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2013/11/22 13:00
京都2歳S
評判馬が揃い注目を集めた東京スポーツ杯2歳Sはひとまず個々の結果は置くとしても全体的に見所の多い好レースが繰り広げられた。ハナを切った伏兵のオールステイが一頭で飛ばしたわけではなく1000m通過が「59秒6」それにウインマーレライが続いて、その後ろの集団をイスラボニータ、ラングレー、プレイアンドリアルが形成し、更に6?7馬身差ほど離れた中団にサトノアラジンがつける隊列。
直線まず抜け出したプレイアンドリアルを目標にする格好で内を強襲したのがイスラボニータ(父フジキセキ)だった。道中の呼吸を重視し丁寧に乗られていたのが印象的。決して長くいい脚を使うタイプには見せないから、まさに図ったような差し切り。叩き合いをクビ差制してのレコード駆けはコンビを組む蛯名騎手の扶助も大きかった。来春に向けて距離との戦いにもなってくるだろうがまず展望が開けた。
衝撃的だったのは2着のプレイアンドリアル(父デュランダル)戦前吹かれた指揮官の進軍ラッパで明らかに過剰人気と思えたが現時点では寸分の無駄も隙もないレース運び。今回ばかりは岡田総帥の目とビッグレッドファームの育成力に脱帽するしかない。
反対に3着クラリティシチー(父キングカメハメハ)はスタートからゴールまでロスの連続。直線はイスラボニータの道を割るぐらいの気持ちが欲しかったが成長次第では半年後の東京でも楽しみはある。
下馬評の高かったディープインパクト産駒の2頭は凡退こそしたがラングレーは新馬戦とは前半1000mが6.0秒も違うペースを追走して0秒3差4着なら悲観する必要はない。馬っぷりはいいし、この敗戦は必ず糧になる。サトノアラジンも2戦目で直線は伸びない外を回ってこの少差なら挽回は可能と思える。
この世代で初めて重賞らしいメンバー構成に内容も伴った一戦で順調ならばこの組を中心にしてクラシックが動いていく予兆も感じられた。夏のローカル重賞をすべて牝馬が制すなど牡馬低調の余波により中山では最後となる朝日杯FSは駒が足りなくなりそうだが、素質馬の鉱脈は中距離級に豊富でダイヤの原石はまだまだ眠っているはずだ。
12年エピファネイア、09年ヴィクトワールピサ、05年1着マルカシェンク、2着ドリームパスポート、古くは01年アドマイヤドンなど京都2歳Sも東スポ杯2歳Sと並ぶ登竜門的な役割を担っている。
このレースは≪内回り+少頭数→流れが落ち着く≫がポイント。絶対的な能力や切れ味があれば問題ないが基本的には立ち回りが勝負の分かれ目。10年は直後にラジオNIKKEI杯を勝ったダノンバラード(皐月賞3着)08年にはアンライバルド(皐月賞)ベストメンバー(京都新聞杯)が連対を外している。
まだ完成度の高い馬が潜在的な実力を秘める馬と互角に張り合える時期である。この点において信頼できるのは文中でも触れたビッグレッドファーム出身のマイネルメリエンダ。7月の中京でデビュー勝ちした馬でここまで4戦を消化。珍しく無理使いはされていないしお釣りは十分に残っているだろう。
すでに神格化されつつある花の新潟2歳S組(6着)その割には近2走が冴えないが3着の野路菊S、6着のいちょうSはともに分が悪い瞬発力勝負だったのが敗因。着差はそれぞれ「0秒1」「0秒5」特にいちょうSで戦ったイスラボニータ、クラリティシチーを物差しにすればオープン特別で見劣る理由はない。
3代母ニホンピロオーロラは、あの名マイラー・ニホンピロウイナーの半妹にあたる。その仔でノーザンテーストを父に持つホッカイテーストはLady Angela[4×3]Hyperion[5×4×5]となり、母のホッカイショコラも芝で3勝しているが上がり3F34秒台前半すら一度もなかったように代々決め手には欠ける血統だが京都内回り2000mなら持ち前の先行力と粘り腰が生きるはずだ。
アグネスドリームの萩S(9着)はゲート内で態勢を崩した瞬間にスタートが切られて出負け。すぐさま2番手に巻き返したが序盤に脚を浪費した分、直線はもたなかったが元来発馬に難のある馬ではないしこの馬も直線が短いコース向きだ。
トーセンスターダムの新馬戦(京都1800m)は重馬場でペースも上がらず正味2Fの競馬だったので結果を鵜呑みにできないがカンパニーやトーセンジョーダンを輩出したクラフテイワイフを基盤とする牝系だけに当然注意。
ピークトラムは今年の中山金杯に優勝したタッチミーノットの甥で母タッチザピークはスペシャルウィーク×Mr. Prospector×Buckpasserの黄金配合で紅梅Sの勝ち馬。チチカステナンゴなので速い脚はないが新潟2歳S3着の総合力は侮れない。