朝日杯ＦＳ

唯一の重賞ウイナーが牝馬のベルカントという中山でのラスト朝日杯としてはかなり寂しい顔ぶれで口が裂けても来年のクラシックが?などと前向きな展望はしにくい。確たる中心不在。混戦だからこそ起きうる状況に着目したい。

《決断》
◎アジアエクスプレス
デビュー２連勝で駒を進めてきたがいずれもダート戦。ただ新馬(ダ1400m)が５馬身差、オキザリス賞(ダ1600m)が７馬身差と圧倒的な強さ。オキザリス賞の「1分37秒9」は同日の1000万下にコンマ３秒劣るだけ。大体３歳春の記録と古馬1000万が比較の対象になることを考えれば２歳でこれだけ走るのは凄すぎるとしか言えない。

ダートで絶対的な元値を持っているし相手関係も例年に比べてかなり薄いからあとは芝への適性だけ。父Henny HughesはStorm Cat系でファルコンＳを勝ったヘニーハウンドを輩出しているように日本の馬場には対応済み。母父もCozzene系だから字面以上に芝適性はある。世界を知り尽くしているＲ．ムーアが挑戦の相棒なのは心強い。底知れぬ能力を秘めたアジアの超特急に期待したい。

○ウインフルブルーム
血統や体型を見ると明らかに中山マイルは忙しいが純粋な力だけクローズアップすればこの馬が一番だろう。千両賞は前半4F47秒8のスローだったとはいえ上がり3F11.1-11.4-11.7でまとめ「1分33秒9」は優秀。１４番枠からのレース運びが鍵になるが追いかけて損はない。

▲マイネルディアベル
近２走は逃げる競馬をしているが控えてもいいのは未勝利戦を見れば分かる。父がダート志向の強いナイキアディライトだから馬場の軽い東京より芝質の重い中山向き。早期完成のマイネルだけに怖い。

△エルカミーノレアル
新馬８着以来のマイル戦だが秋を迎えて馬がしっかりして未勝利→福島２歳ステークスを連勝。母ショウナンタレントはフラワーＣの勝ち馬で全３勝を中山で挙げているようにこの舞台は得意な血筋。その中山巧者ぶりが受け継がれていれば一発の可能性大。