だしここで仕切り直したい。テイエムイナズマは展開に左右される馬だが皐月賞、ダービー６着だけ走ればこのクラスでは足りる。ハンデ５４キロも有利だ。ダノンスパシーバは強引にでも道中仕掛けて行った方が力を発揮できるのでこの条件は向いている。

-オーロＣ-
インプレスウィナーは信越Ｓを豪快な直線一気。戦前、「ごちゃつく内枠で追い込むのは至難」と解説したが前半3F33秒9のＨペースで展開が味方。もちろん腹を括った丸田騎手の度胸も素晴らしかった。これで左回りの1400mは【6-0-1-6】オープン特別を４勝している。

この条件なら断然人気を背負ってもおかしくない馬だがそうならないのは騎手のせいか。57.5キロは仕方ない。この後に大事なレースが控えているわけではないのでここを目標に仕上げているだろう。溜めても味がないクィーンズバーンやテイエムオオタカが前に行けば淡々と流れるはずで差せる状況は作り出されるはずだ。

対抗も1400m巧者のレオアクティブ。今年も京王杯ＳＣ４着(０秒１差)やパラダイスＳ３着(０秒３差)この馬の場合は実力云々より前半後ろ過ぎて届かないパターンに警戒するべきか。ワイズリーは一連の重賞を見る限りマイルは１ハロン長い。京成杯ＡＨは直線が短いので克服できると踏んだが伸び切れなかった(大幅馬体減も響いた)1400mで改めて上位進出を狙う。

シャイニーホークは京王杯ＳＣで４番人気に支持された馬。近走は色々噛み合わず成績が下降しているが相手弱化＋折り合いがつく内枠で再考。フジキセキ産駒は東京1400m【13-11-22-117】で単回収率153％、複回収率131％と期待値が高い。先行すれば渋といテイエムオオタカ、適距離替わりのカシノピカチュウ、状態の良さそうなプリンセスメモリーまで手を広げたい。