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2013/11/10 14:00
エリザベス女王杯
4歳ヴィルシーナ(岩田)は秋始動戦を府中牝馬Sや天皇賞(秋)などG1勝ちのある東京コースではなくて、エリザベス女王杯より1ハロン長いだけの京都大賞典に選んできた辺りに陣営の自信と余裕が窺える。年々このローテとの結び付きが強力になっている背景もあるだろう。
その前走は押し出されるようにハナを切っていく形。前半5F61秒8とかなりゆったりとした流れに落ち着けたが、好位を進んでいたゴールドシップを意識した先行各馬が3角手前からスパートを開始。残り1000mから[11.4-11.1-11.6-11.3-12.0]だから後半は完全に消耗戦でゴールドシップ以下先行勢は潰れる展開だった。
早めに捲られながら大きく失速せず、細々と走っていたヴィルシーナに落ち度はない。464キロと少し大きめに造られた馬体(ヴィクトリアマイル優勝時は450キロ)といい、春の産経大阪杯と同じように前哨戦としては合格点である。牝馬限定戦で牡馬との対戦を重んじるのは鉄則だし、連軸としての信頼性は極めて高い。
これにオークス、秋華賞の二冠を制したメイショウマンボ(武幸四郎)秋華賞4着から距離延長と外回り替わりに逆転の望みを託すデニムアンドルビー(内田)の3歳馬。大体この3頭が勝ち馬候補だろう。ただ中間に緩めたメイショウマンボと結局G1では連対すらしていないデニムアンドルビーではヴィルシーナには敵わないと思える。
次いで実績No2の5歳ホエールキャプチャ、昨年の秋華賞3着の4歳アロマティコが一角崩し。新鮮味が買われているエディン、ラキシスが複穴・・・。
本命党はともかく、穴党もこんな風にすでに描かれきった構図を見せられている気がしてならない。これでは明らかに過去の決まり切ったパターンをなぞっているだけだ。かくいう当方も前夜まではこの考え方に縛られていたが、ある瞬間に悟った。そんな狭い視野でいいのかと心の声が木霊した。
ヒントは土曜の芝レースにあった。合計7レース組まれていたうち5Rを除く6レースに7頭を送り込んでいたマンハッタンカフェ産駒が【1-2-1-3】の好成績。マイルや中距離中心にもともと京都は得意なコースだが7、8番人気も含めての結果だから偶然ではなく本物だろう。
単勝100倍超の大穴タガノイノセンスに一攫千金への大いなる魅力を感じる。まず単純に配合が褒められる。マンハッタンカフェ×Mr. Prospector系の配合形は京都の下り坂を利用した惰性で流れ込むのが非常に上手。タガノイノセンスはそこからもうひと山あって、Woodmanの持つBuckpasserまで取り入れた「サンデー×ミスプロ×バックパサー」の黄金配合になっているのが最大の特徴。
サンデー×ミスプロだけだと体質が柔らかすぎて、前述したとおり詰めの甘い半端な脚質に出やすいのだがバックパサーの血が効くことで「War Admiral+La Troienne」のパワーが補強されるとサイレンススズカやゼンノロブロイのように柔らかくありながら、メリハリのある優れた体質になる。
タガノイノセンスも今年の春あたりまではどっちつかずなもどかしいレースを繰り返していたがここに来てバックパサーが発現してきたかなと思わせたのが休み明けのムーンライトH。これが阪神では新馬戦以来の3着。縦長で1000m通過60秒6のスローペースを外から追い上げ、急坂でギアチェンジしてもうひと伸びした。
勝負所の反応自体は遅くないが加速がゆったりしているので直線の短い内回りで追い込みきれていないのが近2走。その点で外回りになるのは条件好転だし、何より6歳秋にして準オープン連続好走は地力強化の証。体調の良さは自己ベストに近い時計を叩き出した追い切りからも顕著。叩き3戦目で状態は絶好。
古都Sを勝っての参戦で穴人気しているエディンとは大原Sで0秒1差。キャリアの浅い1000万を勝ったばかりのラキシスやディアデラマドレとの比較でも劣っていないし、どう考えても離された二桁人気に埋没する理由がない。さすがに勝つとまで大見栄を張るつもりはないが掲示板はごく自然にある。掲示板に載れればあとひと押し、ふた押し有利な状況が加わると3着まで手が届くのが競馬。3連系はもちろんだが、普段は滅多に手を出さないワイドでも人気馬を絡めて勝負してみたい。