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2013/11/24 13:00

ジャパンC

ジャパンCは全身の血が逆流するような興奮と高揚がたまらないレース。お祭り感覚がある日本ダービーや有馬記念と違い、いつだって国の威信を賭ける正真正銘の真剣勝負の場であってほしいレース。しかしその願いが今年は当日を迎えても叶いそうにない。快晴の空とは裏腹にすっきりしない気持ちを抱えたままの通常営業だ。

華やかな舞台に集ったのが宝塚記念にプラスアルファくらいのメンバー、三流の外国馬では盛り上がりに欠けるのも無理はない。しかも日本の大将格であるジェンティルドンナの鞍上にはR.ムーア。これが岩田康誠なら良かったという単純な話でもないが国際競走であるジャパンCで1番人気に推される日本馬に外国人騎手が騎乗するという大きな矛盾も興を冷めさせる一因になっている気がする。

G2の京都大賞典で敗れたゴールドシップもすでに内容ではなくて、結果だけを求められる域に達している馬なのだから5着は論外。エイシンフラッシュピークを過ぎた状態で過去(8)(8)(9)着のジャパンCを勝つほどの甲斐性はない。目をかけているアンコイルドも天皇賞(秋)が色々な意味でぎりぎり。脇役としては優秀でも成長途上のこの馬が上位の一角に名を連ねるのはやはり違和感がある。

東京から阪神に移って間もないジャパンカップダートが廃止され、来年以降はチャンピオンズCとして中京で施行される。ここ数年は国際競走としてまったく機能していない状況だった。今年の凱旋門賞に有力馬を2頭も送り込んだ日本は創設時の「世界に強国に胸を借りる」という立場はなくなっている。ジャパンCも静かにその役目を終えようとしている。


さきほど少し触れたようにジェンティルドンナゴールドシップの再戦ムードに視線は注がれているがこの2頭にも死角はあるだけに予想的には面白い。むしろ再戦の意味では“1年ぶりのライバル対決”“逆襲”“リベンジ”こちらのキーワードに着眼した。

 ヴィルシーナジェンティルドンナの対戦は過去4回あって桜花賞(2)(1)着、オークス(2)(1)着、ローズS(2)(1)着、秋華賞(2)(1)着。ヴィルシーナジェンティルドンナに一度も先着していない。ただ着差は「1/2馬身」「5馬身」「1・1/2馬身」「ハナ」オークスこそ差はついたが秋華賞ではゴール寸前まで苦しめている。あの秋華賞からこの2頭の時間は止まっている。3冠牝馬馬が直後のジャパンCでハナ差の死闘を演じたのはオルフェーヴルである。

ジェンティルドンナが名牝と評される実力馬とすれば、ヴィルシーナもそれに準ずる能力の持ち主と決定するのは些か強引だろうか。確かに4歳になってからのヴィルシーナは傷だらけの戦績で見栄えは良くない。ただ今年5戦中3戦が一線級の牡馬相手。しかも産経大阪杯と京都大賞典は休み明け。ヴィクトリアマイルは勝ったが安田記念はHペースを2番手につけていたし、本質的にマイラーではないから度外視できる。

エリザベス女王杯は目標にされるのを嫌って、控えたのが完全に裏目。道中はメイショウマンボを見る位置につけたが下りでまんまと被されて行き場を失った。策に溺れ過ぎたのが敗因。最後脚を余していたのがせめての救い。ヴィルシーナは前受けしてこそとジェンティルドンナを降板した岩田騎手も改めて実感したはずだ。

東京はG1勝ちを含め[2-1-0-1]中距離はオークスに出走したのみ。このオークスでの着差を中距離級における拠り所としたいジェンティルドンナだが前半5F59秒1の厳しい流れを4角15番手にいた事が功を奏しハマった感が強い。圧勝は前と後ろのバランスが崩れ、ベクトルが振り切った時の産物にすぎない。あの脚が常時使えるわけではないのは証明されている。ヴィルシーナは僅差で負けた現実に目を向ければいい。

イギリスの伏兵ジョシュアツリーが大外からハナをきると思われるが、今回実質の主導権は2番手のヴィルシーナが握ることになるだろう。前半ゆったりとした流れから余力を残して上がり3Fのスパートに繋ぎたい。ジェンティルドンナも途中で動きたくないし、ゴールドシップも無理な捲りは避けるはずだからこの戦法の実現性は高い。

最終追い切りはCWで一杯に追われ6F81.3-5F67.3-4F52.0-3F38.1-1F12.1をマーク。首と全身を使った綺麗なフォームが目を惹いた。事前の馬体重発表で466キロ。輸送で10キロ、そしてもうひと絞りで450キロ前半になれば躍動感が増してくるはず。未完のまま幕を閉じようとしていた同世代の物語が奇しくもエリザベス女王杯の敗退によって、再び針を刻もうとしている。かつてのライバル関係2頭を待ち受ける運命やいかに。

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