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2014/01/05 13:00
中山金杯
中山は昨年暮れの開催からかなり芝質が重くなっている。有馬記念で逃げたルルーシュをはじめ先行勢がペースや展開以上に止まったのは不慣れな馬場で想像以上に消耗したからだと推測できる。高速馬場向きや中山に実績がないなど適性薄の馬たちは例年になく苦戦を強いられそうだ。
調教だけなら文句なしの8歳メイショウサミットがハナ。そのまま逃げ切るレースも描けるようなデキだけに少し考えたがやはり根本的に能力が足りていないし、コスモラピュタ、ドリームヒーロー、サムソンズプライドら同型が厄介。この逃げ馬たちに速い流れで引っ張られると好位を進む馬たちも楽ではない。
おそらく前半から淀みない流れになりつつ、後続も3角過ぎから動くような出入りの激しい展開になると踏んで差し馬中心の組み立てとした。ディセンバーSを14番人気で激走したセイクリッドバレーは今年8歳の大ベテラン。真夏と真冬は高齢馬の季節だがまさかの結果だった。
事の起こりはスタート。奇跡的な好発を決めると内を見ながら先団の後ろにつけ、向正面では前に壁を作って末脚を温存。他馬が仕掛け始めても焦らず、直線に向いてスペースが空いてから落ち着いてスパートすると3歳ダービーフィズと併せ馬で上がって最後は2着をもぎとった。1年11か月も3着以内がない馬の走りではなかった。
振り返れば昨シーズンもさすがに往時の末脚は使えなくなっていたが大きく成績を落としていた訳ではない。中山金杯0秒5差7着、新潟大賞典0秒8差7着、福島記念0秒3差7着はいずれも人気を大きく上回る力走。とりわけ骨折明けだった福島記念は異例の高速馬場に対応して「1分57秒6」だから活力は失われていない。むしろこの一戦が再上昇への布石となった。
ディセンバーSは上がり3F11.9-11.8-11.7の上がり勝負だったが基本的には後方からレースを運ぶ馬だけに速い流れになるのは大歓迎。ハンデは前走時から2キロ減となる「56キロ」福島記念とは違って前がバテたところをズバッと差したい。中間の時計は3本だが5ハロン67秒台の調教をしっかりやっているし上積みが見込める仕上がり。古豪の復活に賭ける。
ケイアイチョウサンはラジオNIKKEI賞1着、京成杯3着など小回りコースで結果を出しているのが頼もしい。道悪の菊花賞で不利を受けながらインを突いて5着まで追い上げるなどスタミナも備えているしタフな条件設定は合う。大外枠で位置取り、勝負所の手綱捌きなど横山典弘の手腕が問われる。
ユニバーサルバンクは厳しいラップが刻まれた七夕賞のように先行してしまうとアウトだが差して2着したアンドロメダSの競馬ができれば逆転も可能な実力馬。ステイヤーズSで2着しているが本質的には中距離馬。適性外の条件でも好走している事が状態の良さを証明している。ネオユニヴァース中山2000m捲りの公式だ。
七夕賞4着、小倉記念5着が示す通りマックスドリームは小回りHペース向きの追い込み馬。上がりの速いレースはからっきしだが富士Sの33秒3(上がり最速)朝日CCの33秒9を考えると重賞に慣れて地力をつけてきたように映る。調教で速い時計は出していないが本数は乗っているし一発狙える。
その次が中山もこなすディープインパクト産駒の5歳ディサイファ。福島記念は初の重賞挑戦でレコード決着の4着だから内容はあった。カルドブレッサは意外と小回りが巧いジャングルポケット産駒で朝日CCも0秒3差5着だから本格化の気配。2000mは実績ないが「54キロ」は恵まれた。