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2014/01/13 15:00
フェアリーS
オープンクラスどころか500万で好走した経験のある馬もいないメンバー構成だけに予想も要領を得ない。「新馬・未勝利の中身」「舞台適性」「差しが決まる馬場状態」から多角的に判断。クラシックとの関連性が薄くロサードやブラックタイドら色物も来る条件的にチチカステナンゴ産駒の重賞初Vが懸かるエクセレントビュー◎もあながち見当外れではないはずだ。
ご存じの通りチチカステナンゴ=失敗種牡馬。日本での供用3年で急逝するなど社台が導入した期待馬の計算からすれば黒歴史はほぼ確定している。ただ目を覆うばかりだった初期に比べればオープン特別2着のリボントリコロールや重賞3着のピークトラムなどポツポツ走り始めた昨年は成績上向きで特に良くなったのが年間28勝中17勝を挙げた9月以降。
晩成を示す傾向に加え、チチカステナンゴの最大の欠点である速い脚の欠如を各陣営がようやく掴み始めたのだろう。4、5回の中山だけで7勝を稼いでいる。ただ芝で22勝しているが未だに上がり3ハロン33秒台を使って勝った馬はゼロ、34秒台も8頭。はっきり言えるのは生まれる時代が20年ほど遅かった。
しかし鈍足ゆえに上がりの掛かる消耗戦には強い模様でステイゴールドの下位互換みたいな需要はありそうな予感がする。もちろん真っ当なスピードは大前提。ある程度の位置を確保できなければ意味がない。その点エクセレントビューは新馬戦(中山1600m)を見るかぎり条件を備えていたように思う。
スタートを互角に出て、折り合いよくバラけた隊列の中団インに控え、鞍上にハミを促されながら4角を回り、しぶとく直線を割って差し切り。最後は手綱を抑えていたし着差以上に強い競馬だった。上がり3ハロンは35秒8。標準的なチチカステナンゴだが再度同条件であれば重賞とは名ばかりの今回も通用する可能性大。
祖母のファイトガリバーは桜花賞1着、オークス2着の馬。上がり3ハロンがそれぞれ「34秒5」と「34秒4」で18年前としては相当な切れ味だった。母のトップエクセレントはアグネスタキオンの素軽いスピードより母系のHyperion血脈を受け継いでいたが紫苑S4着などの実績もあり、血の流れとしては決して悪くない。
デビュー前は坂路で馬也中心の調教だったがこの中間はWコースに切り替えた。ここ2週は古馬相手に大きく追走して併入に持ち込むなどハードな内容を消化。神経質になりがちな3歳牝馬にこれほどの強い調教が課せるのは大きな武器になる。一度使った効果は大きく充実一途だ。
イントロダクションは中山1600mの未勝利(2着)で「1分34秒9」がある馬。野芝オンリーの9月開催時の記録なので現状の馬場では鵜呑みにはできないがこの馬自身未勝利勝ちが不良馬場。道悪自体は本質的に得意ではないにしろ良馬場で時計の掛かる条件は合うかもしれない。デュランダル産駒は5着といえ昨年のスイートサルサが0秒1差まで迫っているレースだけに勝機はある。
逃げは歓迎ではないがペースが落ち着くと怖いのは昨年のような前残り。クラウンロゼを逃げ切りに導いた三浦皇成騎乗のスイートガーデンが穴。関西遠征は惨敗に終わったが新馬は余力残しの勝ち方だったしブラックタイド×パラダイスクリークの傍流血統でニーズがマッチする。先手をとれば2匹目のドジョウも。
連候補で12年1着トーセンベニザクラ、3着ダイワアルテミス、13年3着のサンブルエミューズら好走馬を送り込んでいるダイワメジャー産駒の2頭。シーロアは休養前は出負けしていたが放牧を挟んだ前走(中山1800m)が先行押し切りで見違える進歩。上がり3Fを12.2-11.4-12.1でまとめている点も優秀。祖母がWar Relic5×5でダートに強い家系だが馬力があるのは好都合。
ホットランナーは英愛ダービー馬のGalileoと独ダービー馬Acatenangoのスタミナで新馬戦(中山1600m)を出遅れから強引に捲って勝利。道中の流れが遅すぎて勝ちタイムは「1分40秒0」だからあまり参考にはならないがその脚力を一考。あとは押さえで12年4着オメガハートランドの半妹オメガハートロック。父がネオユニヴァースに替わっているのでマイル重賞では強調しにくいが潜在能力はある。