デイリー杯クイーンＣ

アサクサデンエンは05年安田記念で後の宝塚記念馬スイープトウショウや当時１７連勝がストップしたばかりだった香港の最強スプリンターサイレントウィットネス、翌年の安田記念馬ブリッシュラック、以下カンパニー、テレグノシス、ダイワメジャーなど豪華メンバーを撃破し、海外遠征を経て翌年も２着するなど東京で通算６勝を挙げた名サウスポーだった。

速い時計の決着も得意だったし、厳しい流れになった時や長い直線で他馬がバテるなどタフな状況下でこそ真価を発揮できる馬だった。ホワイトウォーターアフェアの初仔で、弟にあたるスウィフトカレントやヴィクトワールピサ、近親のローブティサージュなどが成功をを収めているのは母系のMachiavellianが大きく貢献しているから。

Machiavellianは日本の馬場向きの軽いスピードや俊敏さを伝えるMr. ProspectorとHaloの二系統の働きが大きい。日本で活躍する種牡馬であればこの二系統でクロスが成立しやすいから有利になる。アサクサデンエンがサドラーズウェルズ系のシングスピールを父に持ちながらうまく順応できたのはHalo３×４の効果。スピードとスタミナのバランスが絶妙だったから総合力が問われる府中で強かった。

ここまで産駒は７勝と不振だが繁殖の質さえ向上すれば十分に血統的な価値は見出だせる。ダートながら東京２歳優駿牝馬競走に優勝したブルーセレブは母父ゴールドアリュールでHalo４×５×４、Mr. Prospector４×４。同じく地方ながら７勝しているカベルネフランやＪＲＡで２勝のミッキースマホもそれぞれ母父はフジキセキとバブルガムフェローでHalo４×５×４だからかなりお手軽な強化配合とも言える。

タイセイティグレスは最も有効な母父サンデーサイレンスのHalo４×５×３に加えてサドラーズウェルズ４×３があり、従姉妹にレッドディザイア(秋華賞)祖母の半兄にキングジョージ６世&クイーンエリザベスＳを勝ったベルメッツという背景が興味をそそる。

新馬が東京1600mで１４番人気２着、東京1400mの未勝利が７番人気１着と刺客役が多かった父の面影が全開。新馬戦で敗れたのがカラダレジェンド(京王杯２歳Ｓ)で未勝利戦はレベルの高さを証明するべくきっちり勝利を飾った。ゲートがひと息など完成途上だが中間の調教が質量ともにメンバー随一。鞍上は冴えないし、過去10年未勝利からの臨戦は[0-0-0-21]で絶不調なのだが父系の舞台適性およびこの血統の成長力に賭けてみたい。

強敵はレッドリヴェールやハープスターと接戦に持ち込んだ阪神ＪＦ３着のフォーエバーモア。母エターナルビートは芝1200mで３勝し、クリスタルＣ２着。3/４半兄のマルカジークはシンザン記念、共同通信杯いずれも３着と仕上がり早の血統(ジャスタウェイも同牝系)でクラシック前のＧ３は条件適合。実績馬は順当の重賞だし素直に相手筆頭。

オペラハウス産駒のニシノアカツキは馬場が乾いてきたし、フェアリーＳ(２着)が内容的にも凡戦に近いので強調しづらいが昨年優勝したウキヨノカゼも敬遠ムードが漂っていたしこれも500万で好勝負していた程度の評価は必要か。

デルフィーノはダノンバラードの甥でハーツクライ×フレンチデピュティでだからHalo３×４。小回り向きの脚捌きで若竹賞は３着に敗れたものの後方から４角で先団に押し上げていく脚力が証明していた。フラワーＣあたりなら本命でもいいが東京のマイルとなると少し忙しいかもしれない。スローと半々の想定で連下。

アルテミスＳで上がり最速タイの末脚を駆使し、阪神ＪＦ５着のマーブルカテドラルと０秒５差５着だったセレナビアンカ、出遅れながら同レース４着まで追い上げたサクラパリュール、東京マイルで差すにはちょっと重い気もするが２勝馬で阪神ＪＦ６着のマジックタイムも注意したい。