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2014/02/16 14:00
京都記念
ドバイの壮行戦として定着してきた京都記念。厳寒期だから強力な馬は不在。綺麗な戦績を維持しつつ、次に余力を残した状態でひと叩きできる理想的なローテとなる。史上初のジャパンC連覇で13年を締め括ったジェンティルドンナだが一流の牡馬相手だったとはいえ勝ち星はジャパンCのみの4戦1勝。オルフェーヴル引退後の女王に一層の注目が集まることは必至だ。
昨年はジャパンC後にドバイシーマクラシックへ直行し、セントニコラスアビーから2馬身4分の1差の2着。仕上げにゆとりのあるローテを選択して勝機を深めにくるのは当然だろう。1月中旬に帰厩して中間の時計は5本。同じような間隔だった宝塚記念と似た調整だから力は出せるだろう。
ただ今回考えるべくは付随状況。雪の影響が残り芝コンディションの悪い中、牡馬換算58キロを背負うのは厳しい。そして昨秋から抑えが効かず掛かるようになってしまった事は重大。全姉ドナウブルーがそうだったようにマイラーの母系だからいつ危うくなっても不思議ではない。ピークを過ぎてジェンティルドンナの破綻が始まっている可能性はある。
穴党としてはジェンティルドンナを圏外におく値打ちのある勝負。マイルCS1着以来となるトーセンラーも京都大賞典は57キロで3着だから斬れ味が削がれるであろう渋馬場で苦戦することは容易に想定できる。エリザベス女王杯2着で脚光を浴びたラキシスも混合のG2で勝ち負けに加わるだけの力はついていない。
完全に本格化した◎ヒットザターゲットがG1馬の背中を撃ち抜く。明らかに距離が長いだろうと思われていた目黒記念4着(0秒4差)あたりから兆候はあったがゴールドシップら一線級が顔を揃えた京都大賞典で直線一閃して確固たる自信を得た。
前半のスローから後半一気にペースアップして[11.7-11.4-11.1-11.6-11.3-12.0]終始インで我慢し、2着だったアンコイルドより少し先に仕掛けて弓のようにしなる走りで伸びあぐねる先団を飲み込んだ。内枠巧者の真骨頂。ただ極端に上がりが掛かったわけでもないから実力で捩じ伏せた煌めくG2のタイトル奪取だった。
直後の天皇賞(秋)は7着。1000m通過58秒4の激流で追走に一杯になって脚が溜まらなかった。ジャパンCは一転ゆったりとした流れを外から強引に捲る競馬。無茶はしたがなんとか11着でも団子の一線でゴールしているのが充実の証だろう。結果論にはなるが直線勝負に徹すれば掲示板はあったかもしれない。
中間の乗り込みは十分。昨秋から調教で真面目に走るようになっていたが今週は稍重の坂路で4ハロン51秒7-ラスト1ハロン12秒8の猛烈デモ。この馬の急成長を後押ししているのは間違いなく母父のタマモクロスであり、3度変わると言われた母母母父ノーザンテーストだろう。淀の舞台で再びジャイアントキリングだ。
○アンコイルドも状態はとっくに下降していたはずのジャパンCでもしっかり上位争いの一団に混じるなど地力強化が著しい。京都は3戦2勝と得意にしているし、CWで併せた相手をブッチぎった今週の追い切りが圧巻の一言に尽きる。善戦の呪縛から解き放たれるとき。
▲コウエイオトメはロスなく経済コースを通った日経新春杯でも4着だったから一見苦しいがハーツクライ×キングマンボなら道悪で覚醒もある。トーセンラーがその次。ジェンティルドンナは買っても3連複、3連単の押さえとする。